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アジアのビジネス・スクールが集う(1)(産学連携/高田仁)

10/07/20

去る5月末、AACSB Asia Conferenceがシンガポールで開催されました。
AACSBはThe Association to Advance Collegiate Schools of Businessの略で、
米国を拠点とするビジネス・スクールの認証評価機関ですが、
近年のアジア各国でのビジネス・スクール設置とビジネス教育熱の高まりを受けて、
シンガポールにオフィスを設置しました。これを記念して、第1回のアジア・カンファレンスが
開催され出席したので、その時の様子を報告したいと思います。

・3日間の会議には、約80の大学・機関から、180名超が参加していました。
 参加大学数の国別上位は、オーストラリア14大学、中国10大学、台湾10大学、
 韓国7大学で、日本からはAPU(立命館アジア太平洋大学院)とQBSの2校のみでした。
 日本の存在感の低さが気になるところです。
・AACSBの会員大学は1,141校で、米国だけで全体の6割を占めます(2010年)。
 また、AACSBによる認証評価済みの大学は579校で、うち米国の大学が
 469校と8割を占めています(2010年)。
・ちなみに、世界には12,000校を越えるビジネス・スクールが存在すると言われていますが、
 AACSBに加盟している大学はその10%程度に過ぎません。AACSBは、
 世界的なビジネス教育の質の向上を狙って加盟大学を増やそうとしており、
 今回のシンガポール・オフィスの設置は、アジアのビジネス教育ニーズの高まりと
 ビジネス・スクールの設立に伴う認証評価ニーズの高まりを受けて行われたものです。
・3日間に多くのスピーチやセッションが持たれましたが、アジアのビジネス教育を
 取り巻く現状やトレンドについてのものが多くを占めました。

【アジアのビジネス教育を取り巻く現状やトレンド】

・2008年のリーマンショックに端を発したリセッションの影響から、ビジネスおよび
 ビジネス教育のあり方の再考に関連するスピーチやQ&Aが多数ありました。
 その文脈で、ビジネス倫理が話題として取り上げられる場面も多くありました。
・「アジアらしさ」という意味では、従来のWestern Capitalismに対し、
 アジア諸国(日本を含む)のビジネス手法は代替となりうるかという点について、
 Banyan Tree HoldingsのHo Kwon Ping会長は”Communitarian Capitalism”という言葉を用い、
 「株主利益だけではなく、従業員や地域住民までもより強固にステークホルダーとして
 組み込んだビジネスのあり方が模索されるべきであり、真に社会全体を視野に入れた
 新しいKPI(Key Performance Indicator)の確立が必要だ」との自説を述べていました。
・また、Ho Kwon Ping会長は、「従来のビジネス・スクールは、ビジネスに必要なツールを
 教えてきたが、ツールだけでは十分ではない。今後は、ビジネスによって提供される
 バリューが何かを教え、その創造を支援するべきである」と述べていました。

・これらの発言の背景には、2008年のリーマンショックに端を発した世界的な経済の混乱を
 引き起こした「行き過ぎた営利追求」について、特に米国のビジネス教育界は
 真摯に反省すべきだとの考えがあります。
・アジア各国は、ビジネス・スクール教育が軌道に乗り始めたところですが、
 そろそろアジア独自の価値観に基づくビジネス教育手法やコンテンツを
 開発する時期にさしかかっていると言えるでしょう。

分野: 高田仁准教授 |スピーカー:

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