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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > カーシェアリング事情②(マーケティング/高橋 幸夫)

カーシェアリング事情②(マーケティング/高橋 幸夫)

10/03/10

前回は、カーシェアリングの仕組み、特徴、利用コストなどお話ししました。
今回は、カーシェアリングの国内市場・企業動向についてお話します。


■国内カーシェアリング市場の動向

2009年の国内カーシェアリング登録会員数は、10,000人の大台を突破し、
前年2008年からほぼ倍増の約12,000人と推計され、
また、国内カーシェアリング車両数についても約1,000台を超す状況となっている
とお話ししましたが、2013年には、登録会員数50,000人、車両台数2,500台まで
拡大すると予測されていますし、5年後の2015年には登録車両台数が
一気に4倍の10,000台以上の規模に拡大するという試算もあります。
2008年度市場規模は推計約20億円で、
2009年度で約50億円と推計されています。
他の自動車アフターマーケット市場と比較して、現在は
小規模な市場ですが今後拡大が期待される市場です。


■参入企業の動向

現在、レンタカー大手や自動車メーカーグループ、中古自動車販売大手、
商社など国内企業20社以上が市場参入しており、駐車場確保に
優位な一部の大手事業者が市場拡大をけん引しています。
国内駐車場大手のパーク24は、自動車メーカー系レンタカー会社を
子会社化して、自社の稼働率の落ちた駐車場を活用し、景気悪化を受けて、
節約志向を強める個人や企業の需要を開拓し、5年後には全国の
主要都市に4,000台を配置し国内首位を目指すとしています。
また、現在最大手のオリックス自動車は、3年後に2,000台配置目標、
三井物産は、5年以内に1,000台を国内配置する計画です。

新しい動きとしては、トヨタレンタリースが中古車を活用した
格安な事業展開を始めました。
1時間当たりの利用料金を従来の半額程度で提供しようというものです。
従来3年間使用後中古車事業者に売却していたレンタカーを
資産として有効活用するものです。
また外資系企業でもフォルクスワーゲングループが
国内不動産会社と手を組み事業参入しています。
今は小規模ですが、このように将来的な市場で優位な立場を
固めるための先行投資として積極的に事業参入している企業が
多いのですが、その反面、事業性、収益性が不透明な中で
参入している事業者も少なくないと思われます。


■市場拡大の原動力

この市場の拡大の原動力の一つは、貸駐車場への
カーシェアリングサービス拠点、ステーションの設置があげられます。
カーシェアリング事業展開における最大の課題として考えられるのは、
車両の保管場所・提供場所となるステーションの確保にあるといえます。
ステーションの立地については、公共交通機関と連携した
相互利用も視野に入れると公共交通機関が発達した都市部や
駅周辺が望ましいと思われます。
すでに広域をカバーする自社で100以上のステーションを
保有する事業者と地域コミュニティを中心とした小規模事業者という、
早くも2極化の現象が現れています。


■将来予測と課題

今後も貸駐車場を中心にステーション数の拡大とともに
市場規模は拡大すると予想されます。
ステーションは資金を投入すれば拡大は可能ですが、
今後の課題としては、ステーション周辺の顧客を
いかに確保するかということ重要です。
世界最大手のアメリカのジップカーは、所有よりも共有が
「Fun, Youthful, Hip 楽しい、若々しい、カッコイイ」
というキャッチコピーを用い、全米で25万人の会員を獲得しました。
利用者は大半が35歳未満です。
100か所以上の大学にサービス拠点があり、
6000台以上の自動車が配置されているそうです。
大学生で車を持つということはなかなか出来ないので、
学生たちは、買い物、デートにと使い分けています。
このような展開は、日本でも活用可能だと思います。

もうひとつ重要なことは、低価格化です。
前回お話ししたように、現状の料金体系ですと
長時間の利用では割高になってしまいます。
カーシェアリングの収益ラインといわれる1台当たりの
登録会員数20人を早期に達成しつつ、低料金化への挑戦が
カーシェアリング事業者にとっての命題といえるようです。
これが達成できなければ撤退や事業者統合が進み、
集約化されてしまうでしょう。


■課題への方策

市場の拡大を加速させるには網羅的ともいえる
ステーション展開が必要ですが、事業者のみの展開では
限界があり、現実的ではないと考えます。
カーシェアリングが、公共性が高くて利便性のある交通手段として
認知されること、ステーション設置については自治体・地域団体などとの
協力・連携を進めることが重要であると思います。
環境的な効果が期待されるカーシェアリングですが、それだけではなく、
都市型の新しい交通システムとして車両の減少に伴う道路混雑の緩和や
駐車場などの有効活用といった総合的な、社会的貢献度の高さをアピールし、
カーシェアリングの認知度を向上させる取り組みが必要とされていると思います。
実際にカーシェアリングを利用するコミュニティ、地域の人たちに
認知されるような、地域密着な展開が必要だと思います。

分野: 高橋幸夫助教 |スピーカー:

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