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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > ソーシャル・ビジネス2(国際経営・国際ロジスティクス/星野 裕志)

ソーシャル・ビジネス2(国際経営・国際ロジスティクス/星野 裕志)

09/12/31

■ソーシャル・ビジネスの規模

前回は、ソーシャル・ビジネスというほど、
まだビジネスのインパクトがないという話をしました。
日本でのソーシャル・ビジネスの市場規模は、
2,400億円程度で3万2千人が従事していると
2008年の経済産業省の報告書で述べられていますが、
一方で英国では2006年の時点で5兆7千億円、
雇用規模で77万5千人とのことです。
英国と日本では、規模が一桁以上違うということになります。


■日本のソーシャル・ビジネスが遅れている理由

阪神淡路大震災を契機として、ボランティア活動などの市民活動の
盛り上がりを受けて、1998年に「特定非営利活動促進法」、
いわゆるNPO法が施行されました。
福祉、教育、まちづくりなど17のカテゴリーに含まれる市民活動の
健全な発展を後押しするという法律ですが、
このように市民活動が正式に認知され、活動の枠組みが
明確にされたのは、まだほんの11年前のことです。

それがソーシャル・ビジネスとして、社会性・革新性をもった事業として
定着するまでには、まだまだ相当な時間がかかるのかもしれません。
実際に、私達の中には、福祉や医療などのサービスは、
自治体などの行政が提供してもらえるものとの意識が
根強く残っているように思います。


■ソーシャル・ビジネスの先進国イギリス

さきほど英国は、ソーシャル・ビジネスの先進国であることをお話しました。
英国においてもそれほどまでに、民間セクターの役割が
大きくなるプロセスにおいては、様々な模索があったようです。
ちょうど日本と同じように、1960年代までは、政府が社会福祉サービスの
担い手であったようですが、1979年に小さな政府を公約として、
首相に就任した保守党のサッチャー政権下で、
行財政改革の一環として大幅な政府の予算削減を図るべく、
福祉サービスの民営化が進められました。
社会インフラの拡充に向けて、民間資金を活用する
PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)という手法が
導入されたのも1992年の英国です。
民間の力をフルに使いながらサービスのレベルを落とさない、
あるいはもっとサービスのレベルを上げていく
ということを模索した国がイギリスです。


■民間と行政の役割

中央政府や地方自治体と民間セクター、
中でもボランタリー・コミュニティセクターとの間で、
どのような役割分担をするべきなのか、
あるいはこれらのセクターへの資金提供の方法とか、
健全かつ持続的な発展に向けて、相互の機能の補完と
共通の価値観をもったパートナーシップとしての関係を
確立する必要性が生じました。
それが、行政と民間セクター間で交わされた
「コンパクト(協約)」と呼ばれる覚書です。
法的な拘束力は持ちませんが、
それぞれの期待や役割が明示されています。

つまり従来行政が提供していたサービスを
民間セクターが請け負うことに関する棲み分けと精神的な規定が
明らかにされることで、民間でするべきことは民間で、
公的機関でするべきは公的機関でということが確立されると共に、
健全な発展を促す環境整備がされたということになります。

ソーシャル・ビジネスという事業の性格から考えても、
少数の大規模な事業よりも、地域のサービスの担い手として、
また革新的かつ独創的な企画をもって社会を変える存在を育成する
ということを考えると、社会の枠組みと環境の整備が求められています。


■ソーシャル・ビジネスは1つの選択肢

来年の流行語の中に、ソーシャル・ビジネス、という言葉が
入って欲しいなと思う位で、私としては、全く新しい枠組み、
色々な機会ができることこそが大事なのだと思っています。
例えば学生や一般の方で、新しく起業したいという方は、
色々思いがあるのだと思いますが、その選択肢の中に
ソーシャル・アントレプレナー、ソーシャル・ビジネス
というモデルが入ってきて、社会の中にそういうものが
ポツポツと出てくる2010年になって欲しいなと思います。

分野: 星野裕志教授 |スピーカー:

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