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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 2010年の世界の企業はどう変わる-その2 (経営学/久原正治)

2010年の世界の企業はどう変わる-その2 (経営学/久原正治)

10/01/26

■企業の利益追求の問題
2008年、2009年までの問題は、
企業が業績だけを追求していったことにあります。
いわゆる株主価値を上げるため、
一生懸命利益の追求をしていったのですが、
そこで企業が何かを忘れていて、
利益を追求するために高い借金を負い、
利益が出そうな分野では人を騙してでも
利益をとることになってしまい、
これが世界的な金融危機の1つの要因になったわけです。

その辺の見直しが、2010年の企業経営のポイントになってきます。
特に企業の価値は何かということが大事になっています。
では企業の価値とは一体どういうことかというと、
企業が提供する製品或いはサービスがお客さんに
どういう価値を与えるかということとと、
企業で働く従業員がどういう価値を生むかということです。
こういう価値を重視することが、今年の企業経営の
ポイントになると思います。

■企業の価値の追求
これまでの企業というのは従業員をコストとみて、
パート社員を増やし正規の社員は最低限にして
コストを削減していました。
そうすると企業全体で従業員の満足度、
従業員の価値が全体として減っていったと思われます。
ところが、この2、3年は業績を追求する一方、
価値は無視していたということです。
ところが実際には、利益は価値を追求した結果として
生まれるものであり、その結果として企業が
永続できるということなのです。
企業経営が悪くなったら人を切るということでは、
場当たり的なことになります。人の価値を高めることにより、
企業は本当にサステイナブル(sustainable)で、
永続的な経営ができるのです。企業が価値を生んでいる限りは、
お客さん従業員も付いてくるのですから、
結果として利益が出るから企業が永続できることになります。

企業の使命とか目的を明確にして、優れたリーダーがいて、
顧客に価値を生み出すような製品とサービスを提供して、
従業員の価値を満たすような組織で人材の養成をやっていくことが、
価値創造のために重要なことになってくるわけです。

■地域のファミリービジネスの見直し
今見直すべきなのは、日本のファミリービジネスです。
各地域で、企業によっては千年も続いているようなサステイナブルな企業ですねね。
これが、なぜ続いているかということを考えれば、
やっぱり地域社会に貢献したり地域の雇用に貢献したり、
お客さまが安心してこういう企業を信頼をしている。
そうすると、そういうファミリービジネスの永続的な企業というのは、
もう何百年も変わらない事業の目的と使命を持って延々と続いている。
このような企業を見直して、こういうところから
地域の活性化というのを考えるということが、
今年の1つの課題です。

地域社会への貢献ということでいうと、
CSRとかもありますけども、ビジネスとしても成り立つ、
ソーシャルビジネスというのも今年はかなり聞くようになると思います。
、その辺りもやっぱり日本の中で根付いていくかどうかです。
そういうソーシャルビジネスというのも、
結局は延々と続く、例えば地域の代表的な造り酒屋さんとか、
そういうところと一緒に社会貢献をやっていくという形で、
もうちょっと基礎がしっかりしてきます。
そうすると前に述べた、地域の名門で延々と続いている
ファミリービジネスというのは1つの地域の基盤で
大事にしなきゃいけないことになると思います。

■2010年日本企業の挑戦
最初に業績から価値が重要になると言いましたが、
実は日本の企業は業績自体が世界的に見て非常に低い。
それでそういう中で、何とか業績を上げようということで、
どっちかというとコストの削減ばかりやってきました。
そうすると、それが更に従業員の満足度を低めて、
結局は業績も価値も実現できないということになってきている。
では、それをどうやって変えるかというと、
グローバルなこの世界を見ますと、
この若い労働力をキャリア教育等で、
この労働力の価値を上げていく。
そういう労働力が流動化することによって、
有能な人材が企業の業績とか価値に貢献していくことになります。
こういったことが、日本の企業に非常に
必要になってきているということです。

■若者のキャリア教育の課題
若者が定職につけないということが、
しばらくずっと言われているのですけれども、
非正規の雇用の状況にある人たち。こういう人たちを
どういうふうに動かしていったらいいのかということになります。
グローバルな競争の中で、日本の企業は、コストを下げるために
こう非正規社員をどんどん増やしていった。そうすると、
そういう非正規社員というのは、一旦就職できないと
日本のビジネス社会ではキャリアアップができない
ということが非常に大きな問題になっています。
ここを日本の企業とそれから我々大学とが共同して、
そういった若い人材を再教育し、キャリアアップが
できるような人材にしていくことです。
特に日本の大学院というのは、文科系を見てみれば、
なかなか学部から大学院に行く人もいなくて、
海外から無理矢理に留学生を持って来て
定員を埋めているところがあります。
そういう定員の埋まらない大学院を、
この正規の社員になれなかった、大卒後10年位経った
30代の若者を再教育することに使っていく。
そうすれば、そういう人材が流動化して、
きちっとした職業能力を身に付けるように持っていけば、
日本のビジネスに非常に貢献できるのんではないかという気がしています。

分野: 久原正治教授 |スピーカー:

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