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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 最近の中国独自技術動向(中国経済と産業/国吉 澄夫)

最近の中国独自技術動向(中国経済と産業/国吉 澄夫)

09/12/01

■中国の独自技術
これまで中国ビジネスのお話の中で、
中国独自で技術を作り上げて、
国内のみならず、海外にも、
市場を広げていこう、
という動きを述べてきました。
現在中国の中で、社会や経済の様々な分野で、
自主創新と呼ばれる、独創性を重視する方針や、
政策が採られています。
技術開発の分野においても、
外国技術をそのまま真似るだけでなく、
中国独自の独創的な技術を打ち立てよう、
という方針が採られています。

そこで最近の動きの中で今回は、
2つほどお話ししたいと思います。
まず1つ目は、2009年の初めから、
正式に運行が始まりました、
第3世代の携帯電話に関する話題です。
もう1つは、次世代のDVDの中で、
中国独自技術と言われている、CBHDについて、
お話しさせてもらおうと思います。


■携帯電話の技術
中国でも既に第3世代に入っていますが、
第2世代ではヨーロッパ式のGSMが主流で、
アメリカ式のCDMAが、市場の約10%を占める、
というマーケットになっていました。
そこで次の第3世代なのですが、
中国方式のTD-SCDMAと、
アメリカ方式のCDMA2000、
ヨーロッパや日本で使っている、
ワイドバンドCDMA(W-CDMA)という方式で、
三つ巴となっています。
この中国方式が今年の1月から、
正式に運行を始めているのです。
中国国内で第三世代が始まったわけですが、
キャリアによって方式が異なっています。
一番大手の中国移動、チャイナ・モバイルは、
国独自方式のTD-SCDMAです。
チャイナ・テレコム、中国電信は、
CDMA2000なのです。
さらにチャイナ・ユニコムが、
ワイドバンドCDMA(W-CDMA)を採用して、
スタートしています。
中国の携帯電話加入件数は、現在6億件と言われ、
世界一です。
本当に桁が違います。
その中で、第3世代のネットワークを、
整備していますから、これに対しても、
日本円換算で3.8兆円の設備投資が当てられました。
ネットワーク整備で、3.8兆円ですから、
電話会社にとっても設備会社にとっても、
非常に大きなマーケットであることが分かります。
問題は、実際にスタートしているのですが、
中国方式のTD-SCDMAへの加入者が、
実は増えていないということです。
そのため、国策で中国方式を採用させられた、
チャイナ・モバイルの収益が、
どんどん悪くなっているようなのです。
今や政府のトップも、中国独自方式が、
他の2つの規格に比べて劣っていると、
認めるような発言もしているのです。

チャイナ・モバイルとしては、できるだけ早く、
この第3世代、3Gを終えて、
第4世代に移りたいと思っています。
そのため中国版の第4世代が開発中です。
これは、TD-LTE、(Long Term Evolution)、
と呼ばれています。
彼らはこれに絞って開発と設備投資をしているようです。
現在では日本などと同じようなスピードで、
第4世代の移行に向かっているわけですね。

一言でいうと、第4世代とは、
インターネット網を使った移動体通信です。
日本では2010年の実用化を目指して、
各社がしのぎを削っています。
しかし当面は3.9世代という言い方をしているようです。
中国もそうした流れに近づいていて、
来年の上海万博で中国も第4世代の商用実験をする、
と発表しています。
第3世代で上手くいかなかったため、
第4世代で何とか挽回したいということですね。


■中国の次世代DVD
次に次世代DVDのお話です。
これは国際的にはブルーレイディスクと、
HD DVDの規格争いで、ブルーレイが、
デファクトスタンダードに選ばれたというわけです。
しかし中国では様相が違いまして、
DVDの丸い盤を作る製造コストが、
HD DVDの方が格段に安いのです。
そのため、HD DVDに独自技術を加えて、
中国版HD DVDとして、
CBHD(Chin a Blue Hi Definition)を作っています。
これが、市場で非常に健闘しているようなのです。

たまたま7月頃にテレビ東京系の、
ワールドビジネスサテライトで特集されましたが、
CBHDが中国の家電量販店の店頭で、
販売シェアとしては約23%を占めているようです。
これが今年2009年の販売台数は、
約100万台になると言われています。
3年後には販売台数が1千万台まで、
伸びるのではないかということも言われています。
そうした背景には、ソフトも関連しています。
アメリカのタイム・ワーナーが、
HD DVDを振って、ブルーレイディスク側に付いたことは、
記憶に新しいですが、これが中国では、
既にCBHDで40タイトルほども、
出しているらしいのです。
今後は100タイトルまで増やすということも、
言っているようです。
市場の事情が変わってきたということでしょう。

実は、HD DVDが敗れる以前、
HD DVDの仲間を世界中に増やそうとしていた、
東芝のエンジニアがいるのです。
彼はミスターDVDと言われていました。
彼は在籍中から一貫して中国に対して、
HD DVDの普及を推進してきたのですが、
本社そのものが事業を撤退する、
という結果に終わってしまいました。
本人も会社を退社してしまっているのですが、
それが現在中国で花開こうとしているという状況です。
今後どのように発展するのか、
かならずしも予断は許しませんが・・・。
会社の方針としては、「撤退」でしたが、
普及にはミスターDVDの力が相当働いたことも、
事実ですし、独自技術という名目であるにも関わらず、
CBHDをずっと支援してきた、
ということが背景にあります。
育てた技術が今花開いていることに、
私としてはミスターDVDに、
敬意を表したいと思います。

分野: 国吉澄夫教授 |スピーカー:

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