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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 社会的影響 ~同調行動(1)(藤村まこと/社会心理・組織心理)

社会的影響 ~同調行動(1)(藤村まこと/社会心理・組織心理)

10/08/11

今回は、集団の中で人が周りの人から受ける影響について紹介します。
例えば、会議などで何か決めるとき、
自分の意見を持っていても、
周りの人が皆別の意見を表明すると
自分の意見を周りに合わせてしまうことがあります。
このように,集団や他者の設定する標準や期待に沿って
行動することを“同調行動”と呼びます。
同調行動はどのようなときに生じるのでしょうか。

■アッシュの同調実験
同調に関して、
社会心理学者のアッシュが以下のような実験をしています。
2枚の絵を用意して、
片方には,基準線となる1本の線分が記載されていて、
もう片方には,3本の線分が記載されています。
その3本の中から,基準線と同じ長さの線を選んでもらうという課題です。
1人で回答をしてもらうと、
正解率は99%を超えるといわれている、すごく簡単な課題です。
その課題を集団の中で回答してもらいます。
8人の人がいて、順番にあなたはどれが同じ長さだと思いますかと聞いていきます。
1人、2人と順に応えていく中で、
1周目、2周目は皆さん正解を当てていくのですが、
3周目からちょっと異変が起こります。
他の人が皆、正解とは思えない線を答えていく中、
「あなたはどれだと思いますか?」と問われるとどう答えるかという実験です。
自分は周りと違う線だと思っていても、
周りの人が選んだ線を回答する人が増えることが分かっています。
実は8人の内7人は全部サクラで、
何も知らない実験参加者は1人だけなのです。
7人の実験協力者の人たちは、
3周目からこの答えを回答して下さいと指示を受けていた人たちです。

この実験を,50人に対して行い、
1人当たり12回回答してもらいました。
その結果、最後まで自分の意見を通した人は、
50人中13人で全体の約25%です。
言いかえると,75%の3/4の人は、
少なくとも1回は周りの人に意見を合わせたことになります。


今回の課題は,1人の状況であれば、
正解率は100%に近いとても分かりやすい課題でした。
実験参加者は,周りの人は明らかに間違っている、
自分の考えは正しいと思いながらも周りに合わせたことになります。
一方,私たちの日常世界では、
自分の考えや意見が正しいと確信を持てないことの方が多いのです。
その中で,周りの多数の人が異なる意見を表明すると、
より同調が生じやすいのではないかと考えられます。

■同調を生じさせる他者の数は?
アッシュはさらに実験を発展させて、
周りの人が何人いたら同調が生じるかを調べています。
まず,反対意見の人が0人で、1人で回答してもらうと99%の正答率でした。
そこで,反対意見の人数を1人、2人、3人、4人、8人、16人と
変えて,それぞれの実験状況での同調率を調べたところ、
結論として、反対意見の人が3人になると、
著しく同調が生じやすくなるといっています。

■もし自分と同じ意見を持つ味方がいたらどうなるか
また,自分と異なる意見を持つ他者がいる中で
自分と同じ意見を持つ味方がいると、
同調率は下がるという実験もされています。

細かいデータになりますが、
自分以外に7人の人がいるとき、
最初から最後まで自分と同じ意見表明をする人が1人いると、
同調率は5.5%まで落ちたそうです。
だれも味方でない時の同調率32%でしたから、だいぶ減っています。
一方,同じ1人の味方でも、
途中から味方になった場合は同調率8.7%、
途中まで味方だった場合は同調率28.5%だったそうです。
これらの結果から、集団の中で1人でも自分と同じ意見を述べる味方がいると、
人は自分の意見を言いやすくなるようです。

■日本人は同調しやすいのか
時折、日本人は欧米の人に比べて周りに意見を合わせやすいのではないか、
つまり,同調しやすいのではないかと聞かれることがあります。
同調実験を日本でも行ない、日米で比較した結果、
欧米と日本では差はなかったという面白い結果も出ています。

分野: 藤村まこと講師 |スピーカー:

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