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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > アメリカ報告(2)日米のスクリーンが映す自己実現の相違 (経営学/久原正治)

アメリカ報告(2)日米のスクリーンが映す自己実現の相違 (経営学/久原正治)

10/10/27

映画は、日本とアメリカの経済、経営を比較する格好の材料です。
例えばこの夏アメリカに行く直前に日本の映画を2つ見ました。

1つは「踊る大捜査線 THE MOVIE 3」ですが、これは組織論を勉強したディレクターが、
組織論に基づいて現場と本社の間の組織の矛盾をテーマに描いている映画です。
現場で事件が起きているのに、本部から現場を全く考えずに無茶な指示が来ます。
そうすると現場の人は大変な苦労をして本部と戦いますが、
組織に対する忠誠心があるので、現場の人が色々な組織の中の矛盾に陥っている、
そういうことをテーマにしている映画です。

組織の特徴が、この日本映画では次のように表現されています。
亡くなった、いかりや長介が中間管理職のリーダーとして、
サーバントリーダーという名前で映画に登場し、ナンバー3となっています。
サーバントリーダーは日本的なリーダーで、色んな人を助けることで、
部下や周囲の人の信頼を得てリーダーシップを発揮する人です。
これはアメリカ的リーダーとはちょっと違うリーダーですが、
そういう日本的なサーバントリーダーが、現在アメリカでも
リーダーシップとして、大事だと言われています。
常に部下の目線でやっていると、部下も何か問題が起きたら
すぐに相談するから後で問題が突然起きるようなことがないのです。

もう一つの日本の映画では、藤沢周平原作の「必死剣鳥刺し」があり、
藩主に対して忠実なサラリーマン武士が、忠実なあまり
藩の中の争いに巻き込まれて組織の中で自滅していく話です。
日本の組織は、ちまちました組織の中の争いが中心で、
その藩が経済的に成長するということではなく、藩主が使い過ぎた
藩の財政を立て直す時に、侍が一生懸命コストを削減するという話で、
日本の映画というのは、そういう話が中心であまり前向きではありません。

それに対してアメリカの映画は、個人の自立と大きなリスクテイク、
結果として個人が最後に勝って利益を得るという映画です。
この夏シカゴで見た映画では「インセプション(Inception)」という、
日本でも公開された映画と、もう1つ、「ソルト(Salt)」が面白い映画でした。
インセプションは、大企業の秘密を盗むことによって、
ある団体が大きな利益を得るという話です。

ソルトは更に面白くて、日本だったら組織に潰されてしまうのですが、
個人が大きな組織に立ち向かいますが、アンジェリーナ・ジョリーが、
すごいスーパーウーマンで、一人でこのスパイ組織と戦って勝利し、
いかに個人が自立しているかということを示してくれます。

その他に典型的なアメリカらしい映画を2つ皆さんにお勧めします。
1つはウォール街の続編ですが、強欲をある程度肯定する映画です。
10年近く前にウォール街でインサイダートレーディングで挙げられた強欲な人が、
刑務所から出てきて、その出てきた経験を講演したり本に書いたりして儲けます。
そこで若い世代のウォール街の人が出てきて、強欲は果たして悪なのかと思うわけです。
基本的にはアメリカでは、一生懸命リスクをとって利益を上げることが尊敬されています。

これからの映画で面白いのは、ソーシャル・ネットワーク(SNS)です。
Facebook(フェイスブック)を立ち上げた人は、ハーバードの学生です。
今そのCEOは26歳ですが、学生の時に新しいアイデアのビジネスを
仲間同士で、どうやって立ち上げたかということと、
立ち上げる時に利益を追求するのか、社会貢献をするのか、そういう議論の中で
生じる仲間の間の葛藤を映画のテーマにしていて、アメリカ的で面白いと思います。

これらの映画には日米の対比がよく出ていますが、日本経済が20年も低迷しているのは、
ちまちました組織の中の争いばかりやっているからでしょう。
だからアメリカの映画を見て元気を出して、リスクをとること、
個人が自立するようなことも考えていただければと思います。

分野: 久原正治教授 |スピーカー:

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