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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 日本における廃棄物の再資源化①(高橋 幸夫/マーケティング)

日本における廃棄物の再資源化①(高橋 幸夫/マーケティング)

10/05/04

「廃棄物の再資源化」テーマを2回に分けてお話しします。
今日は、「廃棄物の再資源化」を理解していただくために、
日本の廃棄物関連法律制定、政策の歩みをたどっていきたいと思います。

人体の循環系メカニズムを産業界に置き換えて、
既存の製品製造業、流通業を「動脈産業」、
廃棄物処理、リサイクルを「静脈産業」と最近では表すことが多いようです。
この静脈産業における「廃棄物」に関する社会の考え方は、
1950年代半ばから70年代半ばあたりの実質GNPが10%を超えていた
高度経済成長期を過ぎてから目覚ましい変化を遂げたといわれています。

産業廃棄物、さらに家庭ごみの廃棄処分場の確保が
困難になるといった問題も発生したことから、
廃棄物を「処分する」という思考は限界を超えました。
この克服策として発送を180°転換した「廃棄物の再資源化」に目標がおかれ、
現在では「循環型社会の実現」という考え方に進展しています。
これは関連する法律制定や政策の過程をたどるとより鮮明になってきます。


■法律制定の過程

まず、1991年に「再生資源の利用の促進に関する法律(再生資源利用促進法)」
が制定されました。そして、2000年には「容器包装に係る分別収集及び再商品化の
促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)」が施行され、
廃棄物、ごみは資源であるという考えが押し出されました。
容器包装リサイクル法では、ペットボトルなどの再商品化を
メーカー、リテーラー、小売業に義務付けられました。
家庭生活でも、生ごみ、新聞雑誌、段ボール、ビン、ペットボトルなど、
いまでは当たり前になっている分別が始まったのもこの頃からです。


■政策制定の過程

政策として「循環型社会の実現」が明確に打ち出されたのは、
2001年に施行された「循環型社会形成推進基本法」です。
これは単に「廃棄物の再利用」の推進だけではなく、
製品設計から製品使用後の回収、分解・再利用までの
段階的プロセスを考慮してリサイクル効率が高まるように
製品のデザイン、構造、材料を決定するというものです。


■この考え方を適用した法律は

この循環型社会形成推進基本法を具体的な製品分野に
適用した法律としては、2001年施行の「家電リサイクル法」です。
2003年からはパソコン、ディスプレイなどの機器にも適用されました。
この法律と相前後して2001年食品リサイクル法、2002年建設リサイクル法、
2005年には自動車リサイクル法が施行されています。


■法律施行に対する懸念は

リサイクルに係る経費は消費者も負担することになるため、
リサイクル費用を上乗せした商品価格の上昇が消費行動を
抑圧するといった、当該業界の懸念や関係方面での議論がありましたが、
消費者側の拒絶反応は強くはなかったようです。
これは、環境に対する消費者の認知向上があったと思われます。

また、業界側でも、回収・再利用が普及することによって、結果的には
製造部材の原価低減にもつながるという可能性も考えられています。

製造-流通-利用-回収-再利用という冒頭でお話しした
「動脈産業」から「静脈産業」の一気通貫的な、まさに我々の体のような
血液循環のよどみないシステムが定着することによって、
トータルコスト削減の仕組み、バリューチェーンが構築できる可能性があります。

分野: 高橋幸夫助教 |スピーカー:

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