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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 社会的影響 ~同調行動(2)(藤村まこと/社会心理・組織心理)

社会的影響 ~同調行動(2)(藤村まこと/社会心理・組織心理)

10/08/12

人は、自分の意見を持っていても、
多数派の意見に合わせてしまう傾向が強いという話を昨日しました。
今日は、少数派の人たちが、多数派に向けて
影響を及ぼす過程について紹介します。

■少数派の影響
集団の中では、多数派に押されて
少数派(マイノリティ)の声や意見が消えてしまうことがあります。
しかし、少数派が多数派を説得していくプロセスも非常に興味深いものです。
同調実験では、人が3人集まると同調が生じやすいと言われていますが、
多数派の中でも、少数派が3人集まると、
多数派がその存在を認め、耳を傾けるという指摘があります。
そして、少数派が多数派に影響を与えるためには、
一貫性を持ち論理的に主張していくことが大事だといわれています。
もちろん人数も影響を及ぼす大きな要因の1つですが、
ラタネによる社会的インパクト理論では、人数だけではなく、
影響発信源の強度(地位や社会的勢力)の要因、
影響を受ける人との近接性(時間的距離或いは空間的距離)の要因も
他者に及ぼす影響力を高めるといわれています。

■同調が生じる原因
では、なぜ同調行動が生じるのでしょうか。
ドイッチュらは2つのメカニズムを挙げています。
ひとつは、多数派に好まれたい、多数派から罰を受けたくないという理由で、
多数派に意見を合わせる規範的影響です。
もうひとつは、正しい情報を得たいという気持ちから
他者の判断が正しいのではないかと思い、他者の意見を受け入れる情報的影響です。

■集団規範への同調
今回は、あわせて集団内にある規範についても説明したいと思います。
集団には、待ち合わせ時間に対しては
この時間に来るべきだ、というように
この状況ではこういう行動をとるべきだといった
暗黙のルールが存在することがあります。
人は、集団の中でどのような行動や判断をするかを決定するとき、
この集団規範を参考にしていると考えられます。
つまり、集団規範とは、集団内の多数の人が
共有してもっている行動や判断の基準です。

集団規範は、メンバー間の相互作用の中で形成されますので、
集団によって異なる規範が生じます。
また、明文化されていないことも多いものです。
そのため、人は新しい集団に移った時には、
この規範を学習するプロセスが生じます。
今までの集団だったらこれでよかったけど、
新しい集団ではどうだろうか。
いわゆる、“郷に入りては郷に従え”という言葉があるように、
人はその集団に合わせて行動や判断を選択することになります。
また、集団内では、この規範に合わせた行動をとるように、
つまり同調が生じるように直接的、間接的な圧力が生じます。

■新メンバーの集団規範への同調
組織社会化という言葉があるのですが、
新しいメンバーが集団に所属する際には、
新しい集団の規範を学ぶことで社会化されていきます。
新しいメンバーに対しても、
同じく集団の規則・規範に対して、同調するように圧力が生じます。
その結果生じる社会化の際の新メンバーの反応は4つに分類されます。
1つめは、集団のルールや規範を心の底から認める、
受け入れるという“真の同調”です。心理学用語では同一化ともいいます。
2つめは、“仮の同調”で、本当は違うなと思いながらも、
集団の規範に行動や態度を合わせるという反応です。
3つめは、真の同調も仮の同調もできず生じる“離脱”が起こります。
最後の4つめは、“変革”です。
同調もできず、離脱もできない。
そのため、自分が周りを変えていく、
集団規範を変えていくという反応です。

■最後に
少数派が集団に影響を及ぼすことは
変革を生じさせるという点で貴重です。
しかし、多くの少数派の意見は、消えてしまいがちだと思います。
集団の意思決定の質を高めたり、集団に変革をもたらすために、
少数派の意見をどう活性化させるかを今後も考えていきたいと思います。

分野: 藤村まこと講師 |スピーカー:

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