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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 中古品市場②(マーケティング/高橋 幸夫)

中古品市場②(マーケティング/高橋 幸夫)

10/07/08

前回は中古品市場の動きについてお話しました。
今朝は中古品を違った角度、人とものの関係と
そこから考えられる中古品の流通システムについてお話します。


■物を修理すること、捨てることへの意識

まず、自分が使用していた品物との関係を見てみると、
「修理」という視点からのアンケート調査があります。
「家電製品や家具などが壊れれば、修理して長く使う」と答えた人は、
2000年には46%だったのですが、2008年には37%と10%近く減っています。
また、「自分で家や家具などの修理、修繕をする方だ」と答えた人は、
1998年の33%から2008年には27%と30%をきっています。
これは、中古品の購入が定着しつつある半面、品物を修理することへの意識は
徐々に薄まっていることを表しているようです。

さらに、人と物との関係には「捨てる」という行為も含まれます。
調査では、「物を捨てる時、処分費用を個人が負担するのはしかたないと思う」
と答えた人は、2008年で47%でした。
10年前の1998年の57%から約10%ダウンしていますが、いまだに
およそ二人に一人は費用負担を「しかたない」と思っている状況がみてとれます。

このような現状を見ると、生活者は「一度使った品物」を修理する傾向は低下し、
費用を負担しても廃棄処理する傾向がまだまだ強いと思われます。
しかし、修理をすれば使える品物を、廃棄処理させずに
リサイクルショップやフリーマーケット、インターネットオークションといった
中古品市場へ流通させることができれば、生活に定着しつつある中古品購入
という行動は、今後もより拡大することが見込まれるということになります。
中古品小売業は、不況下で需要が伸びて右肩上がりを続け、
市場規模は、推定5000億円と見られています。
不景気で古着をはじめとする中古品の需要が高まりを見せています。


■中古品が循環する新しいシステム

では、どうすればこのような流れが活性化されるのでしょう。
中古品市場の活性化を図るために、生活者の二人に一人が
「負担するのはしかたない」と思っている廃棄処理の「費用」に
着目してみるとわかります。捨てるための費用負担から、
修理の費用負担へと発想を切り換えるということです。
例えば、生活者が壊れた家具を処理したいと思ったとします。
処理費用がかかる粗大ごみに出すのではなく、
リサイクルショップやインターネットオークションなど中古品を扱っている店舗へ供出する。
家具は壊れているので、正規の買い取り価格から修理費用を差し引いた金額を
生活者に支払う仕組みにします。
こうすれば、修理費用は実質的に生活者が負担することになりますね。
しかしながら、生活者にとっては、受け取る金額が多少減額されても
収入であることには変わりはありません。

一方、買い取り側にとっても、これまで処分されていたであろう
中古品の品数が豊富になるため、十分なメリットとなるはずです。
そして結果的には、商品が多ければ多いほど、
生活者の選択肢が増えることになるとおもいます。
中古品の提供者である生活者と、買い取る店舗の双方にメリットがあれば、
中古品の流通が活性化し、中古品市場は今後も拡大することになるでしょう。


■買い取る側の考え

また、買い取側、企業側の考えとして、リユース市場の活性化に必要なことは、
「新品市場の活性化」が中古品流通の活性化とともに必要です。
以前、中古自動車市場の回にもお話しましたが、新品商品の売れ行きが厳しくなれば、
リユース市場に出回る商品の量も必然的に減ることになります。
仕入商品の減少→売り上げ低迷という悪循環の発生は
リユース市場にとって死活問題です。
このため景気回復における、新品市場の活性化→仕入商品量の増加→
売り上げの拡大といった好循環のサイクルを期待するリユース企業が多いのです。

そのほか、「イメージアップ」(16%)、「業界の透明化・健全化」(13%)と、
リユース品・業界全体に対し、さらなるイメージアップを望む企業も3割近くありました。
また、「同業他社との連携」、同業者と横のつながりを求める企業も14%ありました。
今後は外部からの情報収集や業者共同での仕入れ、店舗開発などで連携を強化し、
事業拡大を図りたいとする企業の意向もうかがえます。
さまざまな改善を試行することで、中古品市場が
今後より伸びていく可能性が高いと思われます。

分野: 高橋幸夫助教 |スピーカー:

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