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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 日本国内の自動車リサイクルビジネス市場の現状(マーケティング/高橋 幸夫)

日本国内の自動車リサイクルビジネス市場の現状(マーケティング/高橋 幸夫)

09/11/12

今まで、もうひとつの中国自動車産業ということで、
中国の中古車事情や自動車リサイクル事業をご紹介してきました。
今回は、日本国内の自動車リサイクルビジネスの話をします。


■国内リサイクルの現状把握の難しさ

日本国内で2005年に自動車リサイクル法が施行されて、
今年1月で4年が経過しました。
この自動車リサイクル法のもとで、
自動車リサイクルビジネスが営まれています。
自動車リサイクルビジネスは、自動車解体、自動車リサイクル部品、
シュレッダーダストの各市場に大きく分けられます。
ここで間違わないようにしたいのは、自動車そのものを
リサイクルするのではなくて、部品をリサイクルして再利用しているところです。
自動車リサイクルビジネスは、使用済み自動車を
解体処理して、部品を再利用します。
あるいはそのシュレッダーダスト(自動車を破砕した時に出る残渣)を
再資源化する過程まであり、非常に幅広くて、
非常に長いプロセスであるために、自動車リサイクルビジネス市場全体の
市場規模を正確に把握することはいまだに困難です。

また、今では、自動車には3万点以上の部品が使われていますので、
非常に長くて幅広い市場になってしまいます。
そこで、このビジネスの発生源として、代理変数としての
国内使用済み自動車発生台数に着目して分析することが多いです。
国内使用済みの発生台数、ここ数年は350万台から370万台前後で推移しています。
様々な市場がありますが、その中で一番分かりやすい
リサイクル部品市場について、今日はお話をさせていただきます。


■国内リサイクルの概況

リサイクル部品の国内市場規模は、2008年度の推計で、約2千億円です。
年々、市場自体は拡大していますが、昨今の景気低迷の影響で、
ユーザーからの整備コスト低減要求が非常に強まっています。
一方で、これは非常に危険なことなのですが、少しぐらいの不具合で、
修理、部品交換しないなどの傾向が見られるようになり、
国内自動車リサイクル部品市場の成長も鈍化傾向が表れているのが現状です。
このような鈍化傾向の中で、市場を拡大していかなければ、
今後、事業者として今後成り立っていかないだろうということですが、
最近注目すべき動向が、2、3、現れてきています。

まず、国内市場が低迷する中で、自動車産業自体の
グローバル化に対応して、中古部品の輸出が伸びています。
2008年度の中古部品の出荷金額ベースの30%にあたる
300億円程度が、輸出向けで更に拡大を続けています。
海外、特にアジア、中東、アフリカ諸国、ロシアなどに輸出されていて、
各国では、ジャパンブランド車の品質への信頼は非常に根強いものがあります。
それが、中古部品への信頼感にも繋がっています。
海外では、多くの中古部品需要が存在しています。
また、中古部品に品質保証を付けて販売する例も出てきています。
品質保証を付けることにより、付加価値の向上につながるわけです。
このように、海外では需要の拡大とその高付加価値を付けることによる
部品単価の底上げによって、日本国内と同様の市場規模までになる
可能性があるということで、業界では期待されています。

続いて、サステナブルイシューとしての環境問題への取り組みとして、
自動車リサイクル部品業界では、LCA(ライフサイクルアセスメント)的な観点から、
新品部品との比較でCO2がどの位削減されたかの指標を構築して、
削減効果をエコポイントとして貨幣価値換算する
というような新たな動きが出ています。
これは、実際に、数字で表わされています。
従来、リサイクル部品の採用は、その整備業者の判断で
行われることが非常に多かったのですが、今回のエコポイントの導入により、
一般ユーザーにはまだまだ認知が低いのですが、
リサイクル部品への支持も今後予想されており、
市場拡大の起爆剤としてかなり期待されています。


■今後の自動車リサイクルビジネス

通常、新車を買う時は新車ディーラーから購入しますが、
新車ディーラーでは、中古部品の品質への不安や、
中古部品の供給量、サプライルートの問題から、
まだまだリサイクル部品の採用が進んでいないというのが実情です。
そうした中で、CO2排出量抑制など、環境問題の対応により、
リサイクル部品を利用することによる、
社会に対する貢献度が数値で明らかにされます。
それによって、新車ディーラーも時代的、また社会的要請によって
リサイクル部品の採用に積極的に対応せざるを得なくなり、
このこともリサイクル部品市場の拡大要因に今後はなり得るかもしれません。
あとは、ユーザーに安心してもらうための基準作りも、
今後、必要になってくると思います。

分野: 高橋幸夫助教 |スピーカー:

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