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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 日本経済の現状 (財務戦略/村藤 功)

日本経済の現状 (財務戦略/村藤 功)

10/04/30

■GDP
日本の経済も大分明るい部分がみえてきているという人もいます。

しかし、2009年のGDP実質成長率はマイナス5%を記録しました。
1990年代にバブルが崩壊してもマイナス5%という成長率は1度もなく、戦後最悪の数字でした。
1990年代のバブル崩壊時には公共投資で何とかGDPを維持するということをしてきました。
公共投資をするつもりは民主党にはないのかもしれませんが、
政府はGDPすら守れないという状況です。

また、2010年にはGDPで中国に抜かれるのではないかという話も出ています。
購買力平価(Purchasing Power Parity: PPP)では日本は既に中国に追い抜かれています。
中国の人口は日本の10倍ありますから、抜かれても特におかしいということはありません。
日本がずっとGDPでゼロ成長を続けて、2009年はマイナス5%成長だった一方で、
中国ではずっと8%から10%位で推移して、2009年は8.7%、と毎年成長を続けています。
本当に抜かれるのは時間の問題でしたが、遂に今年抜かれるということになります。
もう少しすると、アメリカも中国に追い付かれてしまうという状況です。

とはいうものの、日本経済は全く回復してないというわけではありません。
2008年の秋にリーマンショックが起きて以降、2009年の前半辺りは大変でしたけが、
去年の夏から秋くらいにかけて少し回復し始めたという感じです。
この景気回復のために、麻生前首相が補正予算を組んでお金を使うということをやっていました。
エコポイントやエコカーということで、回復基調は補助金減税があってこその話です。
この補助金が無くなってしまった場合、本当に大丈夫なのかという疑問はあります。


■デフレ
我々消費者から見るとものの値段が下がって、
買いやすいという気がするデフレも懸案材料の一つです。

デフレの原因には「不景気なので買いたくない」ということがあります。
とりあえず好転するまで買うのを控えるということで、
需要があっという間に数十%も落ち込んでしまいました。

需要が落ち込んでも工場はなくなりません。
存続する限りは、工場はものを作り続けます。
ところが、ものを作り続けても不景気ですから買ってくれる人がいません。
そこで、買ってもらうために値段を下げざるをえません。
必要ないと言っているものを売っていくために、
値段を下げ続けていった結果がデフレになっているということです。
例えば、食料や洗剤、ティッシュペーパー、家電の値段はものすごい勢いで下がっています。
この価格下落は1年以上続いています。

需要が無いために、通常であれば売れる製品が売れていないため、
経済がそれなりに回復して、需要が回復してくるまでは、デフレもそう簡単にはなくなりません。
政府としては、デフレではなくインフレ1%位が好ましいということを、
日銀辺りがつぶやいているという状況です。


■金融
金融の面では緩和の期待というものもあります。
経済が過熱している時には、金利を上げて引き締めを行いますが、
今は過熱どころかどんどんと値段が下がっています。
そのため、金利を少し下げたらいいのでは、ということですが、
金利に関してはリーマンショックの前からずっとゼロ金利です。
これ以上下げて一体どうするの、という話です。

アメリカのリーマンショックの時に最重要の政策金利である、
フェデラル・ファンド金利を下げてきているというお話をいたしました。
これにより、アメリカでは政策金利が日本と変わらないくらいのゼロ金利になってしまいました。
2009年11月頃には、これまで日本の金利より高かったアメリカの金利が、
日本の金利を下回ってしまうという事件が起こりました。
その結果、「アメリカの銀行に預金するよりも、
日本の銀行に預金すればより高い金利がつく」とう話になって、
お金がドルから円に随分と移って円高になりました。

アメリカと日本を比べると、アメリカの金利はゼロ金利を長期化させまいという動きもあり、
多少円高修正が起こりましたが、日本はデフレの状況にあるため、
また円が上がっていく可能性もないとはいえません。


■雇用
好況、不況を最も体現しているのは失業率です。
皆が働いているという時は、好況の感じがします。
ところが働きたいのに働けない、仕事がない、
という失業している人たちが巷にあふれてくると、大変だという話になってきます。
リーマンショック以降、商品が売れなくなったため、
設備投資も人員も削減するという企業が出てきました。

人員削減については、雇い止めや、
一時的に雇用していた人も解雇するという状況が山のように起こりました。
こういった働いている人たちにとって大きく関わってくるのが、給料の額です。
給与を増額させるには、ベースアップと定期昇給の2つの方法があります。

定期昇給というのは年齢や勤続年数、資格等に応じて、
決まっているテーブルの中の位置が上がっていくというものです。

一方、ベースアップというのは、全体のテーブルのレベルが上がっていくものです。
この場合、新入社員の給与は入る時から上がっていくということになります。

2009年は、定期昇給は凍結だということで1年間勤めたのに給料が上がらないという状況でしたが、
今年は定期昇給をする企業が増えてきました。
そのため、去年よりは少し上向いているといえます。
ベースアップについてはまだ上げようという動きはありません。
労働組合側も雇用が落ち込んでいるという景気の現状をみると、
賃上げよりも雇用の確保を優先するということでしょう。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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