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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 事業仕分け その2 (財務戦略/村藤 功)

事業仕分け その2 (財務戦略/村藤 功)

10/06/04

2009年11月に行われた1回目の事業仕分けには、私も仕分け人として参加しました。
その時の様子は既にこの番組でもお伝えしていますが(2010年2月5日放送分)、
今回は今年の4月から5月にかけて行われた2回目の事業仕分けについてお話しします。


■2回目の事業仕分け概要
2009年11月に行われた1回目の事業仕分けでは、
中央省庁が計上していた2010年度予算が仕分けの対象となり、
歳出削減で6900億円、埋蔵金回収で1兆円の合計約1兆7000億円の資金が捻出されました。

2回目の事業仕分けは、前半と後半の2部構成で行われました。
4月下旬に行われた前半戦では独立行政法人が、
5月下旬に行われた後半戦では公益法人がそれぞれ仕分けの対象となりました。

1回目と2回目の事業仕分けでは責任者が変わっています。
去年11月の時点では行政刷新担当大臣だった仙石氏が担当していました。
しかし、藤井財務大臣が退任したことで、戦略担当大臣だった管氏が財務大臣に就任し、
仙石氏が戦略担当大臣も兼任する形になりました。

その結果、仙石大臣に業務が集中したため、
2010年の2月から枝野議員が行政刷新担当大臣に就任し、
2回目の事業仕分けは枝野大臣が担当するところとなりました。


■独立行政法人の仕分け
2回目前半の事業仕分けでは、都市再生機構(UR)やジェトロ、
かつては財投の資金が多く投入されていた住宅金融支援機構といった、
47の独立行政法人の151事業が仕分けの対象となりました。
作業の結果、36事業が廃止となり、約1兆8000億円の国庫返納が求められました。

中でも最大の成果は、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道機構)に対して、
剰余金1兆3500億円を国へ返納するように要求したということです。
鉄建機構は、国鉄がJRに民営化される過程で設立された旧国鉄清算事業団から、
国鉄職員の年金債務等を引き継いでいます。
しかし、国鉄清算事業団から一般会計に債務が承継される形で、
1998年に24兆円の税金が投入されています。
その後、資産売却が順調に進んだり、年金の支払い方式を見直したりしたことで、
剰余金が膨らみ、今回の返納となりましたが、
もともとつぎ込んだ税金のごく一部が返ってくるだけです。


■公益法人の仕分け
2回目後半の事業仕分けでは、交通安全協会やJKA(旧日本自転車振興会)、
日本宝くじ協会等の公益法人が対象となりました。

私たちが免許更新に行くと講習で教本が配布されます。
その教本を発行しているのが交通安全協会ですが、仕分けではその無駄が指摘されました。
JKAは競輪やオートレースを統括していますが、事業内容が今ひとつはっきりしません。

億万長者を夢みて買う人も多い宝くじも、2008年度の収益でみると、
当選金としてくじの購入者に還元された分は全体の45%です。
40%が収益として地方自治体に入り、残りの15%は経費だということで、
そもそもこれを「宝くじ」と呼べるのかということが問題視されました。
宝くじは総務省が所管しており、原口総務大臣は、早期の問題解決を目指しているという状況です。

また、天下りとなると民主党の人たちは突然元気になりますが、
国土交通省のOBが多く天下りしている空港環境整備協会も仕分けの対象となりました。
現在、日本では空港ごとに財務諸表を作成していないため、
財務の実情は分かりませんが、多くの空港は赤字で苦しんでいます。
また、新聞を賑わせたJALはもちろんANAも厳しい経営状況です。
一方で空港環境整備協会が行っている駐車場事業や環境対策事業は大きな利益を出しています。
空港環境整備協会の171億円の積立金は国庫へ返納ということになりました。


■これからの事業仕分け
国土交通省関係でみると、同省所管のURにも約400億円の剰余金がありました。
もともとURは公団住宅を作っていた日本住宅公団が前身の一つとなっています。
実のところ、URは財政投融資から10兆円程度資金を借りている状況にあります。
高度成長期には公団住宅を作ることで、それなりに公団も役に立っていました。

現在は全国にある77万戸の公団住宅の管理をURが行っていますが、
なぜ民間でもできる住宅の管理を国の機関であるURがやらなければならないのか疑問です。
そのため、そもそもURを民営化すべきだという声も昔から上がっています。

もともと今回の仕分け作業は、全体の中のごく一部を選んで行っています。
今回仕分けの対象となった独立行政法人は行政の一部ですが、
公益法人は、行政の外にある組織です。
行政の外にある公益法人は行政と特に密接な関係のあるものだけでいいと思いますが、
行政の中についてはそれこそ無駄はたくさんあるので、
これからも仕分けは続けていかなければならないと思います。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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