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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 中小企業の再生を通じた地域経済の自立① (経営学/久原 正治)

中小企業の再生を通じた地域経済の自立① (経営学/久原 正治)

11/01/25

日本の企業のうち中小企業の占める割合は、
企業数では99%、従業員数でみると69%にのぼります。
また、売上高でも中小企業は51%を占めており、
中小企業が安定しないことには、日本の経済もなかなか回復できません。
やはり、中小企業についてもう一度よく考えてみなければいけません。


■地域経済の現状
現在、中小企業、地場産業はどんどん衰退していっています。
その大きな理由としては、リーマンショック以降、
銀行がなかなかお金を貸さ出さなくなったということがあげられます。
そのため、既存の企業でもお金が回りにくくなっています。

とはいえ、実のところ、銀行のお金は余り気味で国債に流れています。
全国の銀行は約590兆円を預金として持っていますが、
貸し付けに回っているのは390兆円です。
地方と東京でお金の流れをみると、
これまでは地方のお金が東京に回っているというものでした。

ところが、最近では東京でもお金が余るようになっており、
その余ったお金は政府の債務の購入にあてられています。
以前は、地方の余った預金は中央の企業に流れており、
金融機関は仲介の機能をきちんと果たしていましたが、
今やその金融機関の仲介機能も壊れてしまっています。

九州に目を向けてみると、九州の人口は減少の一途にあります。
また、一人当たりの県民所得でも、
九州各県の順位は低いもので、東京の約半分の数字です。
これには、九州で働く場所が少なくなっているということが影響しています。

地域を再生するためには、地域から中小企業を興すという方法が絶対に必要です。


■これまでの地域振興
従来、地域振興のために2つの方法がとられてきました。
1つ目は中央がお金をばらまくというものです。
そして2つ目が、地方へ中央の会社の工場を誘致するという、企業誘致です。

しかし、第1の方法の予算のばらまきは、
政府の財政赤字のためにこれ自体が不可能になっています。

また、第2の方法の企業の誘致も難しくなってきています。
企業が工場を移すかどうかということは、
例えば、九州とアジアのベトナムや中国、カンボジアといった国々の中で、
どこの労働力やコストが安いかということで決まります。
そのため、九州に工場が来ても、海外へ移転してしまうかもしれません。
これから先、企業の誘致が雇用の安定に役に立つかどうかということには、疑問が残ります。

結局、その企業の利益というのは本社に落ちます。
地方に移ってくるということは、なるべくコストを安く抑えるためということでしかありません。
非常に賃金が安いということで、都市部の工場や小売店が九州にやって来ますが、
海外の賃金の方が安ければ、工場などは海外へ移ってしまいます。
この流れは、九州のシリコンや半導体産業をみればよく分かるものです。


■これからの地域再生のための方法
私は、企業が海外へ移るという現状では、
新しい産業を地方が作り上げていく以外には、
地域経済が自立する方法はないと考えています。

しかし、残念ながら、既存の地場産業はそこにある様々な資源を生かしきれずに、
銀行がお金を融資してくれなくなり、潰れていくという傾向があります。
これをどのように再生していくかということが、まずは重要になってきます。

また、自然や農業、あるいは廃棄物のリサイクルに医療と、
新しい産業の種は地域にたくさん転がっています。
これらを組み合わせて新しく産業を作り上げていくということも可能です。

地域の情報は、金融機関が持っている可能性があります。
もう一度、地域の金融機関が取引先等の資源、あるいは周りの人材などを見直し、
これをどのように地域の再生に生かしていくのか、考えていくことも大切になってきます。
この続きは、次回あらためてお話ししていきます。

分野: 久原正治教授 |スピーカー:

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