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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 成長市場へのアプローチ①(国際経営・国際ロジスティクス/星野 裕志)

成長市場へのアプローチ①(国際経営・国際ロジスティクス/星野 裕志)

09/11/17

■次のターゲット「VISTA」

米国の金融危機をきっかけに今後しばらくは先進国経済の回復が
期待できないとなると、企業は新たな市場へのアプローチを加速しています。
1990 年代に急速に経済成長し、将来的に貿易や投資先として
期待できる地域として、中国や東アジア、中南米、旧東欧諸国などは、
エマージング・マーケット(Emerging Market)=新興成長市場
と呼ばれていましたが、今はその地域はますます拡大し、
細分化、グループ化されています。

すっかり名称が定着した
ブラジル・ロシア・インド・中国の4カ国のBRICsに続いて、
最近はベトナム・インドネシア・南アフリカ・トルコ・アルゼンチンの5カ国は
そのイニシャルから「VISTA」と呼ばれて、
次のターゲット、BRICsの次とみなされています。
生産基地としてポスト中国ともいわれるベトナム、
2億3千万の人口のあるインドネシア、
アルゼンチンは国内市場の金融の不安定性を脱しており、
南アフリカも2010年に予定されているサッカーのワールドカップなどを
成長のばねにするのかと思います。
これらの5カ国は21世紀の半ばに向けて、
BRICsを上回る経済成長率が期待されています。


■NEXTイレブンへのアプローチ

さらにその先の市場としては、国連開発計画(UNDP)で、
後発開発途上国(LDC :Least Developed Countries)
といわれる貧困が問題視されるバングラディシュや
イラン・エジプト・メキシコなどを含めた11カ国が、
「NEXTイレブン」としてグループ化されているようです。
これから企業はアプローチをしているそうですが、範囲が広いなか、
実際に企業のアプローチは、どこまで考えられているのでしょうか。

企業にとって非常に難しい問題ではありますが、
ミシガン大学のC.K.プラハラード教授の研究では、
世界の市場を所得階層別に大きなピラミッドに見立てて、
その底辺をBOP(ベース・オブ・ピラミッドあるいはボトム・オブ・ピラミッド)として、
企業がこの層を取り込むこということが検討されています。
年間所得3,000ドル以下のこの階層は、もちろん購買力がまだまだ低いものの
世界の人口の7割を占める40億人は、市場として無視できない存在です。


■BOPへのアプローチ

7月末にこの番組で、標準化と適応化というふたつの戦略の解説をしました。
世界を単一の市場とみなして、世界にある共通性を重視しながら
標準的な製品やサービスを提供する標準化戦略に対して、
ニーズやライフスタイル・文化・習慣などの違い=差異性を
考慮しながら顧客に提供することを適応化戦略と説明しました。
また各国ごとの現地適応によって競争優位性を目指すのが、
マルチ・ドメスティック戦略です。このマルチ・ドメスティック戦略が、
1つのBOPへのアプローチのキーになると考えられています。

世界の人口の7割、40億人という大変な数ではあるものの、
決して高い購買力を持たない層を対象とするBOPへのアプローチを考えるとき、
先進国市場を対象としてきた多国籍企業にとって、
従来の戦略とは明らかに異なるアプローチが求められています。


■BOPを含めた新興市場開発

例えば、インドのTATA自動車の開発した30万円を切る車「ナノ」に
代表されるように、機能や品質はそこまで高い水準ではないものの
現地の消費者に受け入れられるレベルの製品を提供することは、
やはり現地の企業だからこそできるともいえるからです。

従来から日本企業が得意とするのは、
品質の高い製品を比較的安く提供することであり、
グローバル戦略で市場の浸透に成功してきました。
それが最近では、高品質を追求しすぎたために
コスト競争力を欠いた製品の見直しや、提供する製品が
本当にそこの国のニーズにフィットしているのかという考えから
市場にあった製品の開発と販売に転換する日本企業が出始めました。
BOPを含めた新興市場に今後どのようにアプローチし、
開拓できるかが問われています。

分野: 星野裕志教授 |スピーカー:

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