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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > カーシェアリング事情①(マーケティング/高橋 幸夫)

カーシェアリング事情①(マーケティング/高橋 幸夫)

10/03/09

今まで国内自動車アフターマーケット市場の概況と、
アフターマーケットを構成する各市場、中古車、
レンタカー市場、リサイクル市場などを見てきましたが、
今朝は、近年注目されているカーシェアリングについてお話をしたいと思います。


■カーシェアリングについて

カーシェアリングとは、予め登録された会員の間でクルマを
共同利用するシステムで、市街地の交通混雑緩和策として
1980年代後半にヨーロッパのスイスで始まったとされています。
現在スイスでは、登録会員数は約9万人で、
これは全人口の約1.1%が利用していることになります。
また、現在では、アメリカでも広く普及しており、2009年で
車両数約7千台、登録会員数は約30万人に達しています。
ほか、ドイツ、イギリス、カナダなどで普及しています。
日本では、1990年代に実験的にスタートし、
2000年代に入って本格的に始まったとされています。
日本国内の登録会員数を見てみますと、2009年の
国内カーシェアリング登録会員数は、1万人の大台を突破し、
前年2008年からほぼ倍増の約1万2千人と推計されます。
また、国内カーシェアリング車両数についても
約1千台を超す状況となっています。


■カーシェアリングの仕組み

カーシェアリングの仕組みは、利用者は自ら自動車を所有せず、
管理団体の会員となり、必要な時にその団体の自動車を借りる
という、会員制レンタカーのようなものです。
カーシェアリングは英語の語源から「相乗り」と混同される場合が
ありますが、基本的には会員が 1台の自動車を時間分割で
利用するもので、相乗りとは異なります。


■カーシェアリングの特徴

特徴は大きく4つあげることができます。

①会員制であること
ある地域に限定したコミュニティの中で、会員同士で自動車を共同利用します。

②短時間の利用が可能あること
レンタカーは、通常、短くても 6時間が最低貸出し時間ですが、
カーシェアリングの場合は15―30分からでも借りることが出来ます。

③無人での貸出し・返却が原則であること
IT技術を利用しているため、インターネットを通じて利用予約し、
車の利用状態も管理センターにて自動的に把握できますから
貸出し手続きに時間を要しません。

④貸出し・返却場所の利便性が良いこと
貸出し・返却場所は住んでいるマンションの駐車場、通勤駅の近くなど
会員が利用するのに便利な場所に設定されます。

カーシェアリングステーションは、大都市圏では大分増えてきていて、
福岡県内では福岡市、北九州市に結構増えてきています。
やはり大都市を中心にして少しずつ地方の都市にも広がってきている状況です。


■利用コスト

住宅に次ぐ高額商品ともいえる自動車は、「所有」するとなると、
購入はもちろん、維持や利用にもさまざまな費用がかかり、
不況下で厳しさを増す家計にとって重荷になっています。
自動車の「所有」にこだわらない人を中心に急速に広がっているのが
カーシェアリングです。1時間未満の短時間や深夜にも利用できます。
例としてですが、必要なコストとして入会金、月会費、利用料金、
これは事業者によって違いますが、最初30分までいくら、
以降90分ごとにいくらという料金設定が多いようです。


■新車購入などとのコスト比較

また、新車購入、個人リース(残価設定型ローン)、レンタカー、
カーシェアリングという4つの「所有」と「利用」の仕方で3年間の
総支出を比較した資料によると、所与の条件設定はあるのですが、
月20時間、400キロ程度まではカーシェアリングはコスト的に
一番優位であり、一番コストがかかる新車購入の約250万円に対し、
カーシェアリングの場合は3年間で100万円弱という試算が出ています。
一方、月40時間、800キロになるとレンタカーがカーシェアリングよりも
コスト的に優位になっています。例えば、10キロ離れたところに
毎朝車を使って通勤するというのを月~金で続けるとすると、
明らか新車購入した方がいいということになります。

カーシェアリングは、現状では大都市圏でしか普及していませんが、
短時間利用、用途によっては非常に有用なシステムであると思います。
フランスの経済学者のジャック・アタリ氏はその著者「所有の歴史」のなかで
「中産階級の人々にとって自動車を所有することが能力の証だった」
との指摘をしています。そして豊かさを手に入れた後は
「所有より効用が重要になる」との指摘もあります。
カーシェアリングは、「所有より共有の効用」を実現する
システムの一つといえるようです。

分野: 高橋幸夫助教 |スピーカー:

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