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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 東洋思考(財務会計/岩崎勇)

東洋思考(財務会計/岩崎勇)

11/02/08

西洋人の考え方の基本は、分けて整理するということです。
逆に東洋人は、全体を見て個別に分けない、未分化のまま処理するのが
基本思考で、ここが大きな特徴です。ただ我々は、既に実社会では西洋的な思考が
入っているので分けて考えていますが、根本的には分けないという考え方が
あちこちにみえてくるのが東洋的です。

分けないということを経営的に絡めていうと、自分と他人を分けないで考えることです。
例えば雇用面では、長期雇用です。労働者を単なる利益を生み出す手段と見ずに、
企業の一員としてみています。だから簡単にレイオフしないという面に出てくるのです。
もう1つが、近江商人の買い手よし、売り手よし、世間よしという三方よしの考え方です。
これは東洋思考で自分と他人とを分けないことが根本思考にあります。
これは基本的な思考は未分化、つまり自分と他人を分けないで同一のものとみなす、
さらに宗教的な話になりますが、仏教の無我の思想にいきつきます。
無我、あるいは儒教でも自分と他人を分けないという考え方がありますが、
宇宙のことを天といい、天の思考がありますが、儒教や仏教には他人と自分を分けない
という思考が昔からあり、それを基本としてこういう考え方が成り立っているのです。
松下幸之助さんも、そういう話を過去残していますが、他にも薬と生活を分けない、
医食同源などもそうです。

そのようなところにも東洋の思考が表れているし、あるいは利益と徳、ガバナンスでいう
コンプライアンス、健全性と効率性の部分があり、利益を求める時に西洋人は
利益を優先してコンプライアンスは仕方なくやっているように思われますが、
東洋的な発想では健全性、コンプライアンスを徳と捉えると、積極的になります。
日本人にも西洋的な考え方をする人はもちろんいますが、根本的に考えると
2つを分けないというところでポジティブな徳、健全性をベースとした利益追求ができます。
だから東洋では、真面目にやっていれば利益がついてくるという考え方になります。
長所をもっと具体的な言葉でいうと、全ての行動において全体を考える、そして
長期的な視点でバランスを重視してやることです。
したがって、西洋人は短期利益というふうにみられます。特に金融の世界ではそうです。
日本では長期的に見るので、昔の商人、町人の道徳観は薄利多売です。あまり儲からなくても
お互いにいい関係を長期的に築いていく、短期的に多くの利益を追求していません。
そういう意味では長期思考に立って、薄利多売でやるというのは昔からあります。
直接ビジネスに関連する時もあれば関連しない時もありますが、ファジーとか感性を
日本人は重視します。具体的には日本には伝統工芸など巧みの業は何でもあります。
知性も重要ですが、東洋的な思考は可愛いとか繊細さというもの、感性とか
ファジーというものを重視して、それが精巧さとか信頼に結び付いていることに
長所があります。

短所は、西洋人には自己の確立がありますが、東洋人は自己の主張が明確ではありません。
本当はあるですが、あまり表に出さないので自己主張が明確でなくて曖昧だし、
本心を隠しているということも、それが美徳というところもあります。
あとは、効率性を考えないので、業績が悪いからといって即レイオフしないのです。
だからアメリカなどと比べますと効率性が悪いというところが出てきます。
それから意思決定とか行動が遅いというのが典型的なものです。
皆で話し合って皆の気持ちを汲んで決めるので時間がかかります。
けれども始めに挙げたように東洋人思考には、いい部分があります。
1番いいのは落ち着いていて平安が得られることですが、これは東洋にはありますが、
西洋はありません。何故なら、自己を確立して、自己と他人を差別するので、
自己を最有力なものとするため、この調和関係がありません。

国内でビジネスをしている人は東洋人思考でもいいのでしょうが、グローバルな中では
昨日・今日話したことを考えながら会社を経営していかなくてはならないでしょう。
それが両者の統合といって昔からよくいわれる和魂洋才です。和魂洋才の意味は
現代的にいうと、徳と西洋的な知識を組み合わせてやるのがベストだと思われます。

分野: 岩崎勇教授 |スピーカー:

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