QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

過去の記事詳細

QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > ブランドの歴史2 (マーケティング/出頭則行)

ブランドの歴史2 (マーケティング/出頭則行)

10/01/13

昨日に続きブランドの歴史についてですが、
今日は1991年からの比較的最近の話をしましょう。
1991年から2005年はバブルが破裂して
景気の長期低迷、デフレスパイラルが始まりました。
それがずっと続いていて、
実は20年位日本は低迷しています。

景気の長期低迷の中で、市場原理主義に
任せていいのかということが
しきりに語られ始めています。
会社は誰のものかとか、
市場の自律性に頼ることができるのか
ということも言われ始めました。

デフレスパイラルが起こり、
安売りが頻繁に行われました。
低価格競争が行われていくと
日本の企業の収益が本当に落ちていきます。
落下傘のように落ちていくというような中で、
日本型経営に対する反省も起こりました。
その中で最たるものは、日本型経営の
最強のモデル「良いものを安く」です。
良いものを安くすれば皆幸せになるだろう、
海外にそのような商品を持って行けば喜ばれ、
従ってシェアを取れるだろうということです。
シェアを取れれば、それなりに会社が
繁栄していくだろうということです。
一種のシェア主義に基づく、
良い物を安くというモデルは
本当に企業に繁栄をもたらすのか?
安売り企業の多くが停滞から抜け出せず、
むしろデフレ傾向を加速させました。

一方、強いブランドというのは
デフレにも負けずにプライスプレミアムを
享受しているし、値下げ競争に
巻き込まれていません。
強いブランドを持つ企業は強いのです。
2003年奥田さんが経団連の会長の時に、
ブランド経営ということを言います。

端的に言うと、良い物を適切な値段で
売るべきということです。
良い物を叩き売るような経営からは
脱却すべきという宣言でした。
しかしデフレは続いていて、ブランド経営と
声高に語られるものの日本企業は
なかなか光を見出せずにいるのです。

2006年以降も同じくデフレは続いていて、
地球温暖化問題が国際政治化してきました。
そのような中でリーマンショックが起こりました。
これは大変な事件で、市場への信用を一気に
取り払ってしまった感があります。
市場自身には自律性はなく、
政府・行政が市場をある程度統制するのは
当然とする考えがコンセンサスとなりました。
この頃のキーワードは持続的成長であり、
CSRつまり企業が社会的責任を果たすことであり、
企業の正しい統治、ガバナンスです。

リーマンショックで日本のバブル型
ライフスタイル消費は消滅しました。
夢を買うとかライフスタイルを買うということが、
壊滅的な影響を受けています。

同じく低価格競争は続いていて、
今躍進している企業は、ユニクロ、
しまむら、無印良品などです。
ユニクロの特徴は、モードなきモード、流行なき流行、
トレンドなきトレンドということでしょう。
しまむらも同様で、ブランドから我々が
想起していたものと違うブランド像が
立ち現れてきています。
無印はまさしくブランドなきブランドです。
これらブランドに共通するものは、
彼らは自分達がベストとは
言っていないことです。
むしろ、自分達のブランドは世の中に合致した
「適切」な存在ですと言っているのです。
かつてのブランドは最高・最強・ベストを
訴求したのですが、持続的成長だとか
有限資源と言われる時代に、企業や事業、
ブランドに求められるのは
この「適切さ」なのかもしれません。

従来ブランドは差別優位性に対して
プライスプレミアムを取るもの、
という定義だったですが、
リーマンショック後の新しい時代には
ブランドの定義も再考が
求められているかもしれません。
この長いデフレが終わった時には
違ったブランドの世界が
立ち現れてくるような予感がします。

分野: 出頭則行教授 |スピーカー:

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ