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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > ストレスとその対処(2) (社会心理・組織心理/藤村まこと)

ストレスとその対処(2) (社会心理・組織心理/藤村まこと)

10/03/23

■ストレスとは
仕事の要求など
個人の外側のストレッサーから与えられる外圧に対して、
個人に生じる変化のことをストレス反応といいます。
心理的なストレスを理解する上では、
出来事に対するふたつ評価が重要と言われています。

ある出来事、例えば、
“試験がある”とか“仕事を任された”ことに対して
まずその出来事が自分にとって脅威、或いは大事かどうか
ということを人は評価します。
そして、「大事である」とすれば、
英語ではコーピング(Coping)といいますが、
その出来事に対して自分が対処できるかどうかを評価します。
これがふたつめの評価です。
このふたつめの評価で、「対処できない」と思うと、
ストレス反応が生じる、と言われています。

■ストレスと上手く付き合うには
ストレスには、有害なものもありますが、
ある程度のストレスは個人の成長に必要です。
ストレスが無くなるということは、
それはそれで成長の機会がなくなるとも考えられます。
しかし、あまりに過度なストレスは
精神の健康を脅かすのでよくはないですね。
そこで、ストレスをなくすことは無理でも、
うまく付き合っていくことが
現代社会ではとても大事なことだと思います。
そのために、「対処行動(コーピング)」を上手に行うこと、
対処するための資源を増やしておくことが
ストレスとうまく付き合う1つの方法です。

ここではいくつかの対処行動の例を紹介します。

1)直接的な問題解決
例えば、試験を嫌だと思っても向かっていく、
できないと思うけど、努力を続けるといった、
直接的な問題解決をする対処行動があります。

2)サポート希求
それ以外にも自分自身で直接解決できなければ、
誰かにサポートしてもらう、助けを求めるという対処行動があります。
つい自分で抱え過ぎて失敗してしまうことがありますが
上手に助けてもらうことも対処行動のひとつです。

3)逃避や回避
ストレスを感じさせる出来事から、
逃避もしくは回避してしまうことも自分を守る1つの方法ではあります。
「あきらめ」というとネガティブな言葉のように聞こえますが、
ストレッサーから距離を置いたり、
自分には無理と諦めるのも1つの解決策だと思います。

4)気分転換
また、気分転換もよくあるストレスの対処行動です。
皆さん、よく使っていらっしゃるかもしれないですね。

5)肯定的な考え方をする
加えて、肯定的な考え方をする、
思考方法を変えるということもあります。
嫌だなと思っても、これをクリアすれば、
自分が成長するかもしれない、訓練の機会かもしれないと
見方を変えるのも、ストレス反応を和らげる1つの方法だといわれています。

運動の筋力トレーニングでは、
ある程度の負荷を身体にかけて、
その後、成長する、筋力が付くということがあります。
人間自身も、そういう部分があるのかもしれません。

■ソーシャル・サポートを活用する
先ほど、いろいろな対処行動を紹介しました。
そして、人には自分が取りやすい対処行動があると言われています。
ストレスと上手く付き合うには、
ストレスに対していつも取りがちな自分の対処行動を知って、
その上で、他にも取り得る対処行動があることを知ると良いですね。

個人的な経験での話ですが、
ストレスを感じる問題を1人で解決できることは望ましいのですね。
しかし、それが出来ないから
困っているのだろうなと思うときがあります。
必ず、問題を1人で解決する必要はなくて、
周りからサポートを受けて問題を解決していく方法を知るのも
大事なことかと思います。

それに関連して、「ソーシャル・サポート」という言葉があります。
職場の人間関係、家庭、友人、専門家など、
人を通して何らかのサポートを得ること、です。
ソーシャル・サポートを活用する人は、
ストレスに対して強い、
正確にはストレスの影響を少なくすることができるという
研究が心理学でなされています。
ソーシャル・サポートについては、
個人がどのようにそれを入手しているのか、
言いかえれば、周りの人がどう提供しているのかという
2つの方向性で考えられます。
自分だけで抱えて、辛い状況のままでいるより、
周りにいる人達にいろいろなアドバイスやサポートをもらうのは
ストレスと付き合う上で大事です。

では、ソーシャル・サポートでは
具体的にどのようなサポートがなされるのでしょうか。
分類の仕方はいくつかあるのですが、
ひとつの分類の仕方として、
ひとつには、「道具的サポート」があります。
これは、どうすればいいか分からないときに
具体的な解決策を教えてもらうというサポートです。
もちろん方法論のような知恵だけではなく、
モノやヒトを借りるなど、問題解決に必要な「道具」になるものを
サポートしてもらうという意味です。

ふたつめは、「情緒的サポート」です。
話を聞いてもらうだけでストレス反応が減ることもありますよね。
困っているとか、不安であるといった気持ちを
聞いてもらったり共感してもらうような
情緒的なサポートもソーシャル・ポートのひとつです。

最近は、企業でもメンタルヘルスを考慮する仕組み作りを
整えているところが増えています。
その背景には、ここ数年で
労災認定される精神疾患の件数が増えていて、
職場でも従業員の精神健康やストレスに
注意を払う必要性が認識されているからでしょう。
ソーシャル・サポートは、
家庭や友人関係のネットワークでも提供できますが、
職場でも提供できるものです。
周りの同僚や上司からサポートを得る、
或いは職場の中に心の専門家をおくという対応も
今後は増えていくのかと思います。

■参考文献
坂野雄二(監修)・嶋田洋徳 ・鈴木伸一 2004 学校、職場、地域におけるストレスマネジメント実践マニュアル 北大路書房
浦 光博 1992 支えあう人と人―ソーシャル・サポートの社会心理学 (セレクション社会心理学 (8)) サイエンス社

分野: 藤村まこと講師 |スピーカー:

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