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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 中国経済 (財務戦略/村藤 功)

中国経済 (財務戦略/村藤 功)

11/02/04

2010年に中国は名目GDPで日本を追い抜き世界第2位となりました。
日本が名目GDPで中国に追い抜かれるということは以前から言われていたことですが、
中国のGDPの中身をみると色々なことがこれまでとは変わってきています。


■中国経済の変化
もともと日本の企業は日本よりも人件費の安い中国に日本国内の組み立て工場を移し、
出来上がった製品を欧米や日本で販売しており、
世界の工場というのがこれまでの中国への認識でした。

しかし、今や中国の日本企業の大半は、
製品の半分以上を中国国内向けに販売しています。
2010年の自動車販売も1800万台を超え、
2年連続で世界一の自動車市場となり、
世界の工場から世界の市場に中国は変貌を遂げました。

中国も経済成長を遂げる前は、
外国企業を国内に誘致するために外資を優遇していましたが、
その必要性もなくなり、
2008年以降は外資優遇を廃止する政策をつづけています。

また、中国では労働人口の減少も懸念されていますが、
2003年から一人っ子同士の結婚の場合は、
子供を二人まで産むことが認められ、
一人っ子政策も状況が変わってきています。

2010年には名目ベースのGDPで日本を追い越した中国ですが、
アメリカに追いつくのも時間の問題となってきています。
一方の購買力平価ベースでは、中国のGDPは14.8兆ドルにのぼり、
アメリカの14.6兆ドルとほとんど同じ額になっています。


■インフレ
2011年の中国のGDP実質成長率目標は2010年と同じ8%となっています。
しかし、成長率だけではなく、環境問題や内陸部の発展など、
成長の中身についても考えなければならない段階にきています。

特に最近の課題はインフレです。
金融危機前には、中国は約8%のインフレでしたが、
金融危機で世界中から集まったお金が引き上げられた結果、
約2%のデフレとなりました。
その後は4、5%くらいのインフレが続いていますが、
中国の2010年のインフレ目標が3%ですから、
少し高すぎる状況となっています。

さらに、世界中から中国への資金流入も加速しています。
金融危機前と比べて、アメリカが2倍以上のドルを国内、海外ともに放出しており、
それが中国国内に流れ込んできているということが影響しています。
インフレ目標よりもインフレが高過ぎ、食料や不動産の価格も上昇しているため、
金融引き締めの動きも出てきています。


■雇用問題
また、失業率も問題となっています。
中国政府は、あまりに失業者の数が多すぎると、
社会不安や体制批判につながりかねないと考えており、
失業者数はタブーに近い問題です。

その中国の失業率は公式統計では4%程度となっています。

しかし、2010年3月に温首相は「私は米国に200万人の失業者がいることを知っている。
政府に焦燥感を与えるのに十分な数だが、しかし中国の失業人口は2億人だ」と発言しています。
この数字を基にすると中国の失業率は17%となります。

正月には、若者たちが帰省して互いの給料の話で盛り上がりますが、
その際に自分の給料だけ低いとなると正月休みが終わっても、
企業に戻ってこないということになってしまいます。
そのため、この時期、正月で実家に帰って休み明けに戻ってくるように、
賃金を値上げするという動きを企業はとっています。
特に、日系企業の賃金水準は欧米系に比べて低い状況にあるため、
中国人からは批判を受けています。

■中国の金融市場
中国の株式市場は、中国経済の成長に期待して、
お金が流れ込んできていることもあり回復基調です。
また、これまで中国では1年間のコマーシャルペーパー(CP)しか
発行が認められてきませんでしたが、
2010年12月より1年未満の短期CPの発行が解禁されました。

一方、為替市場ではアメリカが人民元の大幅な切り上げを求めていますが、
中国政府がこれに応じる気配はありません。
かつては、G7、G8だったものが、今やG20となり、
その中からアメリカと中国の二大巨頭が抜け、G2となりつつあります。

中国の軍事費は日本を上回っており、世界第2位となっています。
中国軍は北朝鮮北東部で日本海に面する羅先(ラソン)経済特区にも進出し、
北朝鮮は羅先市の羅津港利用を中国に対して10年間認めています。
北朝鮮で石油などの資源を荷揚げして中国に運搬するルートができたという状況です。

北朝鮮のミサイルが日本を狙っているという現状を考えると、
中国がどのような意図で北朝鮮に進出してきたのか、やはり気になります。
なかなか日本やアメリカの思っている通りにはならないという状況ではないかと思います。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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