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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > MITレポート (その2)(産学連携/高田仁)

MITレポート (その2)(産学連携/高田仁)

09/11/11

『オバマ大統領のMITスピーチ 〜クリーン・エネルギーへのチャレンジ〜』

去る10月23日(金)に、オバマ大統領がMITを訪問し、
環境問題への対応とクリーン・エネルギーの振興について
スピーチを行いました。

大統領の来学は、急遽来学の3日前に発表され、
金曜日は学内の主要道路は駐車禁止となり、
スピーチ会場周辺にはケンブリッジ警察が厳重に警戒し、
爆弾処理班の特殊車両も配置に着くほどの物々しさでした。

スピーチ会場に入るチケットはごく少数の
限られた人のみに配布されたので、
スローンスクールの教室を開放して
設置された臨時中継室で、スピーチを聴くことにしました。

スピーチは、
「このマサチューセッツ州ケンブリッジ市で最も優秀なMIT・・」
と言った後で、自身がハーバードのロースクール出身であったことで、
「ケンブリッジの“この辺りでは”・・・」という
笑いを誘うごまかしから始まりましたが、
全体を通して非常にパワフルで、
「リーダーとはかくあるべし」というものでした。

「若くて優秀な人材が、リスクをとって発見やイノベーションに
取り組んできたことはアメリカの伝統でもあり、
我々のDNAの中に刷り込まれている。
それを、今こそクリーン・エネルギーに向ける時だ。
中国やインド、日本、ドイツなど、世界各国が
この分野でイノベーションに取り組んでいるが、
この競争に勝った国こそ、世界経済のリーダーとなることが出来るのだ。
そのために、科学技術への投資を積極的に行う!」
といったパワフルな内容でした。

スピーチ全体を通じて、オバマ大統領のメッセージと
聴衆の反応がしっかり噛み合っているという印象を受けました。
これは、聴衆であるMIT側が、クリーン・エネルギーへの
取組みに関するプライド/自負心を持って
大統領のスピーチを聴いていたからでしょう。

ちなみに、スピーチの至る所で「トランスフォーム」という
言葉が頻繁に使われていました。
大統領選の際のキーワードだった「チェンジ」よりも
語感として深みがあり、変化のプロセスを想起させるという意味で、
現状にマッチした適切な言葉の選択だと感じます。
この辺も、オバマ大統領のスピーチの上手さの
一旦なのだろうと感心させられました。

オバマ大統領がなぜMITを訪問したかという理由ですが、
MITのエネルギー分野の教授が以前から
民主党政権のエネルギー政策に密接に関わっており、
個人的なつながりが強かったというのが最大の理由のようですが、
やはりMIT全体にクリーン・エネルギー関連の研究開発プロジェクトが
山のようにあることもその理由でしょう。
また、研究開発のみならず、クリーン・エネルギー分野に関心を高め、
積極的な取組みを促す仕組みも数多くあります。
その一端を紹介しましょう。

【Clean Energy Prize(http://mitcep.com/)】
MITでは、100Kというビジネスプランコンテストがよく知られていますが、
最近はClean Energy Prizeというコンペも熱心に取り組まれています。
昨年はミシガン大学のチームが最優秀となり、賞金200Kドルを獲得しました。

【MIT Energy Club(http://energynight.mit.edu/)】
スローンの学生も多く参加している、学生による自主的なクラブで、
レクチャー・シリーズやカンファレンス、「Energy Night」という
技術やビジネスの紹介や人材交流を目的としたビッグイベントなど、
本格的な活動をしています。

【講義】
私が所属するアントレプレナーシップセンターでは、
Energy Venturesというエネルギーベンチャーに
特化した演習型の科目が提供されています。
また、 X-Prizeという有名な「賞」とコラボした講義も行われています。
X-Prize(http://www.xprize.org/)は、
民間初の有人宇宙飛行や100マイル/ガロンの
超低燃費自動車の開発などで知られていますが、
講義では、特にエネルギー貯蔵技術に関して、
MITの学生がコンペへの参加に結びつくように
学生の意識を醸成しながら、
チームを組んでプランを作成するという演習が進んでいます。

以上に限らず、大小数多くのクリーン・エネルギー関連の
取組みがMITにはあふれており、私のような部外者であっても、
「ごく自然に」クリーン・エネルギー関連のイベントや
プロジェクトに参加したい気持ちになります。
これが、MITおよびこの周辺が持つ「エコシステム」の底力でしょう。

分野: 高田仁准教授 |スピーカー:

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