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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 外国人労働者の就労①(国際経営/星野裕志)

外国人労働者の就労①(国際経営/星野裕志)

11/02/21

最近気になるニュースがあったのですが、それは佐賀市内で
地下銀行が摘発されたことです。市内繁華街にある洋品店を舞台に、
フィリピン人の夫婦が地下銀行を運営していたという話です。
地下銀行というとおどろおどろしい名前ですが、銀行法に基づく
正規の免許を持たないで不正に海外に送金する業者のことを指し、
この佐賀の夫婦は、本来銀行にしか認められていない送金業務を
個人で行っていたらしいのです。送金手数料が普通の銀行より安いとか、
夜間でも対応してもらえるので積極的に活用され、なんと10の都府県の
460人から3億7千万円が入金され、それを送金していたという話です。

一般に日本で就労するフィリピン人たちが、地下銀行を通じて本国に
送金することは、正規のルートではないので犯罪です。それ以上に不法
滞在の外国人が不法就労あるいは様々な犯罪で入手した資金を本国に
送金する犯罪のインフラとして活用される可能性があるので、今回摘発
されました。

もう1つ気になるニュースは、シンガポールの外国人の受け入れです。
シンガポールは、非常に厳格な法律で海外からの労働者の受け入れに
規制をかけてきたのですが、最近それが一転して海外の主要都市に
コンタクト・シンガポールといわれる、高度な人材向けにシンガポールの
就業情報を提供する施設を置いて、積極的に海外人材の受け入れを
始めたことです。日本以上に少子化が進んでいる中で危機感を
感じたのでしょうか?実際に外国人を雇用する採用費用を税金控除の
対象にするなどの優遇制度も設けられたということです。

このように、今日お話しするのは外国人労働者の問題ですが、日本でも
外国人労働者の受け入れについては、色々な問題が国会でも論議
されてきていますが、未だに結論をみてない状態です。最近
NHKでも高齢社会という特集を放送しましたが、やはり外国人
労働者を受け入れざるを得ないのではないのかという風潮があります。
1980年代の末くらいから、いわゆる危険・きつい・汚いという3K労働の
日本人の担い手がいなくなるので、日本の競争力を支える人材不足の点からも
外国人労働者をといわれてきたのですが、実際にはなかなか進展していません。

一方で現実には、愛知県や群馬県の製造業の現場には日系人をはじめとする
外国人が労働しているので、非常に中途半端な状態だと思います。
賃金や犯罪の問題も出てくる中、様々な心配が法制化を遅らせている
と思います。厚生労働省の職業安定局の2006年の調査によると、
日本で合法的に就労している外国人は75.5万人、それに不法就労していると
考えられる不法残留者が17万人で、合わせると925千人の人たちが日本で
労働していることになります。そこで冒頭に話をしたように、日本で得た
お金を、地下銀行を通じて本国に送金することも出てくると思います。

外国では華僑とか印僑ともいわれる海外で働く中国人やインド人人口は
かなり多いですが、日本から海外に働きに行く場合、企業からの派遣者が
多いと思います。

このような中、フィリピンからは毎年約100万人が海外に出ています。
フィリピンの人口は8,900万人で、海外に滞在している人は800万人なので、
人口の1割が海外に出ているという驚くべき数字になります。
更にそれを労働人口だけに絞ると25%、つまり4人に1人が海外にいる
というのがフィリピンなのですが、それは海外で稼いだ方が高い収入を
得やすいという賃金差です。海外で就労するフィリピン人が本国に
送金する額ですが、これは2008年で150億ドル、約1兆3000億円位という
莫大なもので、フィリピン国内総生産の約1割くらいに相当します。

そうなるとフィリピン政府としても、積極的に海外就労を国家戦略として
位置付け、専門の政府機関として海外雇用庁を作り、海外労働者の
移動政策を展開しています。具体的には、フィリピン人労働者の
海外労働を促進・調整するための体系的な事業計画の作成、あるいは
公正・公平な雇用のための権利擁護などを行いながら、国家事業として
海外に出掛けるフィリピン国民をサポートしています。そして海外で得
たものを本国に送金して欲しいということです。

日本でが限られていますが、香港には家政婦さん或いは赤ちゃんの面倒を
みるためのベビーシッターのフィリピン人女性が非常に多いです。一方、
サウジアラビアなど中東の建築現場やプラント等では、労働者として男性が
多く働いています。その他、無視できないのは25万人といわれている船員に
なる人たちです。

パナマ船籍とフィリピン人船員という言葉は、ほとんどペアになっていますが、
彼らに共通するのは英語という公用語が使えるアドバンテージだと思います。
ただ、出稼ぎに行く人たちの労働の内容は、決して高い技術が身に付くような
ものではないという問題もありますが、現在日本で福祉関係の仕事に従事する
高度な専門性を持った人たちがいます。このことについて、明日お話をします。

分野: 星野裕志教授 |スピーカー:

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