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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 新興国主導の世界経済 (国際企業戦略論/永池 克明)

新興国主導の世界経済 (国際企業戦略論/永池 克明)

10/02/10

昨年末から今年にかけて色々な統計やニュースで報道されていますが、
2010年を境目にしてこれまでの欧米主導型の経済から、
アジア主導の世界経済に変わっていくのではないかと考えられます。
特に中国やインドといったところが、2つのエンジンになりそうです。

今日は、この世界経済のうねりについてお話しします。


■統計でみる世界経済
最近発表された国際通貨基金(IMF)の『2010年世界経済見通し』によると、
経済成長率は世界全体で3.1%程度伸びるということで、
2008年のリーマンショック以降少しずつ回復過程にあります。

その3.1%のうち、アメリカが1.5%、ユーロ圏が0.3%、
日本が1.7%ということで、少し高いという感じはします。

それに対して、中国が9.0%、インドが6.4%ということで、
新興国でありBRICsの一角であるこの二国が、
成長率で日、米、欧を上回るということになっています。

また、アジア中心の数値になりますがアジア開発銀行は、
経済成長率を東アジア全体(中韓台香)で7.3%、
東南アジアで4.5%、そしてインドで7.0%と発表しています。

やはり、軒並みアジア各国の経済成長率が高いと予測しています。


■中国の経済成長
今年に入ってから判明した2009年の輸出総額では、中国がドイツを抜き1位となりました。

遂に中国が世界1位という座についたということで、非常に歴史的な数字だと思います。
その他にも様々な数値で中国が世界1位となったということが昨年末から続々と発表されています。
自動車の生産台数やその販売台数、携帯電話の保有台数に鉄鋼の生産高がその一例です。
また家電市場でもアメリカと並んだというように、このような記事が目白押しになっています。

今年はそれに加えてGDPで中国が日本を抜き、世界第2位に躍り出る見込みです。

ここ数年はいずれ中国がGDPで日本を抜くという話がありましたが、
それより昔にはまさかこのような時が来るとは思われていませんでした。

これもまた1つ歴史的な年だといえます。


■インドの経済成長
そしてもう1つの注目の国、インドも中国と同様に著しい成長をみせています。

特に自動車、鉄鋼産業や携帯電話という分野で目覚しい発展を遂げています。
最近のインド政府、正確にいうと電気通信規制庁の発表によると、
インドの携帯電話加入件数は2009年11月時点で5億600万件となっています。
驚くべきことに、この加入件数は7ヶ月前の2009年4月には4億件でした。
たった7ヶ月で1億件以上増えたということになります。
人口でのポテンシャルは、こういうところにも出てくるのでしょう。
インドの加入件数というのは、中国に次いで第2位ですが、一ヶ月の伸びではもちろん世界1位です。

また、インドの自動車業界に目を向けると、色々な国の企業がインド市場に参入しています。
インドの自動車市場については、これまでもこの番組で何回か紹介しています。
2010年1月5日にニューデリーでインドの自動車ショー「デリーオートエクスポ」が開幕しました。
ここで満を持して世界の自動車各社は続々と新型の、特に小型車を発表しました。
例えば、トヨタは排気量1200ccのコンセプトカーを世界で初めて公開しました。
ホンダも100万円を下回る新型小型車を導入すると発表しましたし、
フォルクスワーゲンも新型車の投入を急いでいるようです。

以前紹介しましたが、インドで自動車シェア5割近くを占めるスズキも、
インド専用に開発した新型のMPV(Multi Purpose Vehicle:多目的車)のコンプセトカーを発表しました。

このように、スズキは更にインドでの地位の確保を狙っているとみられます。


■日本経済の牽引役としてのアジア
インド市場は中国市場に次いで大きくなっているといえます。
少し前までは、日本経済はアジア経済の牽引役となっていました。
しかし最近は、先進国の経済が非常に低迷しているということもあり、
まさに日本の経済をむしろアジアが引っ張っていると言っても過言ではないと思います。

これから先、日本とアジアの関係は明らかに変わっていくでしょうが、
今回は、まず日本経済を引っ張る主役がどこかということだけお話しておきたいと思います。

1つはよく言われていることですが、いわゆるBRICs諸国です。
特にインド、そして中国、これらの国々の中間層(ボリュームゾーン)が、現在約8億8千万人います。
この中間層は、年間の可処分所得が、5千ドルから3万5千ドルとやや幅の広い層ですが、
そういった人たちが現在の8億8千万人から10年後には14億人位になると予測されています。

日本企業の収益の基盤はまさに中間層にありますが、
どのように中間層の人々を引き付ける商品を供給していくか、ということが当然問題となってきます。

この日本企業の製品戦略については、次回詳しくお話しします。

分野: 永池克明教授 |スピーカー:

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