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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 民主党と税金 (財務戦略/村藤 功)

民主党と税金 (財務戦略/村藤 功)

10/05/14

■税収と赤字国債
2009年の上半期、4月から9月の一般会計税収は約10兆円で、
前年同期と比べると約25%の減少でした。
税収のピークは1990年度の60兆円ですから、税収は随分と減ってきています。

もちろん、税収に見合った予算を組むべきだという考え方もあります。
しかし、政府は景気が悪い時にはそうも言っていられないという立場をとってきました。
1993年からは歳出に比べて税収が足りなくなってきたため、
国民に行政サービスを提供するということで、赤字国債を発行しています。

これから少子高齢化で少なくなる将来世代の人たちに、借りていいかどうかも聞かずに、
後で返してもらうということで、赤字国債を発行してお金を借りています。
これを継続してはいけないという気がします。


■法人税
日本の法人実効税率は約40%で、他の国と比べると非常に高いといえます。
韓国を始めとする新興国は、国の将来を考えて、
民間企業を国際競争で勝ち残らせるべく、法人税率を引き下げています。

しかし、日本では「大企業はお金持ち」という印象が先行して、
法人税をどんどん取るためになかなか法人税率下がらないという困った状況になっています。
これら税金のうち、特定の税金については租税特別措置法で実際の税額よりも安く設定されています。

民主党としては期限付きの特別措置である租税特別措置法について、
期限が切れた措置は廃止するということを最初はいっていました。
ところが、民主党が税制を実際に仕切るようになると、
大半の租税特別措置は継続されることになりました。

また、日本の税制では、25%以下の法人税を持つ国は、タックスヘイブンとされています。
そういう場所へ行ってお金儲けをする場合には、当期の課税所得から税を徴収するのではなく、
バランスシートにたまっているお金、つまり内部留保へ課税して税金を取るという、
「タックスヘイブン税制」が日本にはあります。

そのため、法人税が25%ぎりぎりのところへ、日本企業は持株会社を置いていました。
特に、シンガポールは、法人税が以前約26%だったため、
企業によってはアジアの持株会社をシンガポールに構えていました。
しかし、シンガポールを含めた新興国では法人税が25%以下に引き下げられています。
中国、韓国、ベトナム、ロシアなどの主要国まで法人税が25%を切って、
タックスヘイブンとみなされかねないことになってきました。

そのため、タックスヘイブン税制自体を改め、
タックスヘイブンの定義を25%から20%台前半へ引き下げることが検討されています。


■所得税
所得税では、扶養控除や特定扶養控除が問題になっています。
扶養控除というのは、扶養親族がいる場合、課税所得を38万円減額するという制度です。
これに関して、扶養控除で減額し、尚かつ子供手当をもらうとなると、
二重取りとなるのではないかという議論が出てきました。
その結果、子供の一般扶養控除は廃止となりました
。しかし、例えば23歳から69歳の大人のように、子供手当をもらえない扶養家族も存在します。
そういう人たち養っている方はそれなりに大変です。
そのため、子ども手当や特定扶養控除の対象とならない、
23-69歳の成人の一般扶養控除は残ることになりました。

また、高校生とか大学生は、高校や大学自体の学費や授業料で結構お金がかかります。
扶養控除の38万円では不十分ではないかということで、
1人当たり63万円を控除する特定扶養控除という制度が設けられています。
しかし、その特定扶養控除と民主党のいう高校の授業料無償化との関係を考えると、
高校の授業料をタダにした上に、特定扶養控除を認めるという二重取りになってしまいます。
そのため、高校生の子供がいる家庭では、
高校生の特定控除が63万から38万円に引き下げられました。


■消費税
財政を再建するためには、消費税を上げるか、
経済成長させるしかない、というのは完全な嘘っぱちです。
約800兆円ある政府資産の売却や民営化で、それこそ何百兆もお金は出てきます。

そのため、私は正直なところ、消費税の値上げは全く必要ないと思っています。
鳩山総理は基本方針として4年間は消費税値上げをしないといっていました。
また、連立政権ではこの点について三党合意をしています。
にもかかわらず、消費税を上げる議論をするということ自体が問題だといえます。
マスコミは、消費税を上げる方が問題を正しく正面から見た議論だというふうに報道していますが、
これ自体が国民をミスリードする大きな勘違いだといえます。

財務分析をきちんとやって実際の選択肢を把握したうえで発言して欲しいところです。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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