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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > イギリス鉄道の異文化体験(異文化コミュニケーション/鈴木右文)

イギリス鉄道の異文化体験(異文化コミュニケーション/鈴木右文)

10/02/16

今日はイギリスの鉄道の異文化体験の話です。

日本と随分違うということを出来るだけ
多く紹介したいと思っています。
まず、イギリスの鉄道というと、少しでもご存知の方は、
日本の鉄道に比べて非常に遅れたり、
こんないい加減なということで、
驚いて帰って来られる方が多いのです。
鉄道ジャーナルという本があり、
その統計を僕も勉強したことがありますが、
向こうでは遅れるという定義を、近郊列車では10分以上、
長距離列車では20分以上遅れた場合を遅れとして
統計をとっているらしいのですが、
遅れる確率は7分の1という統計があります。
ですから旅行する時は、日本だと例えば、
特急が着いてそこから5分差で
ローカル列車に乗り継ぎというと、
これは乗り継げると皆さん普通思います。
けれどもイギリスに行くと、列車が時間通り、
長距離列車が時間通りに着くことは
まず誰も期待してないです。
もちろん時間通りに着くことも多いわけですが。
7分の1の確率があるので、何て遅れるんだいう印象を
皆さんが持つわけです。

日本では乗り継ぎで、前の列車が遅れている場合は
それを待ってから出発することがあります。
イギリスでは接続をとってもらえなかったケースに出くわして、
あんぐりと口を開けてしまいました。
1時間に1本しか長距離列車が通らないような駅で、
そこから枝線が出ていて、その枝線も1時間に1本で、
時刻表上でいうと5分か6分位の乗り継ぎで
我々日本人から見ると接続するように見えるのです。
ところが、特急列車にあたる列車が7分位遅れて、
接続列車が待ってるだろうなと期待してホームに降りると、
乗り継ぐはずの列車が向かい側にいないわけです。
おかしいなと思って彼方の方を見ると、
何百メートルか先を数分前に出発したローカル列車が
走り去っているのが見えるのです。
つまり接続をとらずに時刻が来たら、
接続列車が発車してしまったということなのですが、
これには目が点になりました。
さすがにその後1時間待たされて次の列車に乗せられた時は、
接続を待っていた他のお客さんも、ああ疲れたという感じでした。
イギリスの方は、日本人と違い、こういうケースが起きた時に、
責任者出て来いというような騒ぎ方はしないです。
非常に不思議です。

大体、サービス産業自体、お客さまが神様です
というような感覚が日本に比べると
多分薄いのではないかという気がします。
例えば、スーパーマーケットの対応とか
デパートの店員さんを見てもそうです。
あまり、かしこまりました、どうもいらっしゃいまして、
というような感じはしないのですが、
それがもろに鉄道にも出ている感じがします。

遅れはざらにありますが、突然の運休などもあります。
ある列車に乗ろうとして、ある駅のホームへ行きます。
何時何分の列車と電光掲示板に案内がパッと出ます。
それを読んでいくと、最後にcancelled、
運休だと書いてあるのですが、その後に、due to personal shortage、
つまり配置人員が足りなくなったから運休ということなのです。
日本ではあり得ないでしょうが、運転したかったのだけど
運転手足りないから今日はごめんねということなのです。
これは向こうではあり得るのですが、びっくりします。

電車に乗る際のマナーでいうと、例えば日本だと、
指定席だけど空いているからちょっと座ってみようかというと、
すぐに車掌さんが来て、プラス料金頂きますということがあります。
それも向こうではかなりいい加減です。
基礎知識として、向こうでは指定席車両・自由席車両は、
車両毎の区別はなく、指定を取りたい場合は座席を買います。
その買った座席には札が差されて、ここは指定されたというふうに、
reservedという札が立てかけてあるか、最近は電光掲示板のこともあります。
もし指定する人でいっぱいになるとその列車は満員になって、
あとは立つしかないという形になるのですが、
ただその場合に、指定席券を確保していても安全ではなく、
ダブルブッキングも多いのです。
つまり同じ券番、座席の番号の指定券を持っている同士が、
ぶつかり合うなんてことも稀にあります。

最近はそうでもないのかもしれませんが、
私も随分昔に出会くわしたことあります。
よくあるケースは、自分は正当な指定席券を持っているのに
指定席券を持っていない人が座っていて、
その人に、すみません、この席私のなんですけど、
と言った時に、周りに席が空いていると、
僕が現にここに座っている、あそこが空いているから
あっちに座ってというふうにお客さんが言うのです。
まだ慣れない頃に、ちょっとカチンときて、
通りかかった車掌さんに事情を説明したら、
そこ空いているから座ればいいと案内されることがあって
目が点になりました。指定の意味がないものの、
座れたから文句言わなかったのですが、
もし他に座るところがなかったら
一体どういうことになるのだろうって、
まだそういうケースまでは出会ったことがないのですが。
これは何かあってもいちいち怒っていたらしょうがないと思って、
何か心が穏やかになる面もありますね。

これも数年前の話だから、もしかしたら最近は違うかもしれませんが、
出札窓口の近く、ホームの上、電車の中など駅の中にある、
色々な時計の時刻は、ずれているのがざらなのです。
普通鉄道、鉄道マンって日本でいうと、
朝出勤したら自分の時計の時刻を1秒単位まできちっと合わせて、
それから各持ち場に向かうというのが常識です。
それが、駅の時計からして狂っているということが
あるのですから、ちょっと話になりません。

イギリスの鉄道の悪いところばかりが出てきてしまいましたが、
最後にいいところをお話ししましょう。
先程申し上げたように、指定席・自由席という席単位で
区別があり車両単位の区別ではないので、
指定席券が欲しければ列車いっぱいまで取れるわけです。
ですから比較的指定席券が取りやすいので、
我々観光旅行者にとっては便利です。

分野: 鈴木右文准教授 |スピーカー:

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