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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > ブランドの歴史1 (マーケティング/出頭則行)

ブランドの歴史1 (マーケティング/出頭則行)

10/01/12

今日と明日でマーケティングの観点から
戦後日本のブランドの歴史について、
お話ししたいと思っています。

ブランドのもともとの意味は焼き印です。
燃やすという意味のburnという英語がありますが、
それと同じ語源で、焼きごてで記した印というのが
ブランドの原義です。
なぜなら、牛飼いとか羊飼いは、
自分の羊や牛を識別するため、
自分の所有であることをはっきりさせるため、
焼きごてで自分のマークを付けたのです。
それがブランドの語源で、転じて今では
商品名、企業名、商標、ロゴマークのことを
示している言葉なのです。
ところが1980年代の後半位から、
マーケティング的に特別な意味を持つようになりました。

ブランドというのは、オリジナルな意味では
所有の印・識別の印なのですが、
ブランドは差別化の証であり、
その差別化によってもたらされた優位性で
プライスプレミアムを取れるというわけです。
強いブランドは高く売れるということです。
強いブランドを持っている企業は強い
ということが認識され始めて、
マーケティング上重要なブランド論が
展開されたのが、この30年位なのです。

したがって供給が需要を下回っている終戦直後は、
マーケティングというようなことは余り言われませんでした。
物不足の時にはブランド意識も薄かったわけです。
1960年位まではブランドというより
売る店の格が商品の格だった時代がありました。
日本は贈与の伝統が強い国で、中元・歳暮の習慣も根強いのですが、
贈り物は昔デパートの包装紙で包むことが大事でした。
中身よりもデパートの包装紙ということからもわかるように、
物を売る店の格がその商品の格を示していることが
物不足の時代にはありましたが、
ブランドの意識そのものは希薄だったと思います。

1961年以降の高度成長時代には、
時の首相・池田勇人が所得倍増を唱えました。
大変に急拡大した時期で、10%を越える成長が
毎年続き昭和版「坂の上の雲」みたいな時代でした。
この時に大量生産・大量販売・大量消費が行われ、
「巨人・大鵬・卵焼き」と言う言葉がはやり、強いもの、
一番のものが良いと信じられていいました。
色んなブランドの中から選ぶという
時代ではなかったと思います。

76年以降というのは大変物が豊かになって、
供給が需要を上回るようになりました。
そうすると自然に物を選ぶようになります。
マーケティングが必要になってくる時代とも言えます。
この時代は団塊の世代が消費の主役になった時代でもあります。
団塊の世代が20代の後半にさしかかって、
自ら物を買うという時代になりました。
当時ヒットしたキャンペーンは、
山口百恵の「いい日旅立ち」、「自分探し」などです。

これには新しい時代の消費の姿が出ていて、
物が余り始め、消費の個性化或いは成熟化が進展する時代です。
そこでセグメンテーションが必要になってきます。
マスマーケティングの時代は大量生産、大量販売の時代でもありますが、
消費が成熟化、個性化すると、
どのように購入層をセグメントするかが重要となり、
セグメンテーションのマーケティングが行われました。
リーダーブランドもあれば、
チャレンジャーブランドもあり、
ニッチブランドもあるわけで、
消費者はブランドを選ぶことが可能になりました。
時代的には1976年から1985年です。

この時代はシェア争いも厳しかったのです。
一番有名なのは、HY戦争で、
Hはホンダ、Yはヤマハです。
これは50ccスクーターをめぐって、
リーダーになるべく戦い合ったことで、
スクーターの値段が自転車位になってしまい、
利益を出せなくなりました。
お互いからシェアを取り合うため、
勝ち残るために最後まで戦い合ったという、
シェア争いの厳しい時代でもありました。

1986年から90年代というのが、バブルの時代です。
バブルがはじけたのは1991年だと言われています。
デザイナーズブランドということが言われましたし、
一点豪華主義が流行っていました。
普段は慎ましく暮らしていても、
フランス料理をフルコースで食べるなどです。
同時に日本式経営が大変もてはやされた時代でもあります。
ジャパン アズ ナンバーワンだとか、
東京都だけで世界丸ごと土地が買えるだとか、
日本の企業がロックフェラー・センターを
買うというような時代でした。
この時代は、ライフスタイル消費といいますか、
自分の夢を買うような時代でした。
年収の何倍もの車を買う、1年間分のお小遣い相当の
フランスのバッグを買うということがありました。
従来飲み屋ではビールは勝手に出されたものでしたが、
この頃から自分のブランドというので、
ビールは何にしますかと聞かれるようになりました。
ビールドライ戦争もその時代の産物であり、
自分のブランドを意識し始めた時代だと思います。

分野: 出頭則行教授 |スピーカー:

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