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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 2010年世界の企業はどう変わる-その1 (経営学/久原正治)

2010年世界の企業はどう変わる-その1 (経営学/久原正治)

10/01/25

■2010年経済に回復の兆し-企業の危機から政府の危機へ
昨年来の膨大な政府の支出が功を奏して、
成長率が全般的に回復し始め、
株式市場が活発に値を上げてきて、
一応最悪期を脱したといえます。
世界的な貿易の動きも回復基調にあり、
明るい面がある程度出てきたと言えるでしょう。
企業が自立的に回復に入るかどうか
というところですが、難しい問題が2つあります。

1つは経済にはある程度回復の兆しがあるにもかかわらず、
雇用、失業率が全然回復しないことです。
企業は人を雇ってまで投資するというリスクがとれないので、
回復したら、とりあえず今までの要員でやるということです。
だからといって、政府がこれ以上お金を出すと、
世界的に今度は政府が不安定になる恐れがあります。
したがって失業率は今年回復しないのではないかと言われています。
従来は、企業あるいは金融機関が危機にあるということだったのですが、
今年は政府が危機に陥るのではないかということです。
特に財政支出を過大にやった国が直面する問題で、
それは非常にグローバルな政治と経済と金融を結ぶ
全体のシステムに問題が出てくる可能性があるということです。

■米国経済の問題
アメリカは、この10年ほど消費あるいは
住宅のブームで世界の経済を回していました。
アメリカ人が消費をするから、
アジア・日本・中国が輸出をしました。
一方アメリカ人の消費するお金は、
中国或いは日本からファイナンスを受けていました。
ところが、今回の危機で消費が落ちてしまいました。
さらに金融が信任を失ったことで、
ドルの信任の問題が出てきました。
そこでアメリカ自身が自信を失い、
世界のリーダーとして没落していくのではないか
ということが、このシステムの問題の根幹にあるわけです。
世界的にずっと低金利が続いていますが、
ちょっとしたきっかけで金利が上がると、
先にお話しした政府の破綻という可能性につながります。
多くの政府が借金でこの間のファイナンスをしているので、
政府の信用が難しくなってくるということです。
これまでは個人或いは企業の債務が
大きすぎてバブルになりましたが、
現在は政府の債務というのが
非常に問題になっているということです。

■エマージング経済の課題
昨年の特徴というのはG7からG20へと、
途上国に政治のパワーがシフトしていったわけですが、
経済を見てみると中国もインドも、
世界を引っ張っていける経済上の力があるかというと、
それにはまだ遠く及びません。
コペンハーゲン会議の問題でも分かったように、
中国は政治面でも途上国として行動しようとしており、
世界のリーダーという自覚ははなく、
自国通貨もなるべく安いままにしておきたいのです。
その様なわけで、世界が非常に不安定になっていることが、
途上国のパワーのシフトで問題になっているということです。
米中のG2という言葉もありますが、
中国自体がまだ様々な問題を抱えているし、
必ずしも中国人が皆金持ちになったわけではないので、
世界をリードすることは難しいという感じはあります。

■日本の課題
世界の中の日本となりますと、
一般に言われているのは、いわゆる失われた10年が、
日本の場合は失われた20年になったのではないか
ということです。つまり日本は沈みっぱなしで、
世界をリードする経済のパワーを無くしたと言うことです。
従来は自動車などが世界をリードしたわけですが、
現在の日本が新しいリーディング産業を
出せるかというところが問題です。
日本はグローバル化が難しく、
日本の中で東京だけがグローバル化して
地方は取り残されているという問題があります。
従来の輸出主導型の日本で製造した高品質のものを輸出して、
景気の回復をすることしかできず、
グローバルなマーケットに日本人が出て行って、
グローバルに活躍するという感じにはなっていません。
この2010年、おそらく世界的には景気は回復するでしょうが、
日本はこの失われた20年を続ける可能性が非常に強く、
しかも雇用の問題は残っていくでしょう。
雇用問題は、様々な他の問題にもつながっていきますから、
この問題への対応は日本にとって本年の課題になってきます。

分野: 久原正治教授 |スピーカー:

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