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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 不完全情報の記憶優位 (マーケティング/出頭則行)

不完全情報の記憶優位 (マーケティング/出頭則行)

10/09/15

今日は、マーケティングにも関係する不完全情報の記憶優位というテーマです。
不完全な情報の方がよく覚えられるという心理的な言説があります。
不完全あるいは錯誤情報の方が完全な情報よりも覚えてもらえるということです。
例えば、犬が一晩ミャーミャー鳴いていたというのと、
犬が一晩ワンワン鳴いていたというのでは、前者が頭に突き刺さります。
頭の中でミャーミャーじゃなくワンワンだろうと補正したりしているので、
その分だけ突き刺さっているのです。
マーケティングは記憶されるものを買うという前提に立っています。
したがってマーケティングコミュニケーションは、テレビにしても何にしても、
記憶してもらおうと思って作られています。
テレビコマーシャルは、5秒、10秒、30秒のものでも、
有名な俳優を使えば、何千万、時には億というお金を払って作っていて、
そこでは完成度を競い合い、中にはコマーシャルといえども
一遍の短編小説を読むような出来のよいものもあります。
完成度を大事にしている製作者たちですが、一方、不完全情報の方が
覚えられやすいという心理学的な知見もあります。
意外性のあるCMの構成だと覚えているので、
マーケターがあえて意外性を狙って作っていることはあり得ます。

物真似はおかしくて気になりますが、似てなくても逆に、
おかしくて記憶に残ることがあります。
ある意味、似過ぎているとあまり面白くなかったりするのですが、
あまり似てなくても本物との差異がおかしくて
頭に突き刺さっているのです。それには色んな説があります。
完全情報の記憶優位という説に立つと、物真似ってなぜおかしいか、
説明できそうです。やはり真似ている部分と本物の部分、
真実と虚の部分との落差を聞き手は感じて、そこを多分頭で補正しているのでしょう。
つまり真実と虚の部分の落差を補正し訂正することに頭が関与しているので、
記憶に突き刺さるということなのです。物真似で、まるっきり本物とそっくりだったら、
それは物真似じゃなくて本物聞いた方がいいということになります。
例えば、コロッケのようなタレントさんの特徴をデフォルメするような、
ちょっとやり過ぎじゃないのという物真似の方が面白くて記憶に残ります。

そこで、マーケターは意図的にこの不完全情報を狙います。
結果的に不完全情報だから、むしろヒットするということが
世の中では起きているのだろうと思います。
一般の人たちは、そんな仕掛けに自分は乗らないと思っています。
そんなマーケターが仕掛けた不完全情報なんかで自分は引っ掛からないと、
多くの人は自信を持っています。
しかし例えば最近流行っているコマーシャルで、白い犬のお父さんが出る
コマーシャルが記憶に残るのは、お父さんが白い犬だから、
なんで犬がお父さんなのかという不思議さが頭に引っかかるのです。
ですから皆さんが、乗っかってないと思っていても、
手の内にはまっているのかもしれません。

分野: 出頭則行教授 |スピーカー:

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