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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 『広がる東アジアの産業連携』出版紹介 (中国経済と産業/国吉 澄夫)

『広がる東アジアの産業連携』出版紹介 (中国経済と産業/国吉 澄夫)

10/04/28

■日中韓シンポジウムの成果
この4月に、『広がる東アジアの産業連携』という題名で本を出版いたしました。
副題は「グレーター・チャイナのダイナミズムと連携の力」となっております。

この放送でも時々出てくる「グレーター・チャイナ」という言葉ですが、
これは日本語風に言うと「大中華圏」という意味になります。
とはいうもののやはり、「大中華圏」よりも、
「グレーター・チャイナ」という言葉の方がより国際的な印象を受けます。

この本の編集者は私と中国社会科学院の張季風氏です。
昨年11月30日放送分でもご紹介しましたが、
昨年10月にアジア総合政策センター主催で、
福岡で日中韓のシンポジウムが開催されました。
この会議で私は産業連携分科会をコーディネートしましたが、
そこでの議論の内容をまとめたものがこの本になります。
このアジア総合政策センターの日中韓シンポジウムは、
これまで前後4回開催されてきました。
その内容を、「東アジア地域連携シリーズ」ということで、
全5巻で出版しようということで、計画しており、
今回の出版はその第1巻にあたります。

この本の大きなテーマとして「産業連携」があげられます。
現在、東アジア内では産業のサプライチェーンが拡大しています。
このサプライチェーンの中で、単にものが広がる、
あるいは資本が広がるというだけではなく、
それを支えていくマネジメントや、
あるいは人々の価値観といったものをどうやってつなげていくか、
そういう視点から「産業連携」というタイトルになっています。


■この本のねらい
1990年代の後半以降、中国経済の台頭とともに、
東アジア経済のグローバル化が進行していきました。
これによって、国境を越えて企業と企業や産業と産業が供給連鎖、
つまりサプライチェーンを強めていきます。

この本では、サプライチェーンが肥大化する中で、
それを支える産業や企業のマネジメントの価値観は共有されているのかということについて、
「産業連携」という視点からそれを支える価値観を掘り起こしています。
さらに、ビジネス人材をどのように形作っていくべきなのか、ということについても発展させています。

そして、執筆者のほぼ全員の方々がビジネスの実践との接点を持ってらっしゃいます。
それぞれ経験をお持ちで、そこからテーマに切り込んでいます。
そういう意味では、アジア、中国とのビジネスを目指すビジネスパーソンの方には、
非常に読んでいただきたい内容になっています。


■内容と執筆陣について
この本の、第1章は私が執筆しております。
13億人の巨大市場という中国ですが、対中事業も新たな段階を迎えているということから、
東アジアの産業連携とCSR(Corporate Social Responsibility: 企業の社会的責任)という価値観から、
東アジアの連携をみています。

第2章は、中国社会科学院の張季風氏が担当しています。
張さんは、ホンダの工場に研修生を引き連れて長期滞在したことのある方で、
日本や中国の自動車産業に非常によく通じています。
トヨタや日産、ホンダが広州に集まったということで、
広州にて花開いている自動車産業の集積と連携の力という視点で第2章を書いています。

それから第3章は浦上清氏が執筆されています。
ここでは、グレーター・チャイナの躍動と、
連携したアジアの世紀のビジネスイノベーションをどうするべきか、ということを扱っています。
浦上氏は、日立アジア(香港)の元社長で、香港から中国をどんどん攻めていたということで、
アジアビジネスについて豊富な経験をお持ちです。
現在は東京でITビジネスの関係のNPO法人の理事長をされております。

第4章は、このコーナーでもお馴染みの久留米大学の永池克明教授が担当されています。
永池教授は、九州大学のビジネススクールが起点になっていますアイケーブ(International
Consortium of Asian Business Education, ICABE: アジアビジネス教育国際コンソーシアム)の
生みの親で、垂直統合から水平分業へ移行する東アジアのビジネスの流れの中で、
連携を担う国際ビジネス人材をどのように育成するのか、という視点で書いていただいています。

第5章は韓国の永進専門大学副教授の銭相杓氏に書いていただきました。
韓国人材の高度化の源泉ということを考えると、
銭氏が所属されている永進専門大学が始めた「注文式教育」が韓国で注目されています。
2009年4月2日や2009年5月6日の放送でご紹介しましたが、
グローバル人材がここでどんどん育っています。
これがある意味では、韓国の今のパワーの源泉となっているということがいえるかもしれません。

最後の第6章は、東京の中国大使館に、
中国社会科学院から出向されている李春光氏にお願いしました。
李氏は弁護士の資格を持っており、日本の企業の中国ビジネスの様々なトラブルをよくご存知です。
企業文化やお互いの文化に対する理解が大事だと言っています。
そういう視点から、日本の企業の人材活用は弱い言葉だけでは駄目で、
もっと企業文化の分かる人材を育成しなければ駄目だ、ということを言われています。


■「連携」のもつ意味
この「連携」という言葉は色々なところで使われていますが、
1人では出来ない、あるいは1社では出来ないようなことも、
多くの人や組織とつながっていくと出来るようになる、
こういう体制を相互に東アジアのビジネスの中に作り上げていこうということで、
この本の中では「連携」を用いております。
本の値段は税込みで1890円ですが、それだけの価値はあると思います。

東アジアの産業連携と国境を越えた連携にとって非常に意味あるものとして、
是非皆さんご一読ください。

分野: 国吉澄夫教授 |スピーカー:

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