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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 西洋思考(財務会計/岩崎勇)

西洋思考(財務会計/岩崎勇)

11/02/07

会計の関係で、コーポレートガバナンスと監査という授業を担当しています。
コーポレートガバナンスの1番基本的なことは、企業経営をどう統治していくかですが、
その核心となるのが健全性と効率性です。健全性は一般にコンプライアンスと呼ばれています。
もう1つは効率性でいかに利益を上げていくか、その両方をうまくバランスさせながら
企業経営をやる必要があります。その場合、東洋的な企業経営と西洋的な企業経営は
非常に異なると思いますので、その根源を思想の面から確かめてみたいということで
こういうテーマにしました。

今回は西洋思考を中心として、次回は東洋思考を中心としてお話しします。

まず西洋思考の1番基本的な考え方は、物事をひたすら分解することです。
何故かというと「分かる」という言葉の語源は分数の分です。AとBを分ける、
それが分かる、理解する(Understand)の解なのです。
あるものを2つ以上に分解して知識を整理するのが西洋人の根本思考にあります。
どういうふうに分けるかですが、日本でも今では常識になっていますが、
西洋の根本思考は、2元論或いは二項対立ということです。
宗教的にはキリスト教が代表的ですが、神と人間という対立関係があります。
あるいは西洋でよくいう自己の確立、自己と他人と2つに分けるということを
根本的な発生源泉としていると思われますが、自己の確立をベースとして、
例えば2元論でいくと、主と客、自分と他人、神と人間、人間と自然、
白と黒、光と闇、善と悪というように分けます。ただ分けるだけではなくて
先程言いましたように、前者が後者よりも優位に立つという考え方があります。
自分と他人を分けた場合、自分の方が優先することが一般的にあります。
ニュアンスとしては、前者に優位性があるように分けていると思います。

もちろん2元論には長所、短所がありますが、長所は特殊で具体的な事象を
単純化できることです。少し古いのですが、湾岸戦争の時には、アメリカ側につくか、
反対側につくか、白・黒とか、敵・味方とか、単純的に一般化できることが第1点です。
もう1つは、先程話したようにAとBを分けることは分かる、理解することですが、
どんどん分けることによって知識が蓄積していくことがあります。
分析的で知識の蓄積には非常に役立っていて、ノーベル賞が非常に多いのは、
もちろん審査している国では英語圏が多いのですが、知識に集積することに強いことがあります。

会社経営でいうと、効率性、合理性、短期的な利益追求思考などがあります。
ただ、ここでいう合理性は、偏見かもしれませんが、非常に部分的な合理性です。
要するに全体合理性ではなくて、自己にとって合理的な解を認めていくことです。
論文などで、仮説演繹として論証していくときに、仮説を立て合理的に答えを
導きますが、全体合理性をやらずに、仮説の前提を狭めます。だから前提として
固定するものが多くて、全体をではなくて、ごく1部のテーマについて
非常に細かくやるということです。

短所は、逆に個を主張するので、全体のバランスが保たれない、全体最適にならないことが、
あります。白・黒ばかりをみて全体をみていないので、グレーゾーンが多いのに、
そういうグレーゾーンをみないで単純化することです。日本人は逆にイエスかノーか
決められない、グレーなところが多いといいますが、逆に、これは西洋人思考の短所でもあり、
裏表の関係になっています。それに自己主張が非常に強いというか、西洋社会の根本が
自我の確立で始まっています。幼稚園で絵を描く時も、日本では先生がお手本を描いて
皆が真似るわけですが、アメリカでは同じ絵を描くと先生が怒ります。違う絵を描きなさいと
いうことです。要するに各人の自己が確立していることを要求しているのですが、
自己の主張が非常に強くて、逆にいうとエゴが強いということです。

この西洋人思考では、調和などは欠如しているという観点がみられます。
その代表的なのが、経営者の高額報酬で、日本の10倍とか100倍です。
工場で300人分の報酬を1人の経営者がもらっている、日本ではとても考えられないことです。
西洋の会社経営モデルは株主主権モデルです。利害関係者の内で株主だけを主張するのです。
会社は株主だけで成り立っている訳ではないのに、株主を主権として株主のために
会社が経営されるというモデルです。これは明らかに自己主張というか、自他を分けて
自分を中心とした理論という感じがします。

分野: 岩崎勇教授 |スピーカー:

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