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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > H21年度産学連携実施状況その2(産学連携マネジメント/高田仁)

H21年度産学連携実施状況その2(産学連携マネジメント/高田仁)

10/12/09

昨日は、日本の企業が産学連携で大学に支払う共同研究費の平均が
200万円程度であることを話した。米国では平均金額が日本の5〜10倍も
違うと言われている。では、なぜそのような差が発生するのか?
米国MITで産学連携担当者にインタビューした際に、日本企業と欧米企業との
アプローチに、次のような大きな違いがあることが明らかとなった。

(1)日本企業は、契約前の情報収集や交渉を重視する割には、契約後は
それほど高い関心を示さない。一方、欧米企業は、契約前の情報収集もさることながら、
契約後には「最大限有効に使いこなす」意識で大学と連携する。

(2)日本企業は、金額の根拠の明示を求め、他大学と数字を比較しディスカウントを迫る。
一方、欧米企業はそこまで細かな金額の根拠提示を求めない。

(3)日本企業は、知財の権利保有を主張する。一方、欧米企業は、
知財の所有権ではなく実施権があればそれで良いと考える。(所有権と使用権の違い)

(4)日本企業は、担当部署の責任者が交代したら後任に十分引き継がれず、
属人的な連携となる。一方、欧米企業は、一度契約したら担当部署の責任者が
交代しても後任にきちんと引き継ぎがなされ、会社として付き合う意志が明確である。


以上を俯瞰すると、日本企業と欧米企業の産学連携へのスタンスの違いとして、
欧米企業は全社的な戦略が明確で、その戦略を実行するために大学と
連携するのにたいして、日本企業は個別の担当者が先端科学技術の情報探索目的で
大学と共同研究契約を結んで様子を見て、戦略的な絞り込みは後で考える、という傾向が
強いように見受けられる。従って、1件当たりの額は小粒となっても不思議ではない。

一方、特許権の所有と使用に関しては、欧米とは大きな差がある。日本企業は、権利を
使うかどうか判らないが、とりあえず権利者として名を連ねておきたいという意識が強い。

MITの産学連携担当者にそれとなく日本企業の印象を聞いてみると、
「正直なところ、要求は細かくて契約交渉に手間がかかる割には、資金拠出は
それほどでもなく、情報収集だけで終わる企業が多い。また、契約後は契約前に
あれほど手間をかけたにも関わらずそれほど熱心に大学と連携しているようには
見えない。」と不思議がっていた。

リーマンショック後、多くの企業がプロジェクトを絞り込んでいるが、その過程で、
R&Dや事業の戦略をより明確化し、有望プロジェクトに絞り込んでしっかり投資する
というスタイルに移行しても良いのではないだろうか。例えば、件数を半分に絞る代わりに
単価を2倍に上げれば、そのぶんだけ無駄なプロジェクトを減らして有望プロジェクトに
集中でき、結果的により良い成果を得られるように思うのだが、如何だろうか。

分野: 高田仁准教授 |スピーカー:

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