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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 小口送金(ファイナンシャルマネジメント/平松拓)

小口送金(ファイナンシャルマネジメント/平松拓)

11/03/23

為替取引についての最近の動き

前回、為替取引は従来銀行など、預金取扱い機関に認められた業務だと
お話ししました。

しかし、一昨年資金決済法が成立し、それによって資金移動業者という
概念が新たに設けられたことで、従来の預金取扱い機関に加えて
様々な業種の企業が、金額や種類の限定等はあるものの、為替取引を
行えるようになりました。

もともと為替取引が預金取扱い機関に限定されていたのは、経済活動
の基礎インフラである為替取引について「支払者と受け取り者の保護」と
「確実な履行」が極めて重要だからです。同時に、為替決済の為に
決済機関に渡った資金が受け取り者に支払われるまで滞留して、それが
融資などにも用いられるという発想が背景にあったものです。

外国為替については1998年の法改正で、外国為替取引が全面自由化された
という表現がよく用いられます。確かに外国為替銀行法や両替に関わる制度等が
廃止され、誰でも外貨を使った売買や両替を自由に行うことができるように
なりました。しかし、一方で預金受け入れや為替取引を行えるのは銀行だけである
という銀行法上の規定は残ったままで、そのため外貨預金の受け入れや
外貨送金などについては、依然として預金取扱機関のみしか行えない
こととなっていました。

一方で実際の社会では、コンビニエンス・ストアのネットワークや宅急便など、
従来は存在していなかった様々なサービスの提供者が登場しており、
実際には顧客のニーズに応えて様々な取引が行われるようになってきました。
その中で、為替取引の定義である「場所の移動を伴う決済取引」に限りなく近い
サービスの提供も広く行われるようになってきました。
コンビニにおける収納代行サービス、あるいは宅配業者による
代金引換サービス、いわゆる代引きなどが典型的な例です。
コンビニ4社による収納代行の取扱額は、件数ベースでは銀行送金の約半数の
規模となっており、同業務により事業者に滞留する資金の金額が地銀並みに
達しているところもあります。

そうした背景には、銀行による為替取引は「安全」である一方、
営業時間が短い、手数料が高いなど、利用者にとっての利便性には
欠けるという、決定的な問題があります。そのため、利用者の
利便性の向上やサービスに係わる国際競争力強化の観点から、
為替取引に関する制度柔軟化がはかられたのが、一昨年の法改正です。

イノベーションと競争の促進を図るべく、金額面で制限を設けることや、
事業者に担保を積ませることで安全面の手当てを行うなどの形で、
多様な担い手による為替サービスの提供が可能となることを目的としています。

具体的には、株式会社形態の事業者が資金移動業者の登録をして、
滞留資金の全額相当以上の額の履行保証金を供託することで、
1回あたりの送金額が100万円以下の為替取引を業として行うことが
可能となりました。その他に、この法律改正で、nimocaやsuicaなど、
従来のプリペイドカードについての規制対象に含まれていなかった
サーバ型前払い支払手段が新たに規制の対象として含まれることになりました。
一方で、コンビニによる収納代行や宅配業者による代金引き換え
サービスについては、これまで大きな問題が生じていないということから
新たな制度化は見送られました。

IT技術の進歩により、この分野は今後とも革新が見込まれる分野です。
同時に幅広いサービス・イノベーションのためのインフラという意味を持つ
分野でもあります。従って、今後の規制の在り方についても、安全性と
利便性の適切なバランスを考えていくことが重要といえるでしょう。

分野: 平松拓教授 |スピーカー:

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