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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 菅改造内閣発進 (財務戦略/村藤 功)

菅改造内閣発進 (財務戦略/村藤 功)

11/02/18

■菅内閣の再改造
2010年9月の内閣改造に続いて、
2011年1月に菅首相は再び内閣改造を行いました。

日経とテレビ東京の世論調査によれば、
この内閣改造により内閣支持率は、
2010年12月の26%から31%へと増加していますが、
5%の増加と効果は限定的です。
逆に、与謝野氏を大臣に起用したことへの批判の声も出ています。

そもそも2010年6月に鳩山内閣を引き継いで以降、
菅首相は色々な問題に直面してきました。
内閣を引き継いだ直後、7月の参議院選では民主党は大敗しました。
また、9月には小沢氏と代表選で争い、その時に1度内閣を改造しました。
そのため、今回は2回目の改造内閣となります。
2回目の内閣改造は、小沢氏との対立や、
野党が参議院の問責決議を受けた仙谷、馬淵両氏を交代させなければ、
予算審議に応じないとしたことから、内閣改造へと追い込まれてしまいました。

とはいえ、野党もそう簡単に民主党の予算案に賛成するはずもないため、
予算の審議は難航するのではないかと思います。


■予算関連法案の成立
憲法の規定では、予算は衆議院を通過してから30日で自然成立します。
民主党は衆議院の過半数を抑えているため、2011年度予算は成立する見込みです。

しかし、予算関連法案が通らなければ、根拠や財源がないため予算は執行できません。
この予算関連法案は自然成立しないため、通すためには参議院で過半数を得るか、
参議院で否決された後に衆議院の3分の2以上で再可決しなければなりません。
2011年度予算は税収が41兆円の見込みですが、
赤字国債38兆円の発行を見込んでいます。
赤字国債の発行を含め法案を成立させなければなりませんが、
そのためには野党の協力が必要となってきます。

仮に予算関連法案が通らなければ、予算が執行できず、
政府は内閣を総辞職するか衆議院を解散するしかありません。
しかし現在のところ、自民党はもちろん公明党も、
衆議院が解散されれば民主党に勝てると踏んでいるため、
全く協力姿勢を見せていません。
民主党がある程度、自民党や公明党に譲歩しても、
両党から賛成が得られる可能性も低く、これから民主党と自民、
公明の両党が対立したまま審議に突入する見込みが高くなってきています。

取りあえず2011年度予算案は通過し、予算関連法案は通らないまま、
春の統一地方選挙を迎えるという見通しになっています。
おそらくはその後に、内閣総辞職か衆議院解散となるのではないかと思います。


■消費税の値上げ
菅氏は2010年6月に首相へ就任した後すぐに消費税増の議論を始めて、
7月の参議院選挙で大敗してしまいましたが、
参院選で負けた後も消費税を上げることについて諦めたわけではありません。
今回の与謝野氏の起用は自分が主導するのではなく、
与謝野氏を前面に出して、消費税の議論を進めていくということではないかと思います。

与謝野氏は、現状では日本の財政が破綻してしまうという考えで、
以前から消費税を上げるよう主張しています。
財政再建ができそうにない民主党を批判していた与謝野氏ですが、
今年1月の内閣改造で経済財政担当大臣兼社会保障と税の担当相に就任しています。
菅氏としては、自民党出身の与謝野氏に、
自民党との仲を取り持ってほしいと考えていたようですが、
自民党は与謝野氏を「立ち上がれ日本」結成時に除名しており、
「信頼関係を放棄した裏切り者」として非難しています。


■財政再建
現在、国と地方を合わせた長期債務残高は約900兆円にのぼります。
また、かつてプライマリーバランスの黒字化を目標として掲げていた時期もありますが、
国の基礎収支は22.7兆円の赤字です。

兼ねて申し上げていますが、
財政再建のために必要なことは消費税の値上げや経済成長ではなく、
数百兆円規模の現業の民営化です。

当初、民主党は事業仕分けによる歳出削減を掲げ、
現在は消費税による税収増を行おうとしています。
ところが、現状では政府として絶対に必要な企画と進捗管理だけでなく、
民間企業にさせるべき現業を数百兆円かけて運営しており、
そのための資金調達を赤字国債の発行を中心として行っています。

結果として、将来の子供たちや今サービスを受けない人たちが、
将来赤字国債の返済を行うことになるわけですが、
このような仕組みで国も長続きしません。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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