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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 日本のモノづくり産業が直面する課題と対応策(2回目)(国際企業戦略論/永池克明)

日本のモノづくり産業が直面する課題と対応策(2回目)(国際企業戦略論/永池克明)

09/10/29

■日本のとるべき対応策
日本は基本的には垂直統合型でしたが、
商品の様々な特性をみると、今はいわゆるインテグラル型、
つまり擦り合わせ部分と簡単な組み合わせ部分があります。
日本の場合、技術的には両方への対応が十分可能ですから、
そこを戦略的に使い分けていくことが、
一番大事なことだと思います。
さらに技術革新あるいは製品開発努力を怠らないことが肝要ですが、
将来最大の成長と規模が期待できるBRICs(ブリックス)のマーケットは
純粋な成長のためには無視できないと思います。
この有望な市場を獲得していかないと持続的な成長が期待できないので、
何とかそのマーケットを攻略するための商品が必要です。
そのためには、日本企業はモノづくりの発想を根本的に変えて
材料部品、設計、生産再構築を行おうとしています。
そして現地ニーズを尊重したマーケティングで
販売シェアを伸ばしいくことになります。
日産、ホンダなどの自動車メーカーはインドに生産拠点を設け、
現地仕様の低価格・高品質の車の生産を目指しています。
多くの電機メーカーも中国・インドの国民を意識した
現地生産やアウトソーシングを行い、競争的な価格戦略で
BRICs市場を確保しようとしています。
すなわち、高ブランドあるいは高品質は維持しながら
競争的な価格戦略を展開を可能にするビジネスモデルが議論されています。
パナソニックやソニーは新興国の中間層を開拓していくようですが、
魅力的な成長市場に何とか食い込んでいく戦略的な狙いを
今具現化しつつあると考えています。
そのためには日本企業のものづくりに対する考え方を
根本的に変革する必要があります。

日本国内向けあるいは先進国の高所得者層というセグメントであれば、
これまでのモデルでいいのですが、BRICs(ブリックス)になると、
現地で開発して現地で生産し、その国内市場だけでなく
先進国の中間層あるいはアメリカの低所得者層などにも
対応できる商品を提供する、しかも高品質を維持してというのは
非常に難しいことです。
そのような製品は全部を自社で作るのではなく、
アジアならアジア全域に散らばった工程間の分業ネットワークを
を作る必要があります。
そうなると、デルコンピューター(Dell)のように
自社で開発と販売しかやらないとすれば、
オーケストラの指揮者のように他の部分を
全部まとめていかなければなりませんが、
企業間の戦略的な提携、アウトソーシングを
うまくまとめるのは日本人が苦手なところです。

日本の良さは、1から10までチェックしてというところですが、
行き届かなくなると品質面でも問題があり、
トップクラスの日本の自動車企業も
リコール問題などが起こっています。
本国の熟練技術者が海外にどんどん派遣されて、
国内が人手不足になっているという現状もあります。
技術の伝承とか蓄積がうまくいかなくて、
簡単なところで欠陥が出てくるという問題があります。
これからは、世界中の経営資源(ヒト・モノ・カネ・ノウハウ)
をうまく束ねて、マネジメントしていく能力は、
日本人が最も苦手とするところですが、大変重要になります。
今後製造業、加工組み立て型の産業の中で、
国際的な経営力や多国籍の人々を糾合した
国際的なプロジェクトマネジメントが
重要になると思います。
そのためには、このQBSのようなビジネススクールが、
MOTあるいは海外に強いプロフェッショナル人材を
送り出していくことが、
日本の加工組み立て産業、自動車、電気、精密機械産業で
最も必要とされるのではないかというのが私の考え方です。

厳しい価格競争は世界のトレンドですから、
この前提では最適値でビジネスをやらないと、
全て日本ですませるというのは、今や難しいと言わざるを得ません。

分野: 永池克明教授 |スピーカー:

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