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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > バングラデシュ(国際経営・国際ロジスティクス/星野裕志)

バングラデシュ(国際経営・国際ロジスティクス/星野裕志)

11/01/18

昨日はバングラディシュについて、おはなしをしました。
社会基盤の整備など様々な不安定要因もありますが、
1億5千万人といわれる巨大な人口を抱え、ほとんど手つかずというのは、
多国籍企業にとっては魅力だと思います。先に固定電話というステップを省いて
携帯電話に入ったという話をしましたが、そういう意味では、この先
多国籍企業の実験場にもなってくるでしょうし、目が離せないところです。
多国籍企業にとっては、人口が大きいので1つ成功モデルができれば、
他の国にも移転できるという魅力もあると思います。

バングラディシュといえば、ノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス先生の
グラミンと共にドイツのアディダス、フランスのダノンなどが現地で生産するという形で、
多国籍企業がソーシャルビジネスとして参加したり、国連開発計画(UNDP)
或いは海外の政府機関が援助活動を展開しているわけですが、それ以外にも
忘れていけないのは、国内に2万以上あるといわれるNGOの活動です。
海外のNGOも含めてですが、非営利組織の活動がこの国では特別な存在ではないか
と思うので、今日はその話をします。

マイクロクレジットは、この番組でも既にお話があったと思いますが、
低所得者を対象として小額を無担保で貸し付けるという仕組みです。
この原型は昔からあったらしいのですが、1983年にユヌス先生がシステム化し、
その功績に対して、2006年にノーベル平和賞を受賞されました。
実はマイクロクレジットをバングラディシュ国内で提供している団体は
グラミン以外に600位あるといわれています。
貸付対象者の数からいうと、グラミンがトップですが、後述するBRACとか
ASAが3大組織といわれ、全て営利を目的としない組織です。

第2の規模を持つBRACは、Bangladesh Rural Advancement Committee、
(バングラディシュの農村発展委員会)の略ですが、バングラディシュ以外にも
アフガニスタン、スリランカ、スーダンなど世界8ヵ国で同様の活動をしていて、
世界最大のNGOといわれています。スタッフだけで12万人を雇用している
巨大な組織で、NGOという形態をとることが非常に不思議です。BRAC自体は、
バングラディシュが独立した直後の1972年に創設され、
現在国内の700万人にマイクロファイナンスを提供している組織です。

他にも教育及び公衆衛生などを活動の基盤としていて、
国内で37,500の小学校を作ったり、バングラディシュで
最も評価される私立の大学を経営したりなど、規模が桁違いです。
さらに預金量では国内トップ3の1つといわれる、
BRAC BANKという銀行も所有しています。
また、手工芸品を中心に販売する店舗Aarongがありますが、
ニューヨークも含めて世界12ヶ国に展開していて、しかもNGOです。
それ以外にも、先程の対象でいうと3番目ですが、ASA
(Association of Social Advancement)という組織があります。
これも1978年にNGOとして始まり、BRACと同様最初は教育や公衆衛生を
推進していましたが、1992年以降はマイクロファイナンスに特化しています。
この組織も国内に3,200の支店があり、24,000人のスタッフを抱え、国内
572万人にお金を貸し付けていますが、最近はマイクロインシュアランスという
保険まで始めたという、これがなぜNGOなのという不思議さがあります。

バングラディシュでは、NGOなど非営利組織が民間企業並みに規模を拡大しながら
運営できるのは、開発途上国では国の役割、あるいは民間企業の役割のどちらもが、
全てを担うことが出来ないので、第3の勢力として非営利組織の出番があるのだと
思います。ただ、その活動を見てみると、グラミンの最大の会社である携帯電話の
グラミン・フォンという会社は、国内の最高納税企業でもあり、大学生が入りたい
会社ナンバーワンといわれています。

BRACはお話しした通り、国内で3本指の1つに入る銀行を経営するなど、民間企業であれば
コングロマリット或いは、企業グループとでも言うべきものを構成しています。
ボトムアップもあれば、外から導入して入ってくるものもあるという、
普通の資本主義の感覚では理解しにくい形態が、存在するということでしょう。

これから進出する日本企業はその辺りを見極めて、どのモデルを取るかという選択も
必要だと思いますが、いずれにせよ目が離せない国の1つではないかと思います。

分野: 星野裕志教授 |スピーカー:

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