QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

過去の記事詳細

QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 菅内閣発足 (財務戦略/村藤 功)

菅内閣発足 (財務戦略/村藤 功)

10/07/09

■菅内閣の発足
鳩山内閣発足時の支持率は約70%でしたが、政権末期には22%と、
約3分の1にまで落ち込んでいました。
菅内閣発足直後の支持率は68%と、3倍近くに跳ね上がりV字回復しています。
この高い支持率を追い風に選挙に臨もうということで、
2010年6月24日に公示して同7月11日に投開票という今回の参議院選挙の日程が組まれました。

今回の参議院選挙の争点の一つが消費税です。
自民党が消費税の10%への増税を提案しており、
これを参考にして民主党も消費税10%を主張しています。
自民党と民主党の両党が消費税10%を主張しており、
10%にするかしないのかという話が争点になっているという状況です。
この消費税の議論について共産党は、
法人税を下げるために消費税を上げるのか、と批判しています。
私は以前からこの番組でも何度か申し上げているように、
消費税を上げなくても財政は再建可能だと思っています。
消費税を上げる前に、公営事業など数百兆円分の民営化対象の民営化を行って、
有利子負債を削減するべきだと言いたいところです。


■第三の道
管首相は成長戦略として第三の道を掲げています。
ここでいう第一の道とは公共投資に依存する高度経済成長路線を、
第二の道は小泉元首相が行ったような、
規制緩和で小さな政府を目指すという構造改革路線を指します。

そして菅首相が唱える第三の道は、財政再建、
社会保障政策、経済成長戦略の一体的な実現をめざすものです。
これらの戦略のうち、私はむしろ、
日本がしっかり実現したことのない第二の道をいくべきだと考えています。

第三の道とは具体的には、成長分野である社会福祉にお金を投じて雇用を創出し、
これで成長して財政を再建するというものです。
確かに社会保障分野は成長分野であるため、
この分野で雇用を生み出すということには、私は大賛成です。
問題はこれをどうやってやるのかということです。
社会福祉について官が権限を持っている限り、簡単に成長できるはずがありません。
官が持っている現業を民営化するといったことをしない限り、
有利子負債を削減する財政再建はできないと思います。


■菅内閣の成長戦略
菅内閣は、環境政策として鳩山氏の提言した、
温室効果ガスの25%削減を継続しなければなりません。

また、ライフ・イノベーションということで子育てや、
老後の健康にかかわるサービスで健康大国を実現し、雇用を増やす事も目指しています。
これについては私も大賛成ですが、先ほども触れたとおり、
かつて厚生労働省がやっていたように、国民の税金を使って、
国が主体となって実行するということでは、大きな成長は見込めません。
規制緩和して官と民と両方でやるということで、民に開放するということが重要です。
この規制緩和に関しては具体的な言及がありません。
どうやって社会福祉の産業に雇用をもってくるつもりなのか、そこが問題です。

アジアの経済戦略では、日本の漫画やアニメのようなコンテンツの発信を強化する、
海外プラント成約額を現在の4倍強にする、といったことが掲げられています。
特に、インフラ輸出の拡大に向けて首相がトップセールスするという話が出ています。
インフラ輸出は民間企業の業務ですから、民間に任せておけばいいのではないかという話もあります。
しかし、規模の大きいインフラ事業の場合、海外では国のトップの総理大臣や大統領が、
あれこれ介入してセールスしています。
これまで、日本ではやっていなかったことですが、ぜひやって欲しいと思います。

また、観光の戦略についても具体的に言及されています。
観光の強化は小泉内閣時代から取り組まれており、観光庁も設置されました。
現在、2010年までに海外からの観光客を1000万人にすることが目標に掲げられています。
新戦略ではこれを10年後の2020年までに、2.5倍の2500万人に増やすとしています。


■第三の道と財政再建
冒頭の通り、消費税については自民党も民主党も10%を設定しています。
これに対して、みんなの党や国民新党は消費税の引き上げには否定的な立場です。

みんなの党は、無駄がまだたくさんあるので無駄を省くべきだと主張しています。
国民新党は、日本を活性化するためにまずは公共投資をするべきであって、
現在の不況の中で消費税を上げてはいけないという見解です。
私としては数百兆円規模の現業を官から民へ民営化して移すという政党があれば、
そこへ投票するところですが、そういう政党がないため困っている状況です。

菅内閣の方針としては、消費税を上げて第三の道をいくということしか表明していません。
第三の道の、社会保障分野で雇用を増やして成長するという内容については、私は賛成ですが、
実現には民営化が必要だし、成長だけで財政再建できると思ったら大間違いだと考えています。
財政再建をしようというのであれば現業を民間に移して有利子負債を削減し、
成長させるためにはそもそも官ではなく民で社会福祉をやることが必要だと思います。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ