QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

過去の記事詳細

QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > グローバル人材不足と日本企業の対応 (国際経営/永池克明)

グローバル人材不足と日本企業の対応 (国際経営/永池克明)

10/08/31

前回、日本の企業の人材獲得戦略と国際化という話をしましたが、
あらゆる分野で海外に進出していこうという動きがあります。

まず企業を取り巻く経済或いは経営環境が
非常に大きく変わったことが、その背景にあります。
それはいうまでもなくマーケットがグローバル化し、
世界中の企業が地球サイズの単一の市場で競争するようになってきて、
そこで勝ち残らないと結局日本企業も生き残っていけません。
2番目に、日本或いは先進国市場が成熟化し、
高い成長が望めなくなってきました。
3番目に、中国やインドといった新興国諸国が
非常に急速に経済発展をしていて市場が拡大しているので、
ここでどうシェアをとるかによって、日本企業の将来がかなり決まってきます。

企業がグローバル市場で勝ち残る条件としては、
色々な要素が、企業及び産業によってあるわけですが、
共通的には、技術力、製品開発力、マーケティング力、
販売力、調達力、サービス力、あるいは顧客満足度の充足力ということが、
当然、KFS(キー・ファクター・フォー・サクセス)として要求されます。
今までは国内を中心にして、自分の経営資源だけでそれを築いてきたわけですが、
今や企業環境の変化は極めてスピードアップし、短期間でそれに対して
キャッチアップしなければいけません。となると、
自社の経営資源だけでは足りないことも出てきて、
海外拠点の構築、戦略的提携、あるいは海外の企業買収、
さらに日本で調達できなければ海外で調達するなど、
有力な海外の経営資源(人、物、金、情報、ノウハウ)を
いかに自社のものとして獲得し、それを競争優位に結び付けていくかが、鍵となります。

こういったことは誰がやるかというと結局人なのです。
ですから世界中で非常に有力な競争力のある優位、
有望な人的資源をいかに獲得していくか、
それをいかに育成していくかというのが鍵になることに
収斂してしまうというわけです。
これから、どういう人材が必要なのかということですが、
国際的な市場では肉体的・精神的にタフでないといけません。
それから外国語でビジネスが出来る、コミュニケーション能力、
異文化理解力、積極的に現地に溶け込んでいく意欲がある、
グローバルな環境でマネジメントが出来る、
あるいはイノベーションの力があるか、
こういうスキルがこれから求められるでしょう。

欧米の企業は、もともとグローバル化が進んでいる企業が多かったので、
数十年前からそういった取組みを始めているわけですが、
韓国や台湾等の企業も、今猛烈なスピードで国際化、多国籍化を進めています。
例えば、韓国は国を挙げて英語に力を入れており、小学校の3年生で必修です。
中学・高校レベルでも英語に注力する教育が始まっています。
低学年から語学だけをやらせるのがいいかどうか分かりませんが、
グローバル化対応という点では、いいことだと思います。
有力な企業でいえば、LG電子は2008年に英語を社内共通語にし、
会議も電子メールも英語にしました。
その結果この数年で外国人の入社希望者が2~3倍に増えたそうです。
サムスン電子は本社勤務の外国人の数を800人から、
2020年までには2000人に増やすそうです。
それに有名な地域専門家育成制度というのがあり、
若手の社員を世界各国に派遣して1年間研修させます。
何やってもいいが、現地の習慣・文化を徹底的に習得するというものです。
この人たちが戦力になって新興国、アフリカの奥地で活躍して
日本よりもかなり先行的に開拓をし始めています。
韓国や台湾では国内市場が小さく海外市場に出ざるを得ないので、
真剣度が違うといえます。

それに対して日本企業では、企業のグローバル化ニーズに対して、
人材が追い付いてないというのが、深刻な問題になっています。
通商白書(今年版)によれば、新入社員や若手社員への
アンケート調査の結果では、海外で働きたくないという人が36%、
あるいは海外赴任は出来るだけ拒否をしたいというのが30%に増えて、
内向き志向が進み、海外留学の数が減っています。
これもグローバル化の波からすると逆の現象で非常に心配です。

日本企業が取り組むべき課題として、前回も具体的な企業の例を
いくつか示しましたが、日本人社員のグローバル化が一番必要ですが、
それで足りなければ、外国人社員の獲得と活用に行き着かざるを得ないでしょう。
幹部に関しても、マネジメント能力を持った経営幹部をできるだけ育成すると同時に、
外から即戦力を獲得していくこを早急にやらなくてはいけないと思います。
そのためには、一元的に人材を育成或いは評価するシステムを
確立しなければなりません。国籍を問わず平等に評価することです。
最近、就職戦線も非常に厳しいものがありますが、
学生自身も、どの業種の企業も海外志向が強まっていることを敏感に察して、
世界で通用する何らかのスキルあるいは特技を身に付けておく必要があると思います。

分野: 永池克明教授 |スピーカー:

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ