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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 自治体再編 (財務戦略/村藤 功)

自治体再編 (財務戦略/村藤 功)

10/05/28

昨年、九州大学ビジネススクールの主催で地域主権フォーラムを開催しましたが、
鳩山政権でも地域主権について新たな取り組みが始まっています。


■地方分権から地域主権へ
自民党が政権与党だった頃は、地方のあり方として地方「分権」を方針としていましたが、
民主党に政権が移ってからは、それが地域「主権」に変わりました。
「主権」ということになると、優先順位として国よりも地域が上に来ることになります。

もともと、自民党は2016年に道州制を導入する予定でした。
民主党は道州制の導入には慎重で、むしろ道州よりも基礎自治体の方を重視しています。
基礎自治体が道州制を要望すれば検討してみるということで、
道州制の意味合いは変わってきています。

規模の点からみて、基礎自治体の人口は1つにつき約30万人が理想的だと普通考えられています。
人口30万人の例としては、九州だと久留米市があげられます。
日本の人口約1億2000万人を30万人で割ると、400くらいの基礎自治体が出来上がります。
もし10の道州を設けるとすると、1つの道州あたり約40の基礎自治体を持つことになります。
一方、市町村の数は、平成の大合併で、1999年の3月末で3232あったものが、
2010年の3月時点で1730になり、10年間で半減しています。

実のところ平成の大合併の際に、
総務省としては市町村数1730の更なる半減を狙っていたといわれています。
さらに市町村を減らすために、都道府県から市町村に合併するように示唆させたところ、
市町村が反発してほとんど耳を貸さなかったという経緯があります。
400というあるべき基礎自治体の数に対して1730ですから、
これをあと4分の1、5分の1に減らすということになります。


■地域主権戦略会議の設置
自治体数の半減という目標に近付けていくために、鳩山政権は地域主権戦略会議を設置しました。
この組織は前政権下で発足した、元伊藤忠トップの丹羽宇一郎氏を委員長とする、
地方分権改革推進委員会が前身となっています。
地方分権改革推進委員会では、丹羽委員長を中心として十分に時間をかけて、
それなりに内容のある勧告を出しましたが、
霞ヶ関の抵抗を受けてなかなか実行に移されませんでした。

これについて、民主党としては本気で取り組むということで、
引き続き丹羽氏をメンバーに加え、名前を地域主権戦略会議として改組しました。
地域主権戦略会議では、もともと地方分権改革推進委員会で取り組んでいた、
地方自治体の最適化といった話を今後も議論していこうということで、
内容は前身とそれ程変わりません。

とはいうものの、哲学的な理念としては、
分権ではなく主権に変わっているため、実のところはかなり違う話のはずです。
しかし、民主党も国民もあまり分かっていないため、主権も分権も区別していないように見えます。


■道州制と民主党政権
この会議では国の紐付き補助金についても議論されています。
これについては、以前から廃止しようという動きがありましが、
地域主権戦略会議では紐付き補助金を廃止して、財源を地方自治体に移管し、
自治体が自由に使える一括交付金を導入する、ということで話が進んでいます。
地方自治体が自分たちの住民のために必要なことをやり、
国が定めたので自動的に自治体もそれに付き合うということが無くなり、
結果として、国は国として全国規模で企画し、
地方自治体は地方自治体で企画するということになります。

先ほども触れましたが、自民党は国と道州、基礎自治体という3段階の考え方です。
一方、民主党は道州制の導入は必要なものはではなく、
国と基礎自治体だけでいいのではないかという考え方です。

民主党のまずは基礎自治体を作るという方針には、
小沢氏の国と基礎自治体の間に道州が入り込む必要はない、
つまり段階は3つではなく2つでいいという二元論の考えが大きく影響しています。

このように政府の方では道州制はやや下火ですが、道州は地方でも色々と議論されています。
九州でも、九州各県の人たちが集まり、道州制の下で九州としてやる場合には、
どのように取り組むのかということを構想しています。
地方としては道州について肯定的に捉えており、
自治体が道州制を民主党に理解させようというような動きもあります。

ただ「道州」にすると、九州や北海道としては話として非常に分かりやすいのですが、
本州となるとどこで州の線引きをするのかということで喧嘩になってしまい、
なかなか決着に至っていないのが現状です。


■九州の中心としての福岡
私が以前から申し上げている話ですが、今後の自治体の運営の方向性としては、
九州で例えると、九州を一つの国として、日本における東京のように、
九州の頭を福岡にするというものです。

現状としては、九州支店や九州支社、九州工場ということで、
九州内にて意志決定ができないという問題があります。
ヒト、モノ、カネを集めてきて、福岡特区を設けて、
法人税を10%引き下げ、ビザを自由化するという形にすれば、
東京にある多国籍企業のアジア本社を福岡にもってくることができます。

そして、そのアジア持株会社の傘下にアジアの子会社を置き、
連結アジア会社を福岡証券取引所に上場すれば、福証も大いににぎわいます。
また、経営会議を福岡で開催し会議終了後に中洲に繰り出せば、
地域経済への波及効果も期待できます。

やはり自由な意志決定があってこそ、意志決定に対する責任が出てきます。
自由と自己責任の経営という当然の話を、九州でも行わなければならないと思います。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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