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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 地域の自立発展と若者の雇用(1)(経営学/久原正治)

地域の自立発展と若者の雇用(1)(経営学/久原正治)

11/02/15

2011年日本経済の課題は5つくらいありますが、
その内3つは経済をどうやって活性化するかです。
第1に規制緩和をし、第2に内需主導の経済に構造を変換すべきです。
第3に高齢化社会の社会保障や財政の問題を考えていくのか、
これは現政府の最大の課題です。私のように地方大学に
勤める教員から見ると、第4の課題の地方経済の活性化と、
第5の課題の地方の若者が希望を持てる職を見つけること、
この2つが日本の各地方が抱える今年度の重要な課題と考えています。

この地域の課題の解決策として、私の郷里久留米で、地域からの
自立発展モデルを考えているところです。地域はこれまで
中央政府に依存して発展してきましたが、これをどうやって
自立して発展させるかということです。地方から独自の中小企業や
従来の地場企業を再活性化させるのもいいですし、
新しい中小企業を作るのもいいでしょう。私はその担い手として
老若連携を考えています。それは、地方でなかなか職が見付からない
若い人たちと、中高年で都会の会社で働いて色々なグローバルな経験を
してきた人たちの連携です。久留米は住みやすいので、都会や海外で
経験した人たちが大勢郷里に帰って来ていますが、この人たちは
今は年金生活者になっています。彼らはまだ元気ですから、
中高年の経験を若者と共有して連携し、地域経済のエンジンになるような
中小企業を育てる柱になれる人材だと考えることができます。

地方の中小企業で伸びているのは、グローバル展開しているような企業です。
久留米ですと例えば寺松商店という古紙回収の会社があります。
海外に古紙を輸出して、更に色々な環境リサイクルシステムを作ろうとして
伸びています。近くのうきは市では、元々農機具を作っていた会社が
筑水キャニコムという会社になり、面白い発想で草刈り機などを作り、
それを世界30ヵ国に輸出しています。新宮町に第一施設工業という会社があり、
半導体や液晶工内の搬送設備を作っていて、グローバルな人材を投入して
活躍しています。第一施設と筑水キャニコムはいずれも従業員数は200名以内ですが、
20名くらいは留学生を雇用しているという特徴があります。
これらの企業を見てわかるのは、大企業はマスプロダクションになりますから、
細かいところに行き届いたニッチと言われる設備や製品は中小企業でしか作れません。
客に合わせたものを作る、オーダーメイド的な商品を作れば、日本製は質がいいので
グローバルニッチとして海外には活躍の場がいくらでもありますが、
その材料が地方にはいくらでも転がっています。

これが地方活性化の課題への対策です。次に、若者が希望をもって
就職できる機会を見つけるという課題を考えてみましょう。
ここ数年は超就職氷河期といわれ大問題となっています。
就職氷河期を具体的にみると、大体大学卒の就職率が60%位、
これが1995年から2003年まで続いて、また現在同じようなことに
なっています。今回の問題は、前回の就職氷河期を大きく上回る
可能性があります。データを見ると大学生が増え過ぎています。
例えば1990年には大学生は37万人だったのが、2010年位だと
55万人になっています。1990年の全同世代人口に対する大学入学者の率は
2割位でしたが、今、42%と倍以上になっています。一方、企業に就職した
学生数は不景気にも関わらずこの間それほど減っていません。そうすると
問題は、増え過ぎた大学生の方に就職できない理由があるではないかということが
データから分かります。その全入時代に大学が門戸を広げてしまったことが問題です。
以前は高校でも工業高校、商業高校、あるいは専門学校など、手に職を付けさせる
教育機関はいくらでもあり、短大にしても職業教育をやっていました。
ところが大学はそんなことをやってこなかったので、大学進学者が増えた結果
大学に来て遊んであまり勉強もしない、そんな人は会社も雇わないということに
なっている可能性があります。地域の若者に職を作る話は続けて次回お話しします。

分野: 久原正治教授 |スピーカー:

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