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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 大分県九重町と中国陝西省との環境保護協定締結 (中国ビジネス/国吉 澄夫)

大分県九重町と中国陝西省との環境保護協定締結 (中国ビジネス/国吉 澄夫)

10/11/17

前回に続いて、九州・アジアビジネス連携協議会の活動についてご紹介いたします。

■西安市での協定締結
2010年9月7日に、九重町の代表団24名が中国陝西省(せんせいしょう)西安市を訪問し、
第11回日中陝西協力会の席上で、陝西省林業庁との間で「環境保護協定」が調印されました。
この席には、大分市在住の村山富市元総理大臣も列席し、
日本でいう知事にあたる陝西省長の趙正永氏、
日中双方の陝西協力会会長の立会いの下で、協議書サインが行われ、
人口1万1000人の九重町と人口3700万人の陝西省が「環境保護」という目標で、
今後協力していくことになりました。

陝西省側の窓口は林業庁ですが、実はパンダやトキなどの希少動物保護や、
現在の環境を守っていく役割は林業庁が受け持っています。
もちろん環境庁という組織もありますが、
こちらは破壊された自然を元に戻す役割を担った官庁のことです。
この席に私も同席いたしましたが、ここに至る過程と今後の具体的な活動に関して、
もう少し詳しくお話ししていきます。


■交流のきっかけは「トキ」
九重町と陝西省の交流のきっかけになったのは「トキ」です。
トキといえば、新潟県の佐渡が有名ですが、日本では、
100年前までは、日本中どこでも棲息していた里の鳥です。
それが、開発や環境破壊、農薬などで、
食べ物となる田んぼの生き物を奪われ、絶滅していきました。
最後まで棲息していたのが佐渡ですが、
その佐渡のトキも2003年には日本産の野生のトキは絶滅してしまいました。
現在日本に生息しているトキは中国から貰い受けたものです。

一方、中国でもトキの数は日本と同じように減少していました。
しかし、1981年に陝西省漢中市にある洋県という町で7羽の野生のトキが発見された後、
関係者が保護活動を重ね、徐々にトキの数も増えてきました。
こうしたトキの保護活動の話を聞いた九重町の人たちが、
NPO法人「九重トキゆめプロジェクト21」を設立し、
広く一般から基金を募集してトキの繁殖を支援しようと、
中国へ「孵化器」を贈ったのが2002年です。

その後もトキを天敵である鷹やテンから守るための監視カメラを寄贈したり、
野生動物保護センターの専門家を招いて「トキ・シンポジウム」を開催したりと活動を続けてきました。
現在、陝西省には約2000羽のトキが棲息しています。
九重のNPO法人がこの活動を始めた時はわずか200羽だったといいますから、
10倍に増えた事になります。


■締結後の交流事業
このトキ交流も2008年以降、陝西省の政府も絡んだ大きな話になっていきます。
その契機は福岡ビジネス協議会(FBK)という福岡の異業種交流会です。
FBKが2008年から九重町と交流を開始したとき、
私もメンバーの一員として交流会に参加しました。
その時に初めて町長の口から陝西省とのトキ交流の話を伺いました。

私は、以前から日中陝西協力会の活動に参加し、
日本側の事務局や中国側の方々と親交があったので、
町長にその話を紹介したところ、町長からは積極的な返事をいただきました。
その年の秋、西安で開かれた会議で九重町の代表がプレゼンテーションを行い、
内容に感銘した陝西省側が、翌2009年の会議開催地に九重町を指定、
町としては初めての国際会議が筋湯温泉で開催されました。
そして、今回、西安で環境保護協定の調印と、発展したわけです。

今回の環境保護協定は双方の行政で、協力の枠組みを決めたものになっていますが、
これから始まる具体的な活動では民間組織も参加して交流がおこなわれます。
その中心となるのが「九重トキゆめプロジェクト21」や
「九重自然学校」など自然保護の活動組織です。

一方、中国側も「陝西省野生動物保護センター」を中心に、
トキの棲むえさ場拡大、地域の啓蒙活動、
トキ生態調査などで九重町との共同行動提案も来ています。
恐らく、2011年の夏ごろには子供大使が九重町から陝西省のトキの棲む里山に派遣されて、
一緒に自然観測をしながら様々なイベントが開催されるものと思われます。
まずは教育の場で交流を積み重ねて、さらに活動の幅を広げていくということだと期待しております。

分野: 国吉澄夫氏 |スピーカー:

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