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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 医療サービスの国際化(医療ツーリズムについて)とアジア(国際企業戦略論/永池 克明)

医療サービスの国際化(医療ツーリズムについて)とアジア(国際企業戦略論/永池 克明)

10/10/04

■韓国の医療ツーリズム

去る8月18日~21日まで第25回日韓経済経営国際学術会議があり、
共通論題の発表のため、韓国・済州市にある国立・済州大学(会場)を訪問しました。
済州島は、過去何度か行ったことがありますが、
南国情緒あふれた国際的リゾートというイメージをもっていました。
今回訪問した国立済州大学は、学生数11,605名、教授と職員数987名、
学部11学部、大学院9という韓国有数の規模を持つ堂々たる大学でした。
キャンパスも158万平方メートルという広大なものでした。
そしてそこで頂いた済州大学の大学紹介パンフの中に
済州大学病院のことがあり、以下の内容が目に入りました。

済州大学病院はアメリカ、シンガポール、タイなどのマーケティングで
装備された海外の病院のようにハイレベルの医療サービスとともに、
旅行と休養まで含む先進化したトータル医療サービス(医療ツーリズム)の
提供に向けて様々な準備をしています。
済州大学“森の病院”(2009年開院)は海外の病院の国内進出に先立ち、
最先端の医療機器と実力ある医療チーム、さらに新しいサービスの提供により、
国内での代表的な観光リゾート病院を目指しているそうです。
韓国は、済州島を、東アジア全体のハブになるような
医療センターの島にしようとしています。

また、色々調べてみると、韓国の医療ツーリズムは、国家戦略としても注力しており、
日本より一歩進んでいるという印象を受けました。
例えば、韓国政府は、美容整形、人間ドッグ、ガン治療を中心に
医療ツーリズムを本格化しつつあり、2020年までに100万人の
治療ツーリストを韓国に迎え入れるという目標を掲げています。
韓国では、2009年に、医療法を改正して、医療ビザを新設しています。
このビザは、日本にはまだなく、現在検討中です。

済州市では、韓国の新たな医療拠点の整備を行っていますが、
この済州の国際自由都市の中に、ヘルスケアタウン(済州国際自由都市)
というものがありまして、既に具体化の動きが始まっています。
韓国は、この島を北東アジアの新たな「医療ツーリズムの中心地、
医療ツーリズムのハブ」として位置付けようとしています。
日本よりも先進的で、済州特別自治道のコア事業である
観光(健康、休養のエンターテインメント)、医療(最先端医療サービスのインフラ構築)
およびR&D(世界レベルの医療研究団地造成)などが連携した
医療複合団地の造成を行っています。
これは韓国政府建設交通部の傘下の
特殊法人JDC(済州国際自由都市開発センター)が開発を担当しています。
投資額として、800億円、開発面積は20万平方mです。
これには日本からの資本も歓迎していて、
今盛んに日本の国内でも説明会を催しています。
韓国の動きは、非常にスピード感があり、パルリパルリ(急げ、急げ)
という韓国人の気質とあいまって決断や実行が速いと思います。


■世界で進む医療の国際化

医療ツーリズムは、今非常に本格化してきていて、
比較的まだ新しい分野であり歴史も浅いのですが、
世界的にこういった分野が開けつつあります。
医療ツーリズムは、医療を受ける目的で他の外国へ渡航することで、
今では大体世界50ヵ国くらいで実施されています。
最先端の医療、あるいは高品質の医療を受ける為に外国に行って、
一定の間そこに滞在するということになります。
医療ツーリズムは、マーケットとしては、2004年に400億ドル、
2006年には600億ドルになり、2012年にはおそらく1千億ドルを超えるだろう
と言われていて、非常に急成長なマーケットになりつつあります。


■アジアの動向

日本政策投資銀行の調査では、医療ツーリズムの受け入れ先として、
アジアが一番多く、今アジアだけで約300万人を受け入れています。
中でも、受け入れ先の1番はタイで、タイは、今盛んに医療ツーリズムに
力を入れていて、医療ツーリズムの先進国になっています。
タイは、2002年に、タイが医療ハブ構想を発表し、
外国人のビザ発行手続きを簡素化する政策を実施しました。
また、タイはもともと観光地だったので、観光資源に、
病院サービスをプラスすることで、タイだけで、
既に200万人の医療ツーリストを受け入れるようになっています。
その他にはシンガポールやインドが、各100万人ずつくらい受け入れていて、
この3つの国がアジアの中でもとりわけ熱心にやっている主要な国です。
日本は、こうした国々比べ、すべてにわたって検討中という状況で、
相当遅れているといわざるを得ません。

医療ツーリズムのトップにいる国を見ると、国が国家戦略として
相当の資源投入をしながら、同時に民間資本で大規模な医療ツーリズム専門の
病院を作って、合同して行っているような状況です。

分野: 永池克明教授 |スピーカー:

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