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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 自動車業界と環境対応 (財務戦略/村藤 功)

自動車業界と環境対応 (財務戦略/村藤 功)

11/02/25

■自動車市場の動向
調査会社のJDパワーによると、
2010年の世界の新車販売台数は、
世界経済の回復を背景に2009年から1割増の約7230万台となっています。

このうち、BRICsの2010年の販売台数は2650万台と全体の4割弱にのぼっています。
また、新興国全体の比率は53%となり、販売台数が始めて過半数を越えました。
なかでも中国の2010年の販売台数は1800万台と、2年連続のトップとなっています。
アメリカと日本、ドイツの合計は1970万台で、
中国に追い抜かれてしまうのも時間の問題となっています。

また、特に欧米では環境規制が強化されているため、
2012年以降は電気自動車やプラグインハイブリッドの普及が見込まれています。
そのため、欧米を中心とした環境対応車と、
新興国の安い車がこれからどのように伸びていくのか注目されています。


■日本の自動車業界
日本の自動車業界の中では、トヨタがハイブリッドの分野で強みをみせています。
トヨタは新車販売台数でも、2010年には841万台を売上げ、
3年連続で世界一となりました。
しかし、トヨタよりも新興国に強いGMも販売台数838万台と業績を回復させてきており、
2011年はさらに首位争いが激しくなってくるのではないかと思います。

これまで、トヨタはハイブリッド車にニッケル水素電池を搭載していましたが、
蓄電容量が小さいため、2011年秋をめどに、
より蓄電容量の大きいリチウムイオン電池の量産に乗り出す方針です。
パナソニックや日立も今年以降、
電気自動車に搭載するリチウムイオン電池の量産を始める予定です。

現在、トヨタとGMが新車販売台数で1位、2位を争っており、
3位がフォルクスワーゲンです。
そして4位が日産ルノーですが、
5位の韓国現代自動車が傘下に起亜自動車をおさめ、
日産ルノーに迫りつつあります。


■アメリカの自動車業界
アメリカでは、2009年の春から夏にかけて、
クライスラーとGMが法的整理を開始し、上場廃止となりました。

2009年3月には544億ドルあったGMの借入金は、
銀行や個人投資家の債権を9割カットした結果、
462億ドル減少して2010年6月末には81億ドルとなり、
財務状況は大幅に改善されました。

また、GMの労務費は日本メーカーより4割程度高い時給換算75ドル程度でしたが、
日本の自動車メーカー並みの時給50ドル程度に引き下げられました。
余剰の工場や人員も削減し、GMは大幅に回復してきています。

GMは2010年11月にニューヨークの証券取引所と、
カナダのトロント証券取引所に再上場を果たしています。
時価総額は約500億ドル、売り出し価格は33ドル、
初値は35ドルで、初日の終値は34ドル19セントと上々の滑り出しとなりました。

とはいえ、GMはリストラの過程で、
環境負荷が小さいディーゼルエンジンを得意とするいすゞ自動車や、
小型車に強いスズキの株を売却しました。
GMの環境技術の開発は停滞している状況で、
これからどのように環境対応していくのかというところで、
GMの復活が本物なのかどうか分かってくるのではないかと思います。


■中国の自動車業界
中国政府は新エネ車の振興のために、
2020年までに1000億元を投じ、500万台を普及させる計画です。
投資家のウォーレン・バフェット氏が出資するBYDオートや、
奇瑞汽車は電気自動車の販売を始めており、
トヨタと合弁を組んでいる第一汽車も2010年に電気自動車を発売しています。
またフォードからボルボを買収した浙江吉利控股集団も、
2012年までに電気自動車を発売する予定です。

しかし、中国では電気自動車に補助金が出るとはいえ、
まだ話題先行の部分があり、なかなか電気自動車は売れていないようです。
そもそも電気自動車の価格が高く、またインフラも整備途上で、
簡単に買ってしまうと後で困るということなのでしょう。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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