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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 鳩山政権のはじまり(財務戦略/村藤 功)

鳩山政権のはじまり(財務戦略/村藤 功)

09/10/30

■新政権の取り組みと新しい顔ぶれ
先日、遂に鳩山政権がスタートしました。
今回は改めてこれまでの鳩山政権の動きを、
抑えておこうと思います。
新政権は高い支持率で始まるとはいいますが、
鳩山内閣は支持率75%で始まりました。
小泉政権の80%に次ぐ数字ですから、
いい支持率のスタートを切っているということでしょう。

鳩山政権では色々と新しい言葉や、
組織が出てきています。
例えば、国家戦略局や行政刷新会議などです。
国家戦略局は、菅直人氏が大臣となりました。
まだ法律が通っていないため、
国家戦略室という扱いです。
そこでは予算の優先付けをする役割を、
果たすことになっています。
つまり竹中平蔵氏が行っていた、
経済諮問会議のような役割を果たすことになります。

それから行政刷新会議が最近大騒ぎになってきています。
京セラの稲盛会長やキッコーマンの茂木会長までが、
メンバーとして入ってきています。
さらに事業仕分けで有名な大蔵省出身で、
構想日本の加藤代表が事務局長を、
務めることになりました。
政府にお金がない状況なので、
補正予算から何兆円削れるか、
2010年度にマニフェストで約束した、
子供手当てなどを払うために、
どこから無駄を省くかということを、
一生懸命やっている最中です。

財務大臣は、大ベテランの、
藤井裕久氏に決まりました。
しかし開口一番ストックの埋蔵金は、
もう使わないとお話しされました。
おっしゃる通り、既に埋蔵金は、
ほとんどなくなっていたのですから、
仕方ありません。

外務大臣は岡田克也氏です。
11月までに過去の密約である、
「1960年の安保改定時にアメリカの核持ち込みを認める密約」、
「朝鮮半島有事の際の戦闘作戦行動に関する密約」、
「沖縄基地の返還の原状回復費の肩代わり密約」等の、
密約の存否等を調査し、報告するように、
藪中次官に命令しました。
大臣が全て出しなさいというのも少し変な話ですが。
これまでずっと自民党と外務省で、
隠してきただろうという考えのようで、
本当のことを分かった上でスタートしよう、
ということですね。
外交にも積極的に動いているので面白いかもしれません。

それから九州出身の原口一博氏が、
総務大臣となりました。
彼も結構大胆なことを色々と言い始めました。
本当に実現出来るのかは分かりませんが、
国家公務員の3分の2を占める出先機関は、
自治体との二重行政となるため、
それを回避するために廃止すると言い始めました。

早々に名前が挙がった官房長官は平野博文氏です。
彼はもともと松下電産のサラリーマンで、
松下労組出身の中村正男衆議院議員の、
秘書を経由して政界入りしました。
やわらかいタッチでお話しされる方です。

厚生労働大臣は、お馴染みのミスター年金、
長妻昭氏です。
長妻大臣は、年金問題で大活躍したために、
この人だけは厚生労働大臣として、
来て欲しくなかったと官僚に思われていたようです。
一体何をするのか戦々恐々としているようですね。
ただ、厚生労働省には労働の部分もあります。
製造業派遣の原則禁止など、
社民党の意見を取り入れているものもあります。
簡単に派遣労働者を禁止にすると、
大変な数の失業者が出ると言われています。
現状ではとりあえず専門職制度を作って、
専門職には派遣を認めて、
一般職の派遣は認めない、
ということを言っています。
しかし一般職だけでも65万~85万ほどの、
雇用が失われるという試算があるようで、
心配です。
自動車・電気メーカーは、
派遣から期間従業員に切り替え始めるなど、
対応が始まっているようで、
労働者側にも困惑が広がってきているようです。

そして前原国土交通大臣です。
この人が、大変元気に様々なことを始めました。
まずダムを止めようという話です。
国土交通省は全部で143ほどの、
ダム事業を抱えています。
とりあえず、八ッ場ダムの建設中止で、
揉めています。
また国土開発幹線自動車道建設会議という、
これまでどこの高速道路を作るか、
決めていたものを、廃止することにしました。
さらにこれまで採算の合わない空港を、
作ってきた空港特別会計も改革する、
と言い始めて行動を起こしています。
実は空港特別会計は結構な金額なのに、
個別の空港ごとの財務諸表を作成していないのです。
これまでは個別空港の財務状況は、
赤字に違いないが財務諸表を作成していないので、
分からないという状況が頻繁に生じていました。
JALの大赤字も、元々は空港の特別会計で、
ほとんど飛行機を飛ばす必要性がないような、
地方空港を作っておいて、
ここにJALを飛ばすように強制した、
という背景があります。
空港に関しても、ここからどうするか、
というのが問題になってきています。


■民主党政権の始めの施策
鳩山政権はまず予算の見直しや、
官僚との戦いに取り組んでいます。
麻生内閣が2010年度予算の概算要求基準を、
どうするのかという話をしていましたが、
民主党は新しい方法でやるということで、
これを止めました。
まず菅国家戦略担当相、千石行政刷新担当相、
藤井財務相、平野官房長官の、
4閣僚で作った予算関連の閣僚委員会を経て、
連立与党3党の基本政策閣僚委員会と、
これに与党の幹事長クラスが加わった、
政府連立与党首脳会議を開いて、
新しい方式で予算を考え始めました。
ここではなんと複数年度予算を、
導入するという議論が始まっています。

まず今年の補正予算が1、
3~14兆円ほどありましたが、
ここから3兆円ほど無駄を発見して、
財源をひねり出そうということで、
10月6日までに2.5兆円をひねり出しました。
さらに何とか積み増して、
3兆円近くまで行ったようです。

官僚との戦いも大変です。
次官会議を廃止して、省の中に、
大臣チームという、閣僚と副大臣と政務官の、
3者で構成するチームを作って、
それに民主党の議員は誰でも参加していいという、
各省政策会議というものを作りました。
そこから閣議にかけて法律を作っていく、
という体制に切り替えました。
この背景には小沢幹事長の、
内閣に対する支配を強めようという話があるといわれ、
本当かどうかは分かりませんが話としては、
面白いところです。

官僚との戦いでは、天下りの原則禁止、
というものもあります。
官僚の早期勧奨対象は、全て駄目だ、
というわけではなく、天下りと結び付く、
早期勧奨退職をやめさせいということです。
このような施策がどこまで出来るのか、
注目する必要がありますね。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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