QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

過去の記事詳細

QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 地価と賃料(財務戦略/村藤 功)

地価と賃料(財務戦略/村藤 功)

09/11/13

■地価の下落
今回は地価と賃料についてです。
金融危機の影響で、全国どんな場所でも、
下がってしまったというのが現状ですね。
バブル崩壊後、持ち直したことも、
一時ありましたが、やはり、
下がって来てしまいました。
以前福岡は他の都市に比べても、
大きく値上がりしていたものです。
新幹線が開通することもあって、
グローバルなファンドに狙われて、
昨年地価が上がっていたのです。
人の流入が続き都市としての価値も、
評価されていたこともあります。
しかし、金融危機後、そのように、
上がった分だけ、一気に下がってしまいました。

地価と言っても、色々なものがあります。
以前お話したことがありますが、
国土交通省が担当の1月1日時点の、
公示地価というものがあり、
3月に発表されます。
公示地価は1月1日時点の、
土地価格の市場価値を表すものです。
一方、路線価とは相続税や贈与税の、
算定基準となる国税庁が担当するもので、
7月1日に発表されます。
路線価も下がりましたが、公示地価は、
全国的に平均で3.5%ほど下がったようです。
商業地で約4.7%、住宅地で約3.2%、
下がったという感じです。

福岡は商業地で9.6%も下落してしまいました。
特に博多区はファンドバブルで、
去年25%ほども上がっていましたから、
その反動が大きかったのです。
新幹線全線開通目前まで上がり続けることが、
想定されていたのですが、金融危機で、
ファンドが皆逃げてしまいました。
銀行もお金を貸さなくなってしまったので、
買い手がいなくなってしまいました。
ファンドの撤退や銀行が貸さなくなったことで、
博多区は2009年に13%近くも、
下落してしまいました。

公示地価を見ると、東京、名古屋、
大阪など大都市の方が下落率が高いようです。
地方は、通常あまり地価が上がらない分、
あまり下落しません。
またファンドは、普通大都市の土地や、
物件を買います。
そのため金融危機以前は、大都市の地価が、
かなり上がっていました。
その後ファンドが金融危機で、
大変な損害を出して日本から逃げ出したために、
大都市を中心に大きく下落してしまいました。
ファンドは、やはり欧米の投資家が、
メインだったため、痛手を被ったということですね。

外資ファンドが出て行った理由には二つあります。
一つは金融危機で損をしたので、
余裕がなくなったということです。
もうひとつは、欧米の不動産価格が下がったために、
欧米の不動産の投資利回りが上がり、
東京の不動産の魅力が相対的に、
下がったということがあります。
少ないお金で欧米の不動産が買えるようになったため、
資金を東京の不動産から引き揚げて、
そちらに移しているということです。


■オフィスビル
土地の地価とオフィスビルの賃料は、
ある程度リンクしています。
東京の一等地の一番高い辺りの賃料は、
去年の春位までは、坪当たり7万円、
という価格をつけていました。
その値段が今ではもうなくなってしまいました。
東京の平均で、2万円ほどになっています。
一番良い場所でも7万円から、
5万円ほどに下落しているようです。

去年の空き室率は、春には3%位ありましたが、
それがあっという間に、4%、5%、
6%、7%、と上昇して今では、
8%ほどになってしまっています。
一部では10%超えてきている、
という話も聞きます。
新しく作った大型ビルの場合、
3分の1も空いているものが、
増えてきたと聞きます。
リーマンショック前は、かなり儲かる、
という予想で作り始めたのですが、
完成した時には上場企業はじめ、
テナント企業たちが、少しでも安いところに行く、
オフィスを縮小するなどして、
逃げ出してしまったのです。
福岡県内、博多・天神地区でも、
企画はリーマンショック前、
完成はリーマンショック後というようなものが、
結構あります。
高級ホテルも同じで、ホテルの計画時点では、
需要がどんどん上がるという前提に、
たっていました。
ところが金融危機で、お客さんが、
来なくなってしまい、空き室率が、
どんどん上がってしまったのです。


■建設業界・不動産業界
不動産業界は、資金調達ができなくなると、
あっという間に倒産してしまいます。
この業界では銀行がお金を貸してくれなくなる、
ファンドが自己資本に出資してくれなくなる、
ということが、割とすぐ起こってしまいます。
銀行は割と現金なもので、金融庁が、
不動産貸し出しを厳しくする、
ということを言い出すと、あっという間に、
不動産業界への貸し出しを止めてしまうのです。
そうすると建物の建設中でも、
工事が止まってしまうということが起こります。
千早駅前にも、建設途中で止まっているような、
建物がありますね。

九州でも、昨年から大きな不動産会社が、
倒産しています。
福岡銀行や西日本シティ銀行なども、
金融庁に止められている業界へ貸して、
損してしまうと後で怒られそうなので、
不動産融資はすぐに止めてしまいました。
建設する方としては貸してくれるはずだったのに、
話が違うということで、気の毒な部分もあります。


■今後の見通し
地価や賃料の今後の見通しですが、
まだ厳しい状況が続くと思います。
全体的な景気は少しずつ戻り始めていますが、
人の雇用は景気回復とは、
少し遅れて戻ってくるので、時差があります。
賃料に影響するオフィススペースの広さは、
人をどれくらい雇っているか、
ということにもよるため、賃料の回復には、
まだ少し時間がかかりそうです。
現段階では人を減らして、
高い賃料のオフィスから、
安いところに移るという動きが継続しています。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ