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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > H21年度産学連携実施状況その1(産学連携マネジメント/高田仁)

H21年度産学連携実施状況その1(産学連携マネジメント/高田仁)

10/12/08

先日、文部科学省から、H21年度の産学連携実施状況にかんする状況調査報告がなされた。
文科省HPによると、概況は下記の通り。

1)民間企業との共同研究の件数は約15,000件、前年度比1%減だが、
金額は約300億円と、前年度比13%減。

2)民間企業との受託研究の件数は6,000件、前年度比4%増だが、
金額は約110億円と、前年度比1%減。

3)「特許出願件数」は国内・外国出願合わせて約8,800件、前年度比7%減。
また、特許のライセンス数は約6,000件で、前年度比3%増だが、
その収入は約9億円で、前年度比10%減。


以上を踏まえて文科省は、
「平成21年度は、リーマンショック後の世界的な経済不況の影響もあり、
産学官連携活動の各種実績については総じて伸び悩む結果となっている。」
と述べている。
ただ、H20からH21にかけて国内の景気動向指数が20%減少したことを勘案すると、
金額ベースで10〜13%減に留まったことは、産学連携活動の足腰は
景気動向に耐えうる可能性を示している。

また、特徴的な数字として、ライフサイエンス分野の共同研究件数は5%増加している。
これは、医薬・医療機器開発にはそれなりの長期間を要する一方で、
これら分野の産業は景気の影響を受けにくいことが理由として挙げられる。

また、中小企業との共同研究件数は3%増加し、全体件数の1%減と比較しても、
むしろ中小企業が堅実に共同研究を継続している様子がうかがえる。

更に、外国企業との共同研究件数は、41%増加し、各大学が国際産学連携に
力を入れている様子がうかがえる。

また、1000万円以上の高額な共同研究が約700件(全体の4%)となっている。
前年度のデータが文部科学省から公表されていないため、増減の傾向を
知ることはできないが、企業が産学連携をより戦略的な技術獲得手段として
位置づけている場合、その1件当たりの金額は拡大すると考えられる。

以上のデータから見えてくることは何か?

まず一つ目は、件数の割に、金額が小さいこと。
共同研究費は平均で200万円を切っている。
H19年度の数字は平均で約225万円だった。そもそも、200万円程度で
どの程度の研究が出来るかについて、大手企業の研究者や契約担当者は
「たいした研究は出来ない」というのがホンネである。米国の大学では、
たとえベンチャ−企業でも10万〜20万ドル(1000万〜2000万円)の
研究費を支払うケースはざらである。

例えば、MITのメディア・ラボでは、企業が研究コンソーシアムに
加入するだけで毎年20万ドルを支払い、さらに研究者を送り込む場合は
1人あたり追加で20万ドルを要するのである。
これは、日本の大学のプロジェクトでは普通考えられない額である。

次回は、日米の研究費の支払額の差にどのような背景があるのか、話をしたい。

分野: 高田仁准教授 |スピーカー:

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