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ビジネス・プラン・コンペの効果(その1)20周年を迎えたMITのビジネス・プラン・コンペ“100K” (高田仁/産学連携マネジメント)

10/06/10

■MITのビジネス・プラン・コンペ“100K”

5月中旬に、有名なビジネス・プラン・コンペである100Kのファイナルが開催された。
100Kというのは、優勝賞金額が100,000ドルであることに由来する。
100Kは今年で20周年を迎える。

第1回が10K(優勝賞金額)からスタートし、50K、100Kと成長して来た。
この間、当ビジネス・プラン・コンペは130社の創業を促し、
これら企業の時価総額は150億ドル、雇用創出は2,500人、
VCからの投資総額は7億7千万ドルに達すると報告されている。

http://www.mit100k.org/home/mit-100k-finale-is-upon-us-may-12-7pm-kresge/

このビジネス・プラン・コンペは、スポンサー集めや広報なども含めて、
運営全てが学生によって行われているところがポイントである。
以前から紹介している(高田が半年間滞在した)MITの
アントレプレナーシップ・センター(E-センター)は、
そのための小部屋(Cubeというガラス張りの個室)を
学生グループに貸与し、学生はそこを拠点として活動する。

E-センターにいると、ひっきりなしに100K関係者が集まっては
ミーティングを行い、様々な準備を進めている姿をみかける。
100K運営チームには、マネジング・ディレクターを筆頭に、
スポンサーとの連携、ジャッジとの連携、卒業生との連携、
イベント開催運営、メンターとの連携、PR、といった役割が割り振られて
機能的に活動するほか、途上国開発・エネルギー・ライフサイエンス・
モバイル・製品&サービス・Web/ITの6つのトラック毎に
支援チームが組織され、総勢で数十人が運営に関わっている。


■100Kのファイナリスト

今年は、クリーン・エナジー・プライズでファイナリストだった
C- Crete(CO2排出を削減し、低コストで強度をアップした
コンクリート技術を実用化する会社)が優勝した。
個々のファイナリスト企業の概要は、MIT 100Kのウェブページに掲載されている。
例えば、SolSourceは、発展途上国で25億人が直面している燃料の
薪の確保の問題を解消する熱源確保の装置を提案している。
また、Insulin Chewing Gumは、MITの著名教授である
Bob Langer氏の技術を用いたもので、糖尿病患者のインスリン投与を
チューインガムによって行い、非侵襲を実現しようというものである。
いずれも、社会課題の大きさや深刻さの捉え方(=マーケットの捉え方)が
しっかりとしている点が印象的である。


■100Kのコンテスト

なお、100Kはビジネス・プラン・コンテストのみならず、
3つのコンテストから構成されている。

エレベーター・ピッチ・コンテスト(EPC)

 60秒のエレベーター・ピッチを競うもので、アイデアの着想を促すことを目的としている。
 既に昨年10月に開催され、前年度の約2倍の350名の応募があった。
 ちなみに、優勝賞金は 5,000ドルである。このEPCが、
 その後のエグゼクティブ・サマリー・コンテストやビジネス・プラン・コンテストの
 応募のトリガーとなることが期待されている。

エクゼクティブ・サマリー・コンテスト(ESC)

EPCで着想したアイデアに基づき、ESCではチームを組成し
 アイデアを成熟させることがネライである。
 2ページのエグゼクティブ・サマリーを提出しなければならないが、
 EPC終了から申請期限まで約1ヶ月の猶予が与えられるので、
 この間に仲間を募り、アイデアを煮詰めていくのである。
 優勝賞金はEPCと同額である。

ビジネス・プラン・コンテスト(BPC)

 優勝賞金100Kドルを競うもので、3月上旬までに
 2ページのエグゼクティブ・サマリーと12ページのプレゼンテーション用スライドを提出し、
 5月上旬にファイナルが開催される。賞金の総額は350Kドルに達する。
 優勝チームはもちろんのこと、ファイナリスト・チームには会社設立に向けた
 正式なメンタリング・サービスやオフィス・スペースの提供、
 会計やPRのコンサルティング・サービスが提供される。
 BPCのファイナリスト・チームがその後会社を設立し、
 大成功を収めている例は数多くあるが、
 例えば98年のAkamai (http://www.akamai.com/、NASDAQ上場) や
 03年のBronte(06年に3Mに総額95Mドルで買収された)、
 05年のHubSpot (http://www.hubspot.com/) は
 典型的な成功例として紹介されることが多い。

各チームのアイデアを聞いていると、
「このアイデアは誰でも考えつきそうなものだが・・・」
という印象を持つものも少なくない。
しかしながら、MIT Sloanの講義でも随所で教えられる、
”Idea is worthless, execution is worth.”という言葉が示すように、
この一見ありがちなアイデアを、参入障壁を築きながら、
最終的に収益を上げる高度なレベルにまで煮詰める能力が
こちら(米国)の連中は異常に発達しているという印象を受ける。

分野: 高田仁准教授 |スピーカー:

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