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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 「中国の知財問題(2)」 − 中国専利法の改正 (産学連携/高田仁)

「中国の知財問題(2)」 − 中国専利法の改正 (産学連携/高田仁)

10/10/11

「中国の知財問題(2)」 − 中国専利法の改正

・昨日に続いて中国の知財問題について述べたいと思います。
・中国の知財関連法である専利法が改正され、今年の2月1日から施行されています。
・その中で、「再犯罪の重罰化」などが謳われ、より権利者の立場を重視した法律へと移行しています。一方で、昨日話題にした商標については、「出願された商標が、同一又は類似の商品に他人が中国において先に使用している商標と同一又は近似であり、出願人がその他人との間の契約や業務上の往来、地域的関係またはその他の関係から当該他人の商標の存在を明らかに知っている場合、登録を許可しない」と規定されています。
・「中国において先に使用」と限定される点がポイントで、望ましくは「中国または外国において先に使用」と記述されるべきで、これによって中国における日本の地名や有名ブランドの抜け駆け商標登録の問題解決がより困難となってしまうとの指摘が中国日本商会による2010年白書でなされています。

・同白書によると、2009年に中国税関は、6万5千件以上の知財侵害案件を摘発しました。侵害可能性のある貨物1億8,100万点が差し押さえられたということです。国際郵便や宅配が急速に発達するのに伴い、これら郵便物が模倣品を国外に流出される重要ルートになっているため、特別キャンペーンを実施し、260万点以上の荷物が押収されたとのことです。
・また、検察機関は2009年1〜9月の間に、909件、1,500人以上に逮捕状を発布したと公表し、取り締まりに向けた政府の努力をPRしています。

・ただ、前出の中国日本商会のIPG独自調査によると、中国の知財保護状況について48.7%が「変化なし」、14.5%が「悪化傾向」にあると回答しており、必ずしも状況が改善されていない現状が明らかとなっています。

・模倣品犯罪は年々手が込んできており、(1)香港で外国ブランドの商標を登記しその模倣品を中国で売る、(2)ノーブランドで製造し、最終的な販売段階で商標を付けて売る、といった手口が横行しており、サプライチェーン全体での網羅的な対策が必要との指摘が中国日本商会によってなされています。インターネット販売が急増する中で、今後益々模倣品の問題はより深刻になる恐れがあります。

・中国では、模倣品を製造している企業は地方の優良企業で、それなりに雇用を創出して地域経済に貢献していたりもするので、政府による取り締まりも及び腰とならざるを得ない面があります。一方の日本企業は、成長を続け旺盛な購買力を持つ中国の市場はデフレが続く日本と比較しても圧倒的に魅力があり、「嫌なら進出しなければ良い」という論理はもはや通じません。

・中国の官民が表裏一体で経済発展と法環境の整備を進めているのであれば、日本も個別企業に負担や自己責任を強いるのではなく、政府自らが侵害対応にワンストップで対応するといった、より強力なアクションが必要でしょう。少なくとも「子ども手当」や「高速道路無料化」に比べて、圧倒的に少ない予算で、将来の日本の成長につながりうる効果的な中小企業支援策として打ち出せるのではないでしょうか。

分野: 高田仁准教授 |スピーカー:

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