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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 大学改革(財務戦略/村藤 功)

大学改革(財務戦略/村藤 功)

09/11/20

■国立大学法人化とその改革
今回は大学改革というテーマですが、
これがなかなか大変です。
私が民間企業から大学に来た時は、
もう別世界だと感じました。
やはり民間とは世界が全く違います。
九州大学のビジネススクールは、
社会人学生が来るため、
社会人に役立つこともある程度教えるために、
民間からの先生が多いです。
そのためビジネススクールを始める時には、
半分位を民間企業から招きました。

大学改革についてですが、
社会がものすごい勢いで変化する中、
その変化に合わせて大学も変わらなければなりません。
この経緯ですが、1987年に文部省の中に、
大学審議会が設置されて、91年に、
設置基準の改正が行われました。
それまでは、同じような大学を作りなさい、
同じようなカリキュラムで運営しななさい、
という基準になっていたのですが、
この改革後はカリキュラムを、
自由に編成してよいことになりました。
そのため、それぞれの大学が、
ユニークなカリキュラムを編成することが、
許されるようになってきたのです。
非常に長い名前の学部や学科が生まれたのも、
このためです。

それから、2004年に国立大学法人が出来ました。
私が所属する九州大学も、それまでは、
国の一部だったのです。
それが、東大も京大も九大も北大も、
全て国立大学法人という国とは別法人になりました。
国立大学法人の先生は、それまで、
教官と言われていましたが、公務員でなくなったため、
規則の中における書き方も全て教員に、
変更するという作業を行いました。
勤めていた教員としては、公務員ではなくなる、
ということで規制が大きく減るのでは、
と期待していましたが、実際には、
九州大学規則として残され全く減りませんでした。
文科省や九大本部ではルールが必要だということで、
未だにまだ文科省による規則支配が続いているのです。

最近は民間企業のように進捗管理を導入しよう、
ということで、計画を立てて、
実績と計画を比較しながら進捗を管理することが、
始まりました。
ところが、民間企業の中期計画は3年なのに、
大学の中期計画は6年なのです。
6年の間には多くの変化が起こるのに、
これでは長すぎます。
この理由は大学の総長の任期が6年だからなのです。
しかし任期と計画は1年ずれています。
九州大学でも、新しい総長の任期は、
今年度から始まっていますが、
中期計画は来年度から始まるのです。

さて中期計画は6年先までですが、
その進捗管理をするためには毎年の、
年度計画のようなものが必要です。
これは民間企業でいう年度予算のようなものです。
その年度計画と年度実績を比較しながら、
実際に計画されたことが起こったのかどうか、
チェックするのです。
これは自己点検評価と呼ばれています。
このように、大学でも起こるべきことが、
起こったのかを毎年チェックするようになりました。

■大学経営と教員の採用
各大学の総長は、大きく改革しなければならない、
ということで様々なことをおっしゃっています。
ところが、大学の場合、教授会、
というものがあります。
これが問題となることがあります。
普通の民間企業では社長が部長を任命する、
あるいは、気に食わない部長は、
社長がクビにするということが起こります。
ところが、教授会のヘッド、例えば、
経済学部で説明しますと、経済学研究院長、
経済学府長や経済学部長などは教授会で投票して、
選ぶことになります。
つまり学部のトップは、総長が任命するのでなく、
教授会の構成員によって選ばれているのです。
そのため総長より教授会構成員の言うことを聞く、
ということになりがちで、総長が、
色々と言ってもあまり言うことを聞いてもらえません。
それが、大学全体の改革を難しくしています。
要するに総長がリーダーシップをとって、
部局長に言ったとしても任免権を持っていないため、
強制力がないのです。

教員の採用も変わってきました。
昔は、教員の採用にあたり、ドクター(博士号)
を持っていなければならないとか、
大学や研究機関から採用しなければならない、
などの規制がありました。
しかし最近は割と自由になってきており、
民間企業など広く社会から人材を、
求めることができるようになりました。
大学院の設置基準の改正もされて、
ビジネススクールのような専門職大学院の場合は、
社会で実務をやっていた実務家教員も、
必要とされることになりました。


■大学と社会の関係
大学は一時、社会から孤立している、
と言われていました。
文科系と理科系を比べると、理科系は、
民間企業と仲が良くて、共同研究や卒業した修士を、
民間企業に就職させるなど、親しくしてきました。
しかし文科系はかならずしも民間企業と、
親しくしてきたとはいえません。
例えば、私が所属しているビジネススクール、
それからロースクールのような専門職大学院では、
2年間で修士号を取って卒業すると、
すぐに専門職として活躍することを目指しています。
そういう意味では、大学と社会を、
出来るだけ近づけようということを行っているわけです。
専門職大学院ではそれほどでもありませんが、
大学全体では、民間企業や一般人は、
誰も興味がないような研究をやっていたり、
学生がほとんど来ないような授業を、
やり続けていたりするということがかなり残っています。


■大学と留学生
最近は留学生の数が増えています。
この留学生の増加に対応するために、
留学生が来て良かったと思ってもらうための、
取り組みを行っています。
奨学金で金銭面をある程度支援したり、
あるいは海外から来てもらうだけでなく、
こちらからもアジアに行く、
という交流協定を結んだりしています。
日本企業が成長するアジアに行って活躍する場合には、
企業の発展を支えるような幹部になれるような、
人材が必要ですが、日本企業にはやはり、
国際的な人材の数が少ないです。
そのため、これから如何に、
国際的な人材を増やしていくかということが、
九州や福岡の企業にとっても重要な問題となっています。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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