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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 開発途上国へのアプローチ(バングラディシュ)(国際経営・国際ロジスティクス/星野裕志)

開発途上国へのアプローチ(バングラディシュ)(国際経営・国際ロジスティクス/星野裕志)

11/01/17

昨年はヨーロッパ、北米のアメリカ・カナダ、アジア数カ国を出張しましたが、
中でも最も印象深かったのは、バングラディシュでした。
初めての訪問でしたので、25年ほど前にインドを旅行した経験から、
街にあふれる人たちが、何をするでもなくこちらの動きを眺めていることを
予想していましたが、全然違いました。

人口は約1億5千万人と言われていますが、実際の数はそれよりも
2,3千万人多いのではないかというくらいに人が多いのです。
バチカンなどの都市国家を除いて、最も人口密度が高いといわれる
バングラディシュでは、多くの人たちが、何かしら仕事をしているのを見て
意外な印象を受けました。かつて世界の最貧国といわれ、
国連の後発開発途上国(LDC:Least Developed Country)の一つでもある
バングラディシュは、ちょうどベトナムのように、新興国として
今後の発展が期待されているのもわかるような気がしました。

ゴールドマンサックスの経済レポートでは、ブラジル、ロシア、インド、中国の
BRICsに続いて成長が予想される新興経済発展国群として、
NEXT 11として11ヵ国が挙げられています。その構成を見ると、
GDPの額が突出している韓国の他、メキシコ、トルコ、インドネシアなどと共に、
ベトナム、ナイジェリア、バングラディシュも挙げられています。
バングラディシュの一人当たりのGDPは、2010年の数字で684ドルと
42,000ドルを超える日本とは比較になりませんが、その人口と
毎年6パーセントの経済成長率から、大きな可能性が期待されています。

国内最大の産業である繊維産業は、金額ベースで輸出全体の8割を占めています。
豊富な労働力と賃金の安さから、世界の主要なアパレル・メーカーが
直接あるいは間接的に、現地で生産を行っています。
昨年はユニクロと東レの進出が発表されましたし、
2011年中にユニクロの第一号店の出店も発表されたばかりです。

11月に女性首相のシェイク・ハシナ氏が来日し、日本の経済との緊密化を提案しました。
バングラディシュ国内に日本企業限定の経済特区を設ける提案もあったようですし、
2012年までに経済連携協定(EPA)の締結、港湾および国際空港などインフラ建設への
日本政府と企業の参加を呼びかけたとのことです。

ただ、日本企業だけではなく、韓国の企業だけの経済特区は既に設置されていて、
日本企業については出遅れの感がありますが、日本は現地の100タカというお札
にも描かれている、国土の南北に流れるジャムナ川にかかる橋の建設にODAで協力
するなど、今後もインフラの拡充に参加することになるのかと思います。

本当にダッカは活気にあふれていたので、今後は民間ベースの進出になるでしょうが、
電力供給の不安定さから、約一週間の滞在中に何度か停電もありましたし、
国土の広い地域で電力供給のない地域もあるそうです。現地の人たちへの
安全な水の供給も不十分とのことでしたから、まだまだインフラの建設も
ままならないようです。

そのほかに印象に残ったこととしては、開発途上国にはありがちですが、
固定電話の普及率が全国で1%未満であるにもかかわらず、
携帯電話の普及が人口の5割くらいになっていることが不思議でした。
電気のない村では、携帯電話に発電機で充電をする商売が
成り立っているようですが、発展過程として一足飛びに飛んでしまったようです。
ただ、収入の低さに対して、けっして安くはない携帯電話が、
どうしてそこまで普及していることもなかなか理解できませんでした。

バングラディシュでは、昨年12月に工場労働者の暴動が起きました。
主要産業である繊維産業では、月の最低賃金が3000タカ(約3500円)と、
極端に低いためですが、これ以外にも洪水などの自然災害も頻繁に起こり、
不安定要因も少なくはないようです。

それでも、バングラディシュに進出する多国籍企業にとって、手付かずの
市場はこれからの発展が期待されるので魅力があり、色々な意味で実験場
として捉えられるのではないかと感じました。

分野: 星野裕志教授 |スピーカー:

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