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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 集団の特徴(2)(組織心理/藤村まこと)

集団の特徴(2)(組織心理/藤村まこと)

10/11/24

集団の特徴(2)

人が集まって集団を作り,
協力しながら目標を達成していきます。
どうすれば集団がよりよく機能し,効果的に目標を達成していくのか。
今日は集団の効果性やチームワークについて紹介したいと思います。

その前に,集団の2つの機能があると言われています。
1つ目は目標を達成することです。
職場であれば売上を達成するとか、仲間で何かを成し遂げるということ。
そしてもう1つは、2人以上の人が集まるので、
対人関係を維持するという機能です。
リーダーの働きかけも,このふたつに関係しており,
目標達成のために課題への取り組み方を指示したり、
対人関係の維持のためにメンバー間の人間関係を良好にするよう働きかけます。
これに関しては,三隅先生のPM理論が有名です。
Pはパフォーマンス(performance)或いはタスクに関するリーダー行動,
Mはメンテナンス(maintenance)のリーダー行動を指し、
優れたリーダーは両方にうまく働きかけることができるといわれます。

■集団の効果性の測定
そこで、その集団の効果性の測定に関して、
ハックマン(J・リチャード・ハックマン)が3つの基準を提示しています。
1つ目は生産性です。
顧客も含めて組織内外の関係者の基準を満たすだけのパフォーマンスを
出しているか、具体的には生産量、品質及び満足度などです。
2つ目は、集団をこれからも維持していけるかどうか、
つまりメンバーが集団に対して愛着を感じて
コミットメントを持つことができるかどうかです。
最後に、メンバーの満足度も重要だといわれています。
それは精神的健康或いは満足感のことです。
パフォーマンスはすごく高いけれども、従業員の方の精神的健康が
脅かされているとすれば、集団としてあまりよくない状況だといえます。
先の3つの基準を満たすのは,難しいことのように感じますが、
それを成し遂げている人たちも確かにいます。
どうすればそうできるのか。集団の効果性を高めていけるのかは,
実務的にも,学術的にも関心の寄せられる部分だと思います。

例えば,3人の人が集まって3人個々の力を足したら、合計3になりますが、
良いチームや集団では、3人が相互作用して合計3以上のパワーを出すことがあります。
最近ではこの状況を「シナジー効果」とか「創発性」と表現しています。
集団としてパフォーマンをいかに上げていくかが課題です。

■チームワークの構成要素
「チームワーク」という言葉はよく耳にしますが,
その定義も研究者の数だけあると言ってよいほど多様です。
サラス(Salas et al, 2005)によれば,
チームワークとは,“力動的で同時発生的,
そして繰り返し行われる活動のプロセス”と定義されています。
チームワークは,チームのパフォーマンスや成果を
阻害することもあれば,促進することもあります。
そして,彼らはチームワークの中心要素として5つを挙げています。

1つは、「チームリーダーシップ」です。
リーダーシップは,チーム全体の効果性に大きな影響を与えますが,
現在では、1メンバーがリーダーとして動くよりも
適宜別のメンバーがその役割を担う、シェアード・リーダーシップの方が
チームの効果性を高める上で有効だという研究結果もあります。
そして2つ目は「適応性」です。
外部環境の変化にどう適応していくかですが、
何か変化があった時にチームメンバーによる状況の認識が類似し,
的確であれば,より早く良い対応ができると考えられます。

3つ目は「相互モニタリング」です。
同じ目標に向かって連携しているので、
自分以外のメンバーがやっていることを相互にモニターすることが必要です。
この相互モニタリングによって可能になるのが、
4つめの「バックアップ或いは支援行動」です。
誰かに負荷が偏っていたり、困っている人がいたら支援するといった行動です。
それは物理的、身体的な援助もあれば、言語的な援助というものもあります。
結局メンバーのミスはチームのミスになるので、
モニタリングとバックアップによって,
チームのパフォーマンスが向上することになります。

最後は、「チーム志向性」です。
個人とチームは同時に存在するので、自分だけでなくチームに目を向けて、
メンバーからの情報を受け入れる思考や考え方のパターンです。
チームでの活動がストレスレベルを高めるとき,
人は視野がせまくなり,チームより個人の活動に目がいきがちになりますが
その傾向は,チームパフォーマンスの劣化をもたらすことが指摘されています。

以上の5つの構成要素は,
チームの状況によって程度の差が異なることはありますが,
いずれのチームにも必要な要素となります。
最後に、サラスらが指摘する
「チームワークの調整機能」についても触れたいと思います。
上記5つの要素を円滑に進めるために必要なものが3つあるそうです。
そのうちの1つが相互信頼です。
個人はチームのために活動しているという信頼によって
相互モニタリングやバックアップも機能し,
5つの構成要素がより順調に行われることになります。
相互信頼も心理的な問題なので、
どう信頼感を作るかということも考える必要がありそうです。

引用・参考文献
古川久敬 2004 チームマネジメント 日本経済新聞社
三沢良 ・ 佐相邦英・山口裕幸 2009 看護師チームのチームワーク測定尺度の作成. 社会心理学研究,24(3), 219-232.
Salas, E., Goodwin,G.F., & Burke, C.S. (Eds.), 2009 
Team Effectives in Complex Organizations: Cross-Disciplinary Perspectives and Approaches.
New York : Psychology Press.
山口裕幸 2008 チームワークの心理学―よりよい集団づくりをめざして (セレクション社会心理学) サイエンス社

分野: 藤村まこと講師 |スピーカー:

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